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最初のカナダ留学:自己資金ゼロだった
1991年に新潟大学を卒業後、ロータリークラブの公募留学生としてカナダのニューブランズウィック大学(UNB)に一年留学しました。語学留学でもなく、大学院への進学でもなく、4年制を卒業してからの学部編入という、今思うとかなり意味不明な留学でした。とりあえず外国に行ってみたい、でもお金ない、外国で修士課程に進学するほど学究心もない。こんなヘタレにタダで留学させてくれるのは、太っ腹なお金持ちのおじさまたちが集まるロータリー財団くらいだったのです。
留学させてもらう条件が「留学先のロータリークラブでスピーチをする」「帰ってきたら地元のロータリークラブでスピーチをする」だけでした。留学先のクラブでは、かなり真面目に日本の文化や歴史について聞かれた覚えがありますが、帰国後の報告スピーチで地元のおじさんたちから聞かれたことはただひとつ、「カナダ人もゴルフやるんですか」でした。
えっと、そんなにチョロくて良いんでしょうか…せめて「新潟大学では文化人類学を勉強したそうですね?カナダは原住民の同化政策をどのように反省していますか」くらい聞いて欲しいじゃないですか。というのは嘘です、あの頃は英語の授業についていくのが精一杯で、社会について深く考えてる余裕なかったわ。
何のビジョンもなく、地元の親切ななおじさんたちに学費渡航費出してもらって8ヶ月の期限で行ってきたカナダ。帰国後、またカナダに行きたい病にかかり、次はカナダ政府が外国人学生に出してくれる奨学金を目指すことになります。その話は、また後日。