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【カナダ留学体験談】名門公立カレッジBCITでデザインを修了
航空宇宙学やコンピューターサイエンス、ITからデザイン、ビジネスまで幅広いカリキュラムを提供している公立カレッジBCIT(BC州立工科大学)。
カナダ現地で高い就職率を誇る名門公立カレッジとして知られており、留学生にも人気を誇っています。
そんなBCITでは、エミリー・カー美術大学との提携プログラム「Communication Design Essentials」を提供しています。エミリー・カー美術大学も、カナダで歴史を持つ名門大学なんです。
本記事ではカナダに留学し、BCITの「Communication Design Essentials」および「Graphic Design」プログラムでデザイン学んだMidoriさんのインタビューをお届けします。
カナダ留学を決めてBCITに進学
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ーカナダに来る前は何をしていましたか?
美術大学で、油絵を描いていました。卒業後は絵に関連する仕事が見つからなかったので、 飲食業で数年間働いていました 。
ー留学先にカナダを選んだ理由を教えて下さい。
もともと、英語の勉強がすごく好きでした。趣味のような感覚で語学学校に通って、フランス語と英語を勉強していました。どちらの言語も勉強できる留学先として、カナダという選択肢が出てきました。
それから、たまたま本屋さんでカナダの写真集を見たんですね。そのときに「この国に住んだら、自分にインスピレーションを与えてくれるんじゃないかな?」と思ったんです。それでカナダに行こうと決めました。
ー実際にカナダで暮らしてみた感想は?
実際に住んでみて気に入っている点は、日本と違って個人主義の人が多いところです。 周りに合わせ過ぎなくてもいいのは気楽だと感じています。
BCITに進学をするための準備
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ーBCITに進学するまでの道のりを教えてください。
BCITを目指そうと決めた時に、VGCという語学学校に大学進学(パスウェイ)のカリキュラムがあり、そこでスコアを満たせばBCITに入学できることを知りました。ただ、そこでの英語の勉強は本当に大変でした。
特に苦労したのは、IELTS形式の模擬テスト。最初はスコアが全然伸びず、クラスもなかなかレベルが上がらなくて苦しかったです。 今思うと、BCITでの勉強よりもVGCでの英語の勉強の方が大変だったかもしれません。
ー英語のスコアの他はどんな入学条件がありましたか?
ポートフォリオを提出して担当の先生がプログラムに適しているか判断しました。日本で描いたものと、カナダで描いたものを8〜9枚提出しました。
プログラムへの入学条件が満たされたときは、すごく嬉しかったです。日本で絵を描いていたときに「これは役に立つのかな?」と苦しかったことがあったので。カナダに来たことで、ここで自分の絵が生きるかもしれないと思えました。
BCITで学んだ内容について
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ー学んだ分野に関してもともと知識はありましたか?
全部ゼロからのスタートでした。パソコンやソフトウエアの操作も、自分では得意だと思っていなかったほうです。
ただ、先生たちに聞けば優しく教えてもらえます。クラスメイトもモチベーション高く、授業外でも質問し合ったり、みんなでアドバイスをし合う機会もありました。大変だったけれど、いつでも助けてもらえる環境でした。
ー具体的にどのようなことを学びましたか?
HTMLとCSSを半年かけて集中的に勉強しました。基本的なウェブページの立ち上げ方を教えてもらい、少しだけJavaScriptも習いました。これらは今でも苦手ですね。
また、PhotoshopとIllustrator、InDesignなどAdobeのソフトウェアを学びました。こちらもインターフェースがフレンドリーではないので、すごく苦しく感じましたね。
その他、グラフィックデザインの歴史や色彩学、タイポグラフィの授業などがあり、デザインの理論まで幅広くカバーしていました。これらのカリキュラムは、20ヶ月ぶんの学習量を10ヶ月に濃縮していると聞きました。
一番自分に向いていると思ったのは?
InDesignですかね。InDesignを使って、雑誌のレイアウトやメニューのデザインを課題で制作しました。自分の中でスッキリとしたレイアウトを作ることができたときに、気持ちいいなと感じます。
特にタイポグラフィを勉強してから、InDesignがすごく楽しくなりましたね。文字の組み合わせ方のコツや、フォントによってエレガントだったり近代的でモダンなイメージを持たせるなど。
普段もInDesignを使っていて、レジュメのデザインもInDesignで作っています。使えば使うほど、自分が知らなかった機能が出てきて面白いです。
ー苦労したコースは何でしたか?
ポートフォリオに特化した授業です。HTML と CSSのコースの一部だったので、先生はデザインよりもプログラミングに特化している方でした。「デザインは、君たちの好きなようにやるんだよ」と言う感じで。
そうなると逆に、何をどうしたらいいのか分からず、私も含めてクラスメイトも全体的に混乱しながらやっていた印象です。自分のデザインのサンプルはたくさん持っていても、どのように並べて、どうやって受け手に訴えられるのかが分からなかったので。この授業にはとても苦労しました。
また、BCITの授業では、プレゼンテーションがいっぱいあるんですね。人前で話すのが苦手だということもありますが、一番最初のプレゼンテーションはほとんど喋ることができませんでした。
デザインは視覚的なものなので、スクリーンに自分の作品を写して、ただ画面をスクロールしていて。 先生が「これは、こういうことだったのよね」と助言をしてくれましたが、最初は「私は一体何をやっているんだろう」という気持ちでいました(笑)。
そんなプレゼンテーションですが、 数をこなして少しずつ慣れていきました。持ち時間は最大で8分くらいあり、どんなに準備をしてもクラスメイトの顔を見るとセリフが飛んでしまうことも多かったですが(笑)。
BCITの講師やクラスメイトについて
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ー印象的だったクラスや講師について教えてください。
一番印象的だったのが、InDesignの授業です。ラテン系の明るい女性の先生で、ものすごく面倒見が良く、クラスの雰囲気も明るかったです。
勉強する内容は難しかったのですが、先生の中で「誰も落第させない!」という気持ちがあり、誰が質問してもきちんと返してくれました。
その先生とは、今でもたまにメールでやり取りをすることがあります。新しいイラストを書いたら見てもらったりとかしていますね。
ークラスメイトについて教えてください。
最初は25人くらいの生徒がいました。残念ながらドロップアウトしてしまう生徒もいて、最終的には23人くらいになりました。 ドロップアウトする理由は、課題についていけずモチベーションを保つことが難しかったから。
クラスの年齢層は、高校を卒業したばかりの10代から、私を含めてキャリアチェンジのために留学している層まで。年齢を聞くことはないので正確な年齢は把握はしていませんが、10〜40代が入り混じっている印象です。
もともと PhotoshopやIllustratorを好きで触っていた生徒はいましたが、ほとんどのクラスメイトがゼロから始めていました。
ー学校の課題はどのような内容でしたか?
ポスターや小冊子のデザイン、Webデザイン、アプリケーションデザイン、 パッケージデザインなどがありました。パッケージデザインは、パスタや石鹸の箱など商品のパッケージをデザインするのですが、私はワインのラベルを制作しました。
中でも大きなプロジェクトがブランディングですね。 架空のブランドのために色彩などのデザインを考えます。
プロジェクトはいつも、スタート地点が一番苦しいです。アイデアが浮かばない時期があるので。何枚もスケッチをしたり、自分の中でどんなキーワードが合うのかを考えて整理をします。イメージが固まってきた時点で、楽しい時間が始まります。 実際にパッケージのデザインを考える時間は楽しいので。課題への取り組みは、苦しみと楽しみが共存している感じでしたね(笑)。
ーパートタイムの仕事と掛け持ちは可能だと思いますか?
パートタイムの仕事をしている人はいましたが、目の下にクマができたりしていました。「課題はどう?」と聞くと、全然進んでいないと話していたり、すごく大変そうでしたね。不可能ではないと思いますが、時間のマネージメントが大変なのではと思います。
カナダのBCITに留学中のエピソード
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ーBCITのフリーペーパーに、表紙を含めて作品が掲載されたようですね!
作品の掲載はコンテスト形式で、入選すると賞金が貰えることを知り出してみようと思ったんです。
ディレクターに問い合わせをしたら、具体的なサイズや画素数などの規定が渡されました。トピックが難しく、最終的なデザインに辿り着くまでに苦労しました。最終的に3つの案を提出し「1つでも選ばれたらいいな」と思っていたら、3つとも選んでもらえました!
キャンパスのマガジンラックに、自分の描いた絵が表紙のフリーペーパーが並んでいるのを見たときは、すごく嬉しかったです。
ー英語で学ぶ上での困難はどのように乗り越えましたか?
先生がレクチャーしている時も、クラスメイトと話してる時も含め、1日に4〜5回は知らない単語が出できます。そういう時は、知っているフリをせずに素直に聞くことが大事かなと思います。
ときどき「今聞いたら会話の流れを遮っちゃうかな」と思い、後で調べたりもするんですけどね。今も苦労していますし、素直に質問するのはなかなか勇気がいることだと思います。
英語ネイティブ同士は話している内容を理解しているから、ちょっとした疎外感を感じる瞬間があります。でも、基本的に私が分からないことを質問をしても嫌な反応する人は誰もいないし、ちゃんと教えてくれます。
ーBCITでデザインを学んで良かった点は?
活発な雰囲気の中で学べるということですね。日本では先生の話を静かに聞いて授業を受けるというスタイルが多いと思います。
一方でBCITでの授業は、クラスメイトが手を上げて質問をし、先生とやりとりをしながら授業をすることが多かった。先生たちも、現場での経験がある人がほとんどだったので、フィードバックも的確でした。
BCIT卒業後の就職について
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ー就職活動では学校からどんなサポートを得られますか?
レジュメの書き方や面接の流れ、LinkedInの基本的な編集の仕方などを教えてくれます。
卒業後もBCITのキャリアサポート窓口で、レジュメやカバーレターの書き方を教えてもらうことができます。
ーどんな業界に就職してみたいですか?
BCITのプロジェクトを通して、ブランディングやパッケージのデザインが得意かもしれないと思ったので、そんな現場で働いてみたいなと考えています。
ークラスメイトの就職活動は進んでいますか?
食品会社に応募をしたクラスメイトがいたり、 グラフィックデザインとは違う職種になるかもしれないんですけど、ミュージックビデオの編集の仕事に応募しているクラスメイトがいます。
ーロングタームの目標を教えてください。
一番の目標は永住権の取得ですね。 カナダにずっと住みたいなと感じています。
ーBCITはどんな人におすすめしたいですか?
集中的なスタイルに順応できる人。 寝不足になっても大丈夫な、体力がある人ですね。パソコンが苦手であっても特に心配ありません。
ーこれからカナダで進学したい人へのアドバイスを。
自分の第一言語ではない言葉で、新しいことを勉強するのは本当に勇気がいることですし、大変なことだと思います。 それでも、興味があれば思い切って進んでみてほしいなと思います。
カナダに来てしまえば、何とかなると思うんですよね。無責任に、絶対大丈夫とは言えませんが、休憩も取りつつ周りの人に聞いたり、サポートしてもらいながら挑戦してほしいなと思います。
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