パーティで磨くソーシャルスキル | 赤丸天の「My Canada」
カナダではパーティに呼ばれる機会が多い。特に冬はパーティが多い季節だ。
知っている人よりも初対面の人の方が多いパーティもあるだろう。
カナダ人は一般的に社交に長けていて、社交辞令もうまい。
一方、日本では会社の同僚や知ったもの同士の集まりはあっても、純然たる社交を経験することが少ないので社交が苦手な人は多いだろう。
そこで、パーティでシャイな様子もなく声高に話しているカナダ人を見ると気後れするかもしれないが、実はカナダ人の中にも初対面の人と会話すことをストレスと感じている人は非常に多いのだ。
社交の場で受けるストレスは、仕事や勉強から受けるストレスよりも格段に大きい。
例えば、難解なテストを短時間で回答する試験を受ける時と、初対面の人に2分間で良い印象を与えようとする時の血圧の変化を計ると、初対面の人に良い印象を与えようとする場合の血圧は、試験を受けるより10~15%も高くなることが分かっている。
人と会うことに慣れている人や、良い印象を与えることがうまい人でも、血圧が上がることに変わりはなく、同様のストレスを受けている。
ストレスは病気の原因にもなるため、他人と話すことに慣れてソーシャルスキルを向上することは健康を保つ上でも大切だ。
パーティに誘われたら、ソーシャルスキルの練習だと思ってぜひ参加することをおすすめする。
パーティに出ることに少し慣れたら、次は自分でパーティをやってみよう。
皆に楽しんでもらえるパーティを開催するのは、パーティに参加するより格段に難しいので、ソーシャルスキルがさらに向上するだろう。
Ten Akamaru(赤丸天)
1970年代にカナダはトロントの現OCAD Universityに留学し、1980年代にカナダで起業。その後カナダ市民権を取得しバンクーバーに生活拠点を置く赤丸が、枠にとらわれずに現在と過去の出来事や日常を綴るコラム。カナダと日本の比較、カナダの特色および文化、社会や考え方など、長年暮らす❝My Canada❞を描写します。毎月第2・第4水曜日更新。