高校生活がはじまる|カナダ高校留学日記 Vol.03
夏休みが終わり、いよいよ高校生活がはじまった。
学校へは朝7:40に家の前に停まる黄色のスクールバスに乗って登校する。
スクールバスはいつも決まった運転手が運転しており、学校までの道を通りながら小学生から高校生までを拾っていく。
高校の方が近いため、他の子どもたちより先に学校で降り、そのままメインエントランスから校内へ。学校は横に広い二階建てになっている。
ロッカーはいわゆる海外ドラマで見るようなもので、鍵は金庫のように番号に合わせて左右に回して開けるタイプの物が付いていた。
授業のスケジュール
授業は1コマ75分で、4限目までしかない。
日本だと専門学校や大学で学ぶような授業が大量にあり、私は以下の授業を取った。
1学期:カナダの地理、音楽、EAL(第2言語としての英語)、家族生活
2学期:英語、数学、CEO(キャリア教育)、世界史
奇数日と偶数日で授業の順番が入れ替わる「Flip Day」というシステムがあるが、基本的には毎日同じ授業を取り続ける。
授業が合わなかったら初めのうちは変更することも可能だ。
授業はそれぞれ「A Block」、「B Block」と呼ばれていて、通常はABCD、Flip DayにはBADCの順に授業を受ける。
1限目の初めの15分は読書の時間で、1限目を受ける教室で各自本や漫画を読むことになっている。
学年をまたいで受ける授業も多い上に、学年内でも授業によって一緒に受ける人が違うので、様々な人と知り合うことができる。
逆に言うと、仲の良い友達が同じ授業を取っていないと多少寂しいことになる。
学校の設備
学校には様々な部屋や設備が備わっていた。
図書室はかなり広く、蔵書の数も多い。ワンピースやデスノート、キャプテン翼など、日本の漫画の英語版もいくつか置かれていた。
音楽室にはシンクやお手洗い、練習室にサウンドスタジオなど何から何まで揃っていて、体育館に至ってはきちんとエアコンで空調もされていることに驚いた。
ちなみに学期初めに火災訓練も行ったが、事前には知らされず突然警報が鳴り響き、そのまま先生と一緒に外へ出て待機し、しばらくしたら戻るだけのものだった。
授業中の様子
授業の座席は決まっていることもあれば自由なこともあり、スマートフォン使用の可否は先生によるが、基本的にどの授業でも隠れスマホをしている人はいる。
またこれも授業によるが、授業中は基本的に日本の学校より私語が少ないと言ってもいい程で、真面目に受ける生徒がとても多い。
ただし授業中の個々の発言は自由で、質問がある人、先生の問いかけに答える人、軽く笑いを取りにいく人、先生の雑談にリアクションを取る人など、全体的にとてもフレンドリーな空気だった。
また授業のバラエティが広い分、音楽の授業は既に全員少なくとも1つの楽器ができる状態だったり、食の授業も料理好きな人が多く、レベルが高い授業だった。
2限目が終わると1時間弱の昼休みで、各々カフェテリアや校内のソファ、教室、外のベンチなど自由な場所で昼食を食べる。
個性豊かな生徒たち
学校の生徒はとにかく個性が溢れている。
学期初めの集会で「まず上も下も服を着なさい」と「Swear words(悪口、汚い言葉)が書かれた服は着てはいけません」という単純なドレスコードを説明された時点で面白かった。
髪を青やピンクや緑に染めている人、メタルバンドのような厚底のブーツを履いている人、大量にピアスをしている人、母国の衣装を着ている人、長く髭を伸ばしている人、まつげを染めている人など、本当に様々な人がいる。
カナダ西部と比べると恐らく白人の割合は圧倒的に多いが、中国語圏、フィリピン、ベトナムなど、アジア出身の人も見かける。
皆それぞれの生き方をしていて、アメリカの高校がよく例に出されるような厳しいスクールカーストはあまりなさそうな印象を受けた。
ぱっと見一軍に君臨していそうな女子でも、話しかけたら優しい人も多い。
それでもやはり階層的なものはあり、いわゆるトップ層の女子たちは白人の生徒が多い。
ショート丈のトップスにジーパンでへそ出しをしていたり、肌を日焼けさせていたり、授業中にガムを噛んでいたり(全然OK)、サングラスを頭にかけていたりと、見た目で分かる。
お昼休みのカフェテリアは大抵満員で、大きなグループに陣取られているため、かなり賑やかになっている。外で煙草(本来は禁止)を吸っているような人たちもいるが、基本的には性別関係なく集まって和やかにランチを食べている印象だった。
ちなみに現地の子によると、「武器の所持とかはアメリカと違ってほとんどないけど、煙草とかお酒とかドラッグをやってる人は一定数いる」とのこと。
放課後の過ごし方
4限目を終えるのは15時10分で、放課後にサッカーやバレーボール、ゴルフやハイキングなども含むスポーツや、吹奏楽や合唱(朝練のみのものもある)に参加する人も多い。
こういった活動は日本の部活のようなものとは少し異なり、「集団に属して毎日学び続け、一度入部するとなかなか辞めない」というものではなく、昼休みや放課後に軽く参加して活動自体を楽しむという目的で行われている感触だった。
活動も週に1、2回などで、かなり緩い。
参加しない場合は、外でしばらく待っているとバスが10台ほど停まり、各自自分の家の方向に行くバスに乗って帰宅するという流れになる。
派手な見た目とは裏腹にバスの座席は灰色で、中では大音量でラジオがかかっている。
車内では基本的に一人で座っている生徒が多いが、恐らく田舎で家がまばらにしかないため、友達と同じ方向に帰ることができる人が少ないのだと思う。
著者:ぴーなっつ
新しい世界が見たい。新しい自分が知りたい。そんな思いから留学を決意し、長年の憧れだったカナダ・プリンスエドワード島にて10ヶ月間の高校留学を経験。留学先での新たな出会いや気付き、挫折や失敗、そして苦難を乗り越えて手にした成長など、人生を変えた10ヶ月間の日々を綴ります。