自分の気持ちに正直になること|カナダ高校留学日記 Vol.20
ある日、音楽の授業でグレード10の子に、ウィンターコンサートに向けてある曲のピアノ伴奏をしてくれないかと頼まれた。
一緒に音楽ができることが単純に嬉しかったためOKしたが、問題はその子が音を取るのが苦手なことだった。
歌は原曲の形をとどめていないほど音を外したり、ギターも弾けると言うものの不協和音のコードを鳴らしたりと、クラス内でも暗黙の了解、触れてはいけない話題のような雰囲気が流れていた。
それに加え、なんと「自分で曲を書いてきたから、伴奏をつけてほしい」と頼まれた。
ノートも見せてもらったが、書いてあるのは歌詞のみ。
メロディーを歌ってもらったが、そこから音を抽出することもできない。
ただ音が取れなくても、その子の頭の中ではしっかり曲がイメージできていることは分かったため、想像だけで何とか最初の数小節のコードは導き出してみた。
しかしさすがにこれでは埒が明かないと言うことで、本当に申し訳なかったが先生に相談して降りさせてもらうことにした。
この話を友達にして、その子を傷つけてしまうかもしれないと話してみた。すると、
「可哀想とか申し訳ないとかで自分を曲げる必要はない」
「やりたくないと思ったら傷つけない範囲でNoってはっきり言えばいい」
「それはその子自身の問題だから、あなたは自分のことだけ気にしてればいい」
と、たくさんアドバイスをくれた。
またまた友達にお世話になってしまったが、しっかり悩みを相談できたこと、自分がどう思っているか、何を感じたかについて打ち明けられたことが、成長を感じられとても嬉しかった。
ホームシックや挫折など、色々な障壁を乗り越えて、成長した自分になって日本に帰れることが楽しみだ。
著者:ぴーなっつ
新しい世界が見たい。新しい自分が知りたい。そんな思いから留学を決意し、長年の憧れだったカナダ・プリンスエドワード島にて10ヶ月間の高校留学を経験。留学先での新たな出会いや気付き、挫折や失敗、そして苦難を乗り越えて手にした成長など、人生を変えた10ヶ月間の日々を綴ります。