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[#7] 結婚記念パーティの謎解き公演をほぼ1人で作り上げた話 【ラス謎の制作 ※有料おまけあり】

謎制作と謎解きは紙一重。カナンです。

この記事は前回の記事の続きです。下記のマガジンにこれまでの記事が載っているので、ぜひ最初の記事から読んでみてください。

今回、謎制作過程の手の内をかなりさらけ出すということから有料公開の部分を設けています。
別に書かなくても良かったのですが、とにかく頑張ったので記録に残しておきたかった(自己顕示欲)ので……あと有料記事を書いてみたかっただけというのもあります。

有料のところは読まなくてもこのシリーズを読むのには問題はありません。
ですが、興味のある方は購入していただけると僕が泣いて喜びます。

前回はまとまってきたシナリオに手を加え、婚姻届と戸籍謄本の入手先についてシナリオを書きました。

特にNAZO役所という役所の出張所を会場内に出すことにより、ゲーム中の序盤と終盤の動きをより明確にイメージできるようになりました。

今回はシナリオ執筆のさらに続き…と思いきや、ラス謎を作っていきます!!


実を言うとですね。
このnoteの連載はLINEやGoogleドキュメントの変更履歴を見返しながら書いているのですが、どうもシナリオが完成していないこの段階でラス謎を制作していたんです。

ラス謎の制作は重たいから早めに着手したんだな…というのは建前で、きっと気分転換に謎制作をしたんだと思います。ひえ〜〜

謎作家、謎制作の気分転換に謎制作しがち。

要請

改めて、どんな謎を作ればよいかを見直します。

シナリオを見ていきましょう。

Phase 1【婚姻届を手に入れる】
・謎7つ
・解答欄
解答欄には「7つの答えで書類の名前を作ること」と書いてある

7つの答えで「こんいんとどけ」の横読みができるように解答欄を埋め、NAZO役所に提出すると婚姻届が手に入る。(解答欄は確認したら返却される)

〜中略〜

Phase 4【戸籍謄本を手に入れる】
最初の謎の答えを解答欄にうまく当てはめ直し、「こせきとうほん」と作る。
その解答欄をNAZO役所に持っていく。

要するに今回考えなければいけないのは、
どのような解答欄で、どのようなギミックにするか
・そのギミックが可能になるような、それぞれの謎の解答(謎の具体的な内容ではない)
です。

ここで、普通の公演と異なる部分が出てきます。

たいていの公演で渡される小謎は、

① いくつかの小謎を解いて
② それらの答えを決まった場所に書き込むと
③ 1つの単語が横読みできて
④ それが合っていれば次のステップへ

という構成になっています。(もちろん例外もあります)

ちなみに、横読みというのは下図のような解答欄に小謎の答えを当てはめたあと、文字を拾いながら横に読むことを言います。

横読み_アートボード 1

ちょっとストーリーのある謎解きをやったことある人なら、一度はこういう解答欄を見たことがあるはずです。

②の謎が解けたから②に書いておくね!というふうに進んでいきます。


しかし、そのような構成と今回の構成はむしろ逆で、

① いくつかの小謎を解いて
ある単語が横読みできるように、答えをうまく当てはめて
③ その単語によって起こるアクションが変わる

という構成です。

大きな違いとしては、
答えを当てはめられる箇所、当てはめ方が複数ある
横読みすると出てくる単語はあらかじめわかっている
ということでしょうか

このことを利用し、
答えの言葉たちを、
うまく当てはめることで、
「こんいんとどけ」も「こせきとうほん」も作ることができる
ようなギミックを作っていきたいと思います。

果たしてそんなことができるのでしょうか?

ギミック案 リール型

まず真っ先に思いついたのは、リール型というものです。

このネーミングは、記事を書いている今思いつきました。
知らなくても安心してください。

説明してもややこしいので、見てもらったほうが早いです。
手書きで失礼します。

画像2

7つの単語をどの列に書き込むかは決まっているが、どの高さに書き込むかは決まっていない、というところで自由度をもたせました。

たとえば2つめの謎の答えは「しんぷせき」ですが、
・「こいんとどけ」を作りたいときは、横読みのところに「ん」が来るように書く
・「こきとうほん」を作りたいときは、横読みのところに「せ」が来るように書く
ことができます。

残りの単語も同じように上下にずらして書くことでいろんな言葉を作れるよね、というアイデアです。


しかし、この案はボツになりました。

理由としては、

・解答用紙がかなりわかりづらくなりそう
文字数を逆算して答えを書き込むのがストレスになりそう
(「にゅうとう」の「と」が横読みされるためには、ここから書き始めればよくて…という逆算がダルい)
他にも単語を作ることができる感じが臭うため、最後の驚きが半減しそう
「ほ」「ど」が含まれる良さげな単語がマジで見つからない

などなどです。


ちなみに「ほ」「ど」が含まれる良さげな単語が見つからない件。
タカタ先生から「ルンリンクル」という案をいただきましたが、全力で無視しました。

スクリーンショット 2020-08-27 21.48.31

ギミック案 入れ替え型

そこで考えついたのが、入れ替え型というものです。
ネーミングは今思い付きました。

これはリール型とは逆で、

・解答欄の形は固定
・解答の文字数が同じ
・解答をどの列に書き込むかが決まっておらず、解答を書き込む順番で作り出す言葉を変えられる

というものです。そんな都合のいいことができるのでしょうか。


これはもはや、謎制作ではなく謎解きです。

謎を作っていたつもりが、いつのまにか条件に合う言葉探しという謎解きをしていました。


そして、できました

解答
・りっこうほ
・おむこさん
・れうあうと
・ふぃあんせ
・おべんとう
・たきしーど
・ぶーけとす

answersheet_アートボード 1 のコピー 3

answersheet_アートボード 1 のコピー

answersheet_アートボード 1 のコピー 2

えっ すご〜〜〜〜!!!

この公演に向けて制作した中でも、ずば抜けてやばいものができたなと感じました。

この解答欄と解答群の作り方は、記事末尾におまけパートとして有料公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。

特にこちらはリール型に比べ、「こんいんとどけ」を作っているときに「他の単語もできるかも?」と思う可能性は少ないように感じます。
解答もほとんどが結婚を想起させる単語なため、まさか同じ語群で「こんいんとどけ」と「こせきとうほん」の2つを作れるとは思わないでしょう。

解答欄も、どの列に書くかは自由という点を除けば普通の解答欄と変わりはなく、ストレスなく取り組めるのではないかなと思います。

ということで、入れ替え型に決定

再利用のギミックの中でもかなり複雑なものが早めに片付きました。

まとめ

今回は、謎解き公演のクライマックスであるラス謎の制作について書きました。

入れ替え型は実装こそ難しかったですが、参加者がストレス無く取り組め、「こせきとうほん」が出来るときの驚きも格別になったのではないかな、と思います。

次回は、謎解きを行う会場の下見について書こうかなと思います。

Photo by 角田大樹

▼ ここから先は、おまけパートとして入れ替え型ギミックをどのようにして作成したかを書いています。
手の内を明かすことになるので、有料で公開させていただきます。
よろしければご覧くださいませ。

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