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扉は閉めずに少しだけ開けておく
意見をもらった時に最初から不可能、非現実的と決めてしまい耳を貸さないといったことに直面することがあったりする。
そんな時に、私はもったいないことをしたと反省することが多々ある。
目から鱗の体験をするには、何でもかんでも断定的に決めつけすぎるのはよくないなと思いながらこの記事を書いている。
ここで、一冊の本を紹介したい。
弱くても勝てます
高橋秀実 新潮社
本書はテレビドラマ化されたのでご存知の方は多いと思う。
進学校である高校野球部のルポルタージュで戦術はこれまでの野球のセオリーを無視したプレースタイル。
守備は捨て、徹底的に打撃練習に取り組む。
もちろんプレーだけでなく、登場する人物もどれも個性的でユニークな面々である。
内容は割愛するがとても面白いのでぜひ読んでいただければと思う。
私は日ごろから野球を観ることは多くなく、未経験者なので細かいことは分からないが野球のイメージは何でも確実にこなす完璧な選手が勢ぞろいのスポーツだと思っている。
甲子園でも走攻守のパーフェクトな選手を頻繁に見かけるし、ましてや攻撃特化の野球はセオリーに反すると思われるのが普通ではないかと思う。
話を戻すが、本書を知ったのが題材と同じ高校生だったので同級生の野球部にこの件について話してみた。
お世辞にも強豪とは言えない実力だったので名案と思い提案したのだが、相手にしてもらえることはなかった。
結局のところ、良い成績を残すことはなかったので試験的に導入していたら結果は違っていたと勝手に今でも思っている。
つまり、的外れな意見だとしても時には思いつかなかったアイデアや発見があるかもしれないから、耳を塞がずに話半分で聞いたほうがいいよ。
私はそのように考えている。
しかし、言うは易く行うは難し。
私も自身のことを振り返ると耳を塞ぎがち、固定観念に捕らわれがちである。そして、後になって反省している。
ここで、ドイツの哲学者ショーペンハウアーの言葉を借りると
才能がある人は、誰も当てられない的を射抜く。
だが天才は、誰にも見えない的を射抜く。
天才とバカは紙一重とも言われるし、この時のバカを未経験者、素人に置き換えると、得てして的外れな発言になりかねないが、もしかすると見えない的を射抜いているのかもしれない。
興味・関心の心の扉は閉め切らずに、ちょっぴりちょびっと開けておく。
すると、誰かが入ってきてさらっと何かを射抜いて、思いがけずいいヒントを得るかもしれない。
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