社会人になって5年経った今、新入社員とその先輩に伝えたい5つのこと
こんにちは! 最近、朝起きたら窓を開け、ラジオを流しながら二度寝をするのが日課になったCamp.Incの服部です。
この記事では、2020年4月に入社した新卒社員第1号須藤くんと、2019年10月に入社した台湾からの外国人社員第1号アンちゃんに向けて、社内で企画・実施した新入社員研修会の内容をまとめています。
「今年から社会人になって仕事の要領がなかなか掴めない」「先輩にどう相談すればいいかわからない……」という新人さんや、私と同じように先輩になったばかりで後輩とのコミュニケーションにお悩み中といった人に読んでもらえたらうれしいです。
ちなみに、冒頭のスクリーンショット画像は、今年新卒社員第1号として入社した須藤のリモート入社式の様子です。
■新入社員に伝えたい、仕事をもっと自分のモノにする(はずの)5つのこと
新入社員研修会では、働く上で「毎日のちょっとしたことが対応しやすくなること」を以下の5つのポイントからお伝えしました。自分自身が新卒ほやほやの頃に「教えて欲しかった」と思う内容も、ぎゅっと詰め込んでいます。
1:時間の使い方(タスク管理・スケジュール設計)
2:アジェンダの作成・活用方法(打ち合わせの進め方)
3:わからない言葉と出会ったときにすること
4:コミュニケーション(伝え方・確認)
4ーオマケ:空雨傘(ソラアメカサ)の使い方
5:体調管理
名刺の渡し方や電話応対、メールの書き方などいわゆる一般的なビジネスマナーはGoogle先生に教わりましょう、ということで今回は割愛です。
▲新入社員研修会の様子。1〜5の内容をスライドにまとめリモートで実施しました。
1.時間はこうやって自分で生みだそう(タスク管理・スケジュール設計)
プライベートでは期限に追われるということは(ほぼ)ありませんが、仕事となると当然ながら締め切りや打ち合わせなど何かと時間に“制限”があります。
そこで、重要なのが優先度を意識したタスク管理。これが、単純に思えて、奥が深い。「やるべきこと」をできる限り細かく洗い出し、可視化するのが大事です。タスク管理ツールなどを活用して、自分のタスクを整理してみましょう。ちなみにCampでは「Trello」を活用しています。Trelloはほかのスタッフのタスクも見ることができるので、チームメンバーのタスク内容や進捗を見る時にも便利です。
タスク管理の大事なポイントは、時間の見積りです。打ち合わせは内容にもよりますが、だいたい1時間〜長くても2時間以内には終わりますよね。しかし、資料作成など自分の作業時間は、「1時間で終わらせる!」と意気込んでもなかなか思い通りに進まず終わらない……なんて経験ありませんか。そこで私は、時間に保険をかけることを始めました。「保険をかける」とは、理想の作業時間×2〜3倍を見積もるということです。
ひょっとしたら「そんな最初から期限を交渉するなんて……」と考える人もいるかもしれませんが、わたしの考える限り、新人がタスク管理に意識的なだけで喜ばれます。もし期限より早く終わらせられれば、入念に確認できて仕事の精度も上がります。さらに、もっと余裕があって伝えた期限より早く提出することができれば、先輩の評価もうなぎのぼりで、いいことしかありません! ぜひためしてみてください。
そしてこれ、自分だけでなく相手がいる場合、つまりプロジェクトでの進行やスケジュール設計にも活用できます。相手も人間である以上、止むを得ない事情で遅れてしまったり、体調を壊してしまいどうしても期限内の対応が難しい、ということもあります。そこで相手や自分を苦しめないためにも、時間にバッファを持ちながらスケジュールを組みましょう。チームメンバーにも喜ばれること請け合いです!
2.アジェンダを制するものが、プロジェクトを成功させる(打ち合わせの進め方)
アジェンダとは、会議で話す議題のこと。アジェンダ作成のポイントは、論点(何を議論したいのか)を明確にして、どこまでその論点をクリアにできたらokか、どこまで議論が進むといいのかといった、プロジェクトを前に進めるための“落とし所”を考えておくことです。
事前に議論のポイントを絞り、ゴールを明確にして、自分やチームが議論を経て何を得ることが理想かを考えながら、準備することが大切です。そして、打ち合わせの最後にはアジェンダをチェックリストとして活用し、認識のずれがないように決定事項・今後のタスク・スケジュールなどの流れをその場で確認しましょう。
また、打ち合わせ中に会話が盛り上がりアジェンダから話がそれてしまう……なんてこともあるかと思います(実際、私はありました)。なんの話をしていたっけ? と、議論の軸に立ち戻る材料にもアジェンダは役立ちます。
3.わからない言葉と出会ったときにすること
“IG”や“UGC”、“D2C”など、横文字がたくさん並んでいてよくわからない……なんて経験はありませんか。会議や資料の中はもちろん、チームメンバーとのちょっとした会話でも、わからない言葉と出会ったときはひとまずメモを取りましょう。そしてメモを元に調べたり、知っている人に聞いてみましょう。
わからない言葉をわからないまま使っていると、いつまでも自分の言葉として伝えることができません。言葉を理解して初めて、100%自分の意思を相手に伝えられるのです。
4.すれ違わないコミュニケーション(伝え方・確認)
取引先・上司・先輩・同僚とのコミュニケーションも大事な仕事。でも確認・相談を行う時に、「確認の仕方が分からない」「ちゃんと相手に伝わっているのか不安」と思ったことはありませんか。そんな時は、7つのポイントを意識してみましょう。
① 相談や質問の目的を明確にする
質問や相談を受ける人は、その質問が何のためのものか、何をクリアにすると相手は前に進めるのかを考えて返事をします。つまり、何が求められているかわからないと適切な回答ができません。相手からほしい情報をもらうためにも、自分自身が「あれ、自分は何を知りたかったんだっけ?」と迷子にならないためにも、「なんのための質問・相談か」を立ち止まって考えてみましょう。
② 根拠を伝える
相手から質問された時は、「なぜそう思うのか」をあわせて伝えましょう。また、「たぶん」「なんとなく」「かもしれない」といった憶測の意見は、議論が成立しなかったり、その議論は意味のないものになることだってあり得ます。根拠のある意見を伝え、有意義な会話にしましょう。
③ 正式名称・正しい言葉を使う
例えば、インスタグラムを“IG”と資料に略記した時、相手が「IG=インスタグラム」と理解するとは限りません。ほかの業種では“IG”という別の意味を持つ専門用語があるかもしれません。誤認を防ぐために、正式名称・正しい言葉で伝えましょう。
④ 相手に相談・質問内容の背景や意図を伝える
質問・相談する内容の背景や意図、相手と共有できていないと、いい回答を得られないかもしれません。いきなり話すのではなく、相手の理解度を確認し、適宜必要な情報を補足しましょう。
⑤ 何を、どの程度確認して欲しいのかを伝える
「全体」なのか「一部」を確認してほしいのか、はたまた「一読」するだけでいいのか、確認依頼をするときは依頼内容を具体的に伝えましょう。想定外のフィードバックを防ぎ、クオリティを保てます。
⑥ 依頼内容を明確にする
たとえば社外に出回る資料などの確認の場合は、「アドバイスが欲しい」「内容に相違がないかを確認したい」「報告したい」など相手への依頼内容を明確にしましょう。
⑦ 完成度50%で一度レビューしてもらう
企画モノは特にそうですが、「当初の話から方向性が変わる」ということってよくありますよね。いきなり隙のない100%完成された企画を提案するのではなく、まずは50%くらいの出来で、チーム内、クライアント案件なら社内メンバーの目を入れてフィードバックをもらいましょう。外部視点をいれながら段階的にブラッシュアップすることで、手戻りも防げるうえに提案内容のクオリティ向上に繋がります。
4ーオマケ.報連相(ホウレンソウ)には空雨傘(ソラアメカサ)
報連相(ほうれんそう)という言葉を聞いたことはありますか? 社会人の「いろは」で昔からよく使われる、「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとった略語です。仕事を円滑に進めるため「報連相を身につけましょう」と上司から言われたけれど、何を報告したらいいの? 誰に連絡するの? 何から相談したらいいの? と立ち止まった経験はありませんか。
報連相をする時は、「空雨傘」のフレームワークをつかって準備しましょう。
空―「空は曇っている」(事実認識)
雨―「ひと雨きそうだ」(解釈)
傘―「傘を持っていこう」(判断)
STEP①「空(=状況)」を把握しましょう。
雲行きや雨の降りそうな匂いなど、多面的に天候を確かめるように、偏りなく事実認識を行いましょう。
この認識を誤ると、その後の判断やとるべきアクションをミスリードしかねません。空(=状況)を見ずに傘を持つか持たないかを判断したり、「人がそう言っているから……」と、判断を人に委ねず、事実を自分で把握して分析する習慣を。打ち合わせでのメモは絶対に忘れずに。
STEP②「雨(=解釈)」を考えましょう。
事実を元に、自分で解釈する習慣をつけましょう。曇り空を見て「ひと雨きそうだ」と捉えるのか、「いや、雨はふらない」と捉えるのか、解釈は人によって異なります。
この解釈の仕方一つで、その後の対策が変わるため、解釈の齟齬をおこさないように、可能性のある何通りもの解釈を予想することがポイントです。
STEP③複数の「傘」を用意しつつ、本命はひとつに絞りましょう。
「ひと雨きそうだ」という解釈から、「傘を持っていく」という判断もあれば「レインコートを着る」「自宅に待機する」もあるでしょう。解釈から導かれる対策をいろんな角度からいくつか考えたうえで、自分にとっての一番を決めましょう。「最適な判断」に悩んだら、もう一度目的を振り返ることがポイントです。
ここで「“空雨傘”をもとに“報連相”をする」具体例をあげてみます。
【シチュエーション例】
「Aさんは、イベントの企画を10案出すという業務に取り組むなか、アイデアに煮詰まりました。社内の誰かに相談してアイデアの助言がほしい。でも誰にどう相談すればいいのかわからない……」
ここでAさんがとるアクションは、「報連相」の「相談」です。「空雨傘」に沿って整理してみます。
▼「状況」を把握する
・ノルマの10案中残り5つが思い浮かばない。
・提案期日まであと5日。
・協力してくれそうな人は、Bさん、Cさん、Dさんの3名。
▼「解釈」を考える
・3名の中で、スケジュール的に協力してくれそうな人はCさんとDさん。
・Cさんはいろんなイベントに行っているし、イベントに関連する情報をたくさん持っていそう。Dさんはイベントといってもスポーツ観戦と言っていたから、今回は方向性がちょっと違うかもしれない。
▼内容を整理して「判断」する
・今回は、Cさんに相談するのが良さそうだ!
・時間が少ないので使えそうな資料を段階別にいくつか用意しよう。
……と、今回は、スケジュールや情報量に焦点を当てて誰にどう相談するか整理しました。
状況把握・解釈・判断を整理することで、報告・連絡・相談がしやすくなると思います!
5.体調管理
Campの太陽と呼ばれているくらいふだんは元気なわたくしですが(笑)、時折熱を出したり、どうにもこうにも元気の出ない日もあります。そんな時は、無理をせずに休みます。体調を崩す=体が悲鳴をあげているサインです。そこで無理をして自分が倒れてしまっては、自分も会社もハッピーじゃないですよね。
まずは社内のスタッフへ状況を伝えましょう。「今は具合が悪くていつもの何%くらいしかパフォーマンスを出せません」といった感じで、おおよその体調不良の度合いを数字で伝えることがおすすめです。体調は自分にしかわからないので、数字で伝えることで状況がより明確に伝わります。仕事の引き継ぎが必要な場合は、優先順位を考え相手のリソースやスケジュールを確認しながら調整しましょう。
■最後に
2020年春。専門学校を卒業し、社会人になって5年経った今、私は社会人として初めて“先輩”になりました。そんな私に伝えられることなんてあるのか? と不安いっぱいで迎えた初めての新入社員研修会でしたが、終えてみたら、ここには書ききれないほどたくさんの伝えたいことがありました。
数年後には彼らも、後輩ができ先輩になっているかと思います。今、学んでいることを後輩へ伝えるその日まで、私たちは一生懸命サポートします(後輩へのお悩み相談室は24時間受付中! )。
お仕事をご一緒してくださっている企業の方・クリエイターのみなさま、頼もしい仲間が加わったCampを、これからもどうぞよろしくお願いします。