「#東横デパート閉めるってよ」から開かれる、みんなの東急百貨店東横店ストーリー ――特設サイトの裏側から
2020年3月31日、85年ものあいだ渋谷の玄関口を彩った東急東横店が幕を閉じます(※地下食料品街「東急フードショー 」は継続)。いまInstagramやTwitterでは、「#東横デパート閉めるってよ」というハッシュタグで、東急東横店にまつわるたくさんのツイートがシェアされ、さながら思い出のアルバムを見ているような、懐かしい写真やエピソードが展開されています。
そして今日、東急東横店のクローズ特設Webサイト「#東横デパート閉めるってよ」がオープン! 楽日まで残すところ60日、最後の発信拠点に込められた想いや制作の裏側を、東急百貨店 営業政策部 販売促進部 部長 新倉正則さん、同マネジャー 岩井宏文さん、市川香子さん、そして制作メンバーに聞きました。(聞き手・文:Camp PR)
※Campは、当Webサイトとキャンペーンの企画・制作を担当しています。
「#東横デパート閉めるってよ」特設サイト
https://toyoko85.tokyo/
――「東横デパート閉めるってよ」とは、なかなか尖ったタイトルですね! 長年続いた歴史あるデパートですが、渋谷らしく若い方への呼びかけなのでしょうか?
新倉さん はい、85年という長きにわたり営業してきたので、長年ご利用くださった常連のお客様とは密なコミュニケーションをこれまでもとってきました。しかし、「待ち合わせでハチ公前にはよくいるけど目の前のお店には入ったことがない」「え、あの駅ナカのお店って東急百貨店だったの?」「フードショーはたまに使うけど上には行ったことがない」といった若い方とも、もっとコミュニケーションをとりたい気持ちがあり、今回のような企画にしました。これを機に、東急東横店を身近に感じていただき、最後の2ヶ月となりますが足を運んでくれたら嬉しいですね。
横田(Camp) 「〜〜ってよ」という言い回しは、お気づきの通り映画にもなった小説『桐島、部活やめるってよ』をモチーフとした言葉ですが、ツイッターをはじめSNSでは10年程経った今もネットスラングのように使われています。20〜30代の方にも馴染みのある言葉をと思い採用しました。またSNSでは、ほかにも「#あのときの渋谷」で思い出の写真やコメントを募ったり、プレゼントキャンペーンでもらえる「東横デパートのもの」を募集したり、若い方だけでなく幅広い年齢の方々に知ってもらえるよう、コミュニケーションを取ることを心がけています。
平藤(MULTiPUL) イラストも、若くて垢抜けた感じがありつつ、東急さんの歴史ある品のある感じも表現できるよう、最近「メトロミニッツ」の表紙などを手掛けている、松本セイジさんに描き下ろしていただきました。渋谷ハチ公前広場って、青ガエル(ハチ公前の緑の車両)や大きな広告、沢山の人だかりなど、エリア全体でひとつの景色に見えると思うんです。でも、東急東横店は戦前からあのエリアをずっと見守ってきた主のような存在ではと思い、メインビジュアルのイラストでは“景色の一部”とならないように、その存在感や輪郭をしっかり表現していただきました。
――キャンペーンも開催されるそうですね。どんな内容なんですか?
市川さん 現在店頭で開催中の「85年分の東横総決算」でご購入いただいた「戦利品」にハッシュタグを付けてツイートすると、抽選でさまざまなグッズが当たるというものです。2月と3月でプレゼントのチャンスは2回あり、東横のれん街のお菓子山盛りセットや商品券といったものから、復刻デザインのショッパー(買い物袋)やポスター、3月もみなさんにお楽しみいただけるプレゼントを沢山ご用意しています。
――ハッシュタグのついた思い出や“最後のお買い物”が続々と投稿されていますね。
岩井さん 今のところ、40代以上の方が多く参加してくださっている印象ですね。みなさん丁寧に懐かしい思い出を語っていらして嬉しいです。
新倉さん 建築の話や屋上の広場の話など、当時をご存知の方が語ってくださったことをSNSで見かけて、「そんなことがあったんだ!」と若い方も関心を持ってくれたら嬉しいですね。それこそ、ハチ公前で待ち合わせ中に「え、このデパートなくなるの!? 東横デパート閉まっちゃうんだって!」とお友達などと話題にしてくれたらいいですね。
――コラムやニュースコーナーもあるんですね。どんなお話がこれから公開されるんですか?
横田(Camp) たとえば「実は渋谷には駅をまたいで空中散歩ができるケーブルカーがあったのをご存知ですか?」など、渋谷の歴史や変遷、東急百貨店東横店の豆知識をお届けします。
市川さん ニュースコーナーでは、店頭で実施されている催しやキャンペーンなども紹介していきますよ。
――最後に、この特設サイトに込めた思いを教えてください
市川さん とにかく、感謝の気持ちを伝えたいですね。本当に長く愛していただきました。
岩井さん 幕引きとはいえ、地下の食品街は引き続き営業されますし、何もかもが失くなるということではありません。別れの挨拶というよりも、「最後の祭りだ! みんな楽しんで!」という気持ちですね(笑)。
新倉さん 東急東横店のツイッターアカウントはいま1万人以上の方にフォローいただいていたり、「渋谷駅のあの店」「いつもの通学・通勤路」といったリアルの接点だけでなく、オンラインの繋がりもしっかりあると思っています。この繋がってきた絆を再確認し、今後の宝として大事にしていきたいという気持ちですね。今はまだ、今後の開発進展については未定のことが多いのですが、どうかこれからもよろしくお願いします、とお伝えしたいです。
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現在の東急東横店の最終営業は、3月31日(火)21時まで。残り2ヶ月の間、みんなの東急東横店にまつわる思い出をSNSで眺めたり、改めて店内を巡ってみたり、キャンペーンに参加してみてくださいね。
今の渋谷と比較すると想像できないようなかつての写真や、レトロ可愛い開業当時代々の包装紙などが展示されている「東横デパートの思ひ出展」も、最終営業日まで開催中です。
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「#東横デパート閉めるってよ」特設サイト|https://toyoko85.tokyo/
・クライアント:新倉正則、岩井宏文、市川香子、亀田龍幸(東急百貨店)
・プロデュース、プランニング:新田晋也、横田 大(Camp Inc.)
・ディレクション:金田ひかり(Camp Inc.)、平藤 篤(MULTiPUL)
・SNSマーケティング:ちゃんはる(Camp Inc.)
・デザイン、制作:ハラヒロシ、堀内宏道(Design Studio L)
・イラストレーション:松本セイジ
・撮影:小泉優奈