新人デザイナーが「永」から学んだデザインスキル
はじめまして、Camp Inc.デザイナーの山下です!
2024年4月に新卒でデザイナーとして入社しました。
現在、Campのみなさんに見守られ、仕事を覚えながらスキルを磨いています。
これから、デザイナーとして1人前になるまでの過程をnoteで発信していきたいと思います。まず初回は、デザインを制作する過程で浮き彫りになった課題と、それを解消するためのトレーニングについて記録します✏️
▼デザイナーとしての課題
入社して2ヶ月ほどが経過し、ありがたいことに新卒でありながらロゴ制作やアイコン制作などさまざまなデザインの制作に携わらせていただいています。
新卒とはいえクライアントや外部の方から見れば「プロ」! プロのデザイナーとして制作を進めるなかで課題が出てきました。
たとえば、
イラレで作ったパス(※1)の形が滑らかではなく、不自然な形になって違和感がある……
日付の文字組やカーニング(※2)、文字の選定などフォントに対する理解がまだまだで文字への解像度が低い……
などです。
この課題はデザイナーとしての基本スキルであり、放置することは致命的。そこで、これらを克服するためにトレーニングを始めました。
トレーニング内容は「永」の作字です。
※1:点と線を繋ぐ、「ハンドル」というセグメントを操作するためのバーの総称
※2:隣り合う2つの文字の間を調整する機能
〈条件〉
1シートにつき、サンセリフ体・ゴシック体・明朝体・デザイン書体の4つの書体で「永」を1文字ずつ作成する
デッサンの要領で作成していく
デザイン書体は自分で造形を考えてつくる自由枠とする
1シートにかける時間は、1日1時間
最初の週は5日で1シートを仕上げる、次の週は3日と2日で、さらに次の週からは1日1シートと徐々にスピードアップ
〈目的〉
造形力を身につけよう!
文字への理解、知識と技術を頭と体の双方で身につける
時間の管理をできるようになろう!
作業スピードの向上
全体像を早くつかみ、つくりあげる
完成度が70%でも提出する「見切りをつける力」とメンタルのコントロール
イラレと仲良くなろう!
ベクターを上手く扱えるようにし、イラレに翻弄されない
ショートカットを覚え、作業を効率化
「永」には、とめ・はね・はらい・てん、など漢字の基本の筆の運びがすべて詰まっています。これを「永字八法」というそうです。
それでは、制作したものを見ていきましょう。
▼実践
■1回目:1日1時間作業をし、5日間で作成
まずは4つの書体の違いを理解をしながら作成しました。
書体の違いはなんとなくわかるけど、説明するのは難しいような状態です。
■2回目:1日1時間作業をし、3日間で作成
同じ骨組みから各書体を作ることができるとわかりバラツキが少なくなってきました。
◾︎3回目:1日1時間作業をし、2日間で作成
丸みのある線に挑戦。
丸いからといって正円ではなく、きれいにカーブするように調整されていたことに気づきました。
◾︎4回目:ここからは1時間ですべてを作成しました。
最初は、時間内につくりきることで精一杯でした。
◾︎5回目
サンセリフは、ウロコやひげなどの飾りがない直線的な書体。
ゴシックはサンセリフにプラスしてウロコやひげがついているけれど、明朝ほど筆の動きは感じられない書体。
明朝は筆の流れを感じられ、それに合わせてウロコもひげもついている書体。
サンセリフとゴシックの違いが曖昧でしたが、この辺りでサンセリフ・ゴシック・明朝の違いが自分の中で明確にわかるようになってきました。
◾︎6回目
焦らずとも1時間以内でつくれるようになり、パスともちょっとだけ仲良くなってきました。
◾︎7回目
今まで均一な太さのものをつくってきたので、コントラストのある形に挑戦。デザイン書体がデザイン書体らしくなってきました。
◾︎8回目
細いほうが難しいぞ!と気づき、あえて細い書体に挑戦。
この回だけはデザイン書体に時間がかかりタイムオーバー
◾︎9回目
このnoteを書く傍らで作成しました。
時間配分を決めて制作することでnoteを書きながらでも1シート1時間で制作できる余裕が出てきました。
▼まとめ
約1ヶ月の間、文字を作るというトレーニングをしてきました。
それでは、最初に目的として掲げたことが達成できたのかを振り返っていきます。
造形力を身につけよう!
なんとなくで理解していた書体の違いは、ある程度説明できるところまで解像度が上がったかなと感じます。
ただ、細部を見ると、滑らかな曲線や点の丸みがかった部分など、まだまだ修行が必要だと感じる部分はあります。でも日々上達はしているし、コツを掴みかけている感覚があるので、継続して腕を磨いていきます。
時間管理ができるようになろう!
4つの書体、それぞれにかかる時間がわかるようになり制作開始前に時間配分を決めて計画的に完成に近づけていくことができるようになりました。
時間配分を決めることで、1つの書体にこだわりすぎて最後につくった書体だけ間に合わず完成できないということを避けることができました。
結局のところ計画性が大事。
イラレと仲良くなろう!
まだ、ショートカットキーを完全には覚えられていないけれど、間違えていたとしても試すクセがつきました。パスともすこし仲良くなれたような気がします✌️
今回の気づきやスキルの「身体で覚える」は、実はこれから先が本番じゃないかなぁ……なんて思っています。
次は文字を変えてトレーニングにチャレンジして行く予定です!
まだまだ精進していきます💪
読んでいただき、ありがとうございました!
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