【久しぶりに誰かに恋した】百花百狼〜戦国忍法帖〜プレイ感想
1. はじめに
乙女ゲームプレイ感想記、第二弾は百花百狼〜戦国忍法帖〜です。私を乙女ゲーム沼に引き摺り込んだビルシャナ戦姫と、同じシナリオライターさんが携わっていたのがプレイの決め手になりました!
2. 総評(ネタバレなし)
全体的にはとても良かったと思います!
ストーリーもダラダラせずテンポ良く纏まっており、とてもプレイしやすかったです。おかげで周回プレイをさくさく進めることができました。個人的にはAutoモード中にswitchの画面を触ってしまってもそのままAuto続行してくれたのが大変助かりました。
イラストと音楽も美しかったですね。特に音楽!!どこか切なく、和を感じさせ、壮大さもあって、ストーリーの良いところで盛り上がってくれて最高でした。
そして何より、ビルシャナ戦姫の教経のように、激沼な攻略対象キャラがおりました…。彼の沼の詳細は個別感想で記載しますが、とにかく私は数日どころか数ヶ月ほど現実に戻ってこれませんでした。出会わせてくれてありがとう、ご馳走様でした。
そんな百花百狼。主な舞台は実際に存在したという忍びの里、甲賀。そして豊臣秀吉による天下統一後の京都です。戦国時代を全然知らない私にとっては、相変わらず歴史の勉強になります。
主人公は甲賀忍者の槐ちゃん。忍びということで、戦うヒロインが大好きな私の大好物設定ですが、実際は忍びとしてはまだまだ半人前。彼女の忍びとしての初任務が、この物語の幕開けです。
攻略対象もほぼ全員忍び!(ほぼ、ね)
各キャラ個別ルートでは共通して、「大切な人を守りたい」という人としての気持ちと、「任務、使命を優先したい」という忍びとしての気持ちがぶつかり合います。
ストーリーの設定としては私の大好物でしかなく、おかげで前述した通りどハマりしたキャラもいたのですが、率直に言って惜しいなと思う点もありました。
特に惜しいと感じたのは2点。
1点目は、ストーリー全体の一貫性の欠如を感じた点。ルートによって事件の真犯人が全然違うんですよ。でも何故違うのか、という決定的な理由も特に見当たらす、個人的にはモヤモヤとしております…。
2点目は、ヒロインの槐ちゃんにもっと戦って欲しかった点。ルートによっては戦うのですが、基本的に誰かに守ってもらってます。なんで?忍びじゃないんか?とツッコミを入れながらプレイしておりました。戦うヒロイン大好きな私にとってはかなりマイナスに感じてしまいました…。
3. キャラ個別感想(ネタバレあり)
各攻略キャラルートの感想です。ネタバレを含みますので未プレイの方はご注意ください。
私は月下丸→百地蝶治郎→服部半蔵→石川五右衛門→黒雪の順番でプレイしました。
私の一番好きなルートは圧倒的に服部半蔵ルートでした!彼が激沼でした!この記事のタイトルにある【久しぶりに誰かに恋した】は、半蔵のことです!!!
服部半蔵→→→(((((越えられない壁)))))→→→百地蝶治郎→黒雪→石川五右衛門→月下丸の順番で好きでした。半蔵最高!!!好きになりすぎて、子供用の歴史人物伝記まんが「服部半蔵」をkindleで購入しました。はい、ガチです。
個別キャラ感想も好きなルートの順番で記載し、文章量も比例しますのでご承知おき下さい。
また、ヒロインの名前は固定で槐として記載します。
3-1. 服部半蔵
いやこれプレイヤー皆んな半蔵のこと好きになるっしょ!!!
槐と出会ったばかりの半蔵と、最後にエンドを迎えた半蔵が良い意味で別人すぎます!
ルート中盤頃までずっと「これ本当に半蔵と恋愛するんか?」と思いながらプレイしてました。前半で「面倒だ」と言って槐を気絶させてから運んだところはほんと爆笑でした。どうやってこの人と恋愛するんだよ笑。槐の運搬を第一として他のことはお構いなし。きっと忍びとしてはそれが正解なんでしょうね。
そんな名実ともに最強の忍び半蔵に、「忍びとして強くなりたい、成長したい」という直向きさで半蔵の心にジャブを打っていく槐さん。大変良いジャブの連続でした。「あれ?私って、誰かに守ってもらうことを自然なことだと考えていた?」と槐が気づいた瞬間はとても良かったです。私も同じことオモッテタヨ!もっと強くなりたいと思い行動する槐の姿に、半蔵も少しずつ態度が柔らかくなっていきました。
きっと半蔵は、冷徹そうに見えて本当は人情厚い人なんでしょうね。家康様の言った通りです。頑張る後輩は見捨てられないのでしょう。その証拠に蝶治郎ルートでは弟弟子である蝶治郎を気にかけるような素振りがありました。半蔵みたいな先輩、上司が欲しい。
ところで作中何度か「その意気や、よし」と半蔵が槐を認めていくのですが、声のトーンも少しずつ変わっていくところに声優さんの神技を感じました。最初は「…ふーん、意外とやるな」みたいなトーンだったのに、次第に後輩や部下を褒めるようなトーン、最後には「よく言った」というトーンでした!地味ですが悶絶します。
追手を討ちながら、鍛錬をしながら、2人は隠れ里へと逃避行を続けます。逃避行中の浅葱の会話可愛かったです。槐「子供の頃も味噌を持って山へ入りましたか?」半蔵「なぜ分かる(驚いた顔)」。可愛すぎかよ!
雨に降られて前髪を下ろした姿もめちゃくちゃ良かったですね。「前髪を下ろすと童顔に見える、と家康様がからかってくる」って。可愛すぎる主従すぎる。半蔵と家康のやり取りもっと見たいです。「半蔵は達筆なんですよ〜」とか、「顔が怖いのがいけないんですよ」とか、半蔵を揶揄って愉しむ家康最高だし、家康様の言うことに従う、という忠臣っぷりを見せる半蔵も最高です。話がそれますが、石川五右衛門ルートのとあるエンドのシーンで、石川五右衛門がやばい術を使うのに半蔵いち早く気づき「家康様、お逃げください!」と五大老の中で唯一家康を助けることができたのまじかっこいいです。あとは半蔵ルートで逃避行が始まる前に半蔵が家康から任務の説明を受けるシーンで、家康「徳川のために尽くしてもらいますよ」半蔵「必ず、御為に」と言って締めるところもかっこよかったです。所々戦国時代の主従感を出してくるので痺れます。
そんな良き主従で、家康の命令は絶対だった半蔵なのに、最後の最後で家康の命令に背くんですよ!主君の命令でも、槐を殺すことはできないって!あの半蔵が!!!冷静で感情よりも任務第一だったのに、好きな女に一筋な男が出来上がってましたよ!
命令に背く半蔵達に徳川忍び組から追手が来てからの盛り上がり方、大変よかったですね〜。月下丸と黒雪も合流して一悶着ありましたが、月下丸が槐に別れの挨拶を言うシーンめっちゃよかったです。正直この時の月下丸は、月下丸ルートの月下丸より好きでした。あたかも幼馴染から夫へバトンを渡すようなシーンでしたね。そうして槐が「甲賀里の槐はもういない」と過去と決別して「あなたといたい」と半蔵と共にさらに逃げるところなんか、もう、映画のようでした!!!音楽も良かったので最高の盛り上がり方でした〜!!
で、問題のラストですよね。
まずね、他キャラのルートに比べて圧倒的にキスの回数多いんですよ。きっと半蔵は、好きって言ったら一直線な性格なんですね。
でもさ。
まさか家康様の前でもしてくるとは思わないじゃん??????
しかもめっちゃ、したり顔なんですよ。
いや〜〜〜〜〜。
沼確定ですよ。
呆れる家康に同情します笑。
人の心を慮るようになればと思いながら送り出した最強の部下が、久しぶりに会ったと思いきや自分の前でいちゃつきだすんですもん。そりゃ呆然とします笑。
無事任務終了で2人はもう別れるのかなと思いきや、半蔵も徳川忍び組を引退して隠れ里で一緒になるゴールでした。一緒になれてよかった〜!
久しぶりに再会した半蔵が激甘になってた!!!会えない間ずっとお前のこと思ってた、って言うので長い間会えてなかったんだなあと思ってたら、たったの1ヶ月ぶりのようで笑いました。出羽国って江戸から遠いんじゃないの??走ってきたんか???笑
家康も寂しいでしょうね〜。犬猫でも追いやるような仕草って。お気に入りのオモチャが取られたみたいな感じでした。
いや半蔵ルート最高でした。もう何周もしてます。定期的にルート周回してます。いろんな方の感想を読んでも、ほぼ皆さん半蔵が一番良かったという感想ばかりで共感の嵐です。
で。
家康ルート追加はまだですか?????
3-2. 百地蝶治郎
百花百狼プレイ前は蝶治郎が一番気になっていました。イケボで、師匠で、イケメンで、って私が好きな要素です。
でもプレイしてみると半蔵が優っちゃったんですよね。
蝶治郎もよかったんだけどね?!(謎目線)
蝶治郎ルートが一番辛い犠牲者数でしたね…。教え子同士で討ち合い、亡くなるなんて。伊賀攻めを経験した蝶治郎からしたら、最も辛いことだったでしょう。このルートはほんとに秀吉が最悪でした。
蝶治郎は半蔵以上に不器用なところがあるように感じます。任務と槐との間で揺れ動くけれど、完全に任務を第一にすることもできず、ずっと槐を想いながら追走しています。不器用な蝶兄様だこと。
みんなの、槐の師匠だったこともあり、自分が先頭に立たなければ、という気持ちもあるんでしょうね…。「〜しなさい」という命令口調をイケボで言ってくださったので大変美味しゅうございました。
でもね、一言だけ言わせてほしい。過去の出来事とかプレイヤーは知らんのよ。だからお互いが好きになる過程を共感しづらいのよ。それだけが惜しかった…。
相討ちに見せかけた逃避行エンドは、ビルシャナを彷彿させました!やっぱり同じシナリオライターさんだなとしみじみ思いました。辛い犠牲ばかりが出てしまったが、2人には幸せになって欲しい。
余談ですが2点。
1点目は蝶治郎の忍び装束。胸の辺りが露出してて、これは防御という観点では大丈夫か??と勝手に思ってました笑。
2点目は半蔵。ラストの方で蝶治郎を気遣うところに、兄弟子の優しさを感じました……!!
3-3. 黒雪
お話として大変面白かったです〜!!!
秘術の会得。忍びの物語って感じで、シナリオを途中で止めることができませんでした!
槐を手籠にしようというのは良くないけど、黒雪に同情します。つらい術だっただろうね…。性格がちょっと曲がってそうな理由も納得です。
黒雪の見た目はそこまでタイプではないのですが、ストーリーの面白さで私的に第3位に入れさせていただきました!
黒雪のエンドが、一番大団円エンドなのでは??
黒雪ルートで好きな点が2点。
1点目は、伊賀の兄弟弟子が大集合な点。半蔵、五右衛門、蝶治郎が揃って会話しているのが見れて眼福です!五右衛門の良いところを言えない蝶治郎かわいい。罪人の知り合いを持った覚えなどないと五右衛門にピシャリと言い放つ兄弟子半蔵素敵。
2点目は、黒雪と槐が揃って徳川忍び組に所属するというエンド!!上司が半蔵とは羨ましい。このエンドの先の物語を見てみたいです。
3-4. 石川五右衛門
チャラチャラお兄さんかと思いきや、というお話でした!五右衛門が槐を掌で転がして楽しんでる様子に、大人の余裕を感じましたね!
ラストの財宝をばら撒いていくの、明るいエンドで大変好きです!!でも個人的にはバッドエンドも好きです!なぜなら半蔵が家康を間一髪で助けるからです!
3-5. 月下丸
ごめんよ月下丸…。槐一筋、俺がお守りする!っていうアツが強すぎて終始苦手だった…。
ビルシャナの弁慶といい、私は「お守りします!!!」っていうキャラが苦手なのかもしれません。
4. おわりに
百花百狼、美しいお話でした!!!
FD欲しいな、出ないかな…。
長すぎず、サクッとプレイしやすいので、気になっている方は是非プレイしていただきたい。
そして貴女も半蔵の沼に…。