君と異界の空に落つ2 第52話
その時、辺りに響いた栄次の「俺の勝ちー!!」で、人の子らの勝負がついた事を知る。話を区切るのに丁度良く、玖珠玻璃は、ほっとしたような気持ちになった。
「いや、それは無いだろ。俺の方が多いだろ」
「違うね。俺が獲った方が全体的にでかいだろ? だから一匹で二匹分な。そうすると二匹分、俺の勝ちだから俺の勝ち」
「えぇ。何だその屁理屈は……」
「屁理屈じゃねぇ。俺の勝ち」
違うだろ、と思った耀だが、いつもの事なので話を流す。別に負けても悔しくないし、栄次が悔しそうだから。