君と異界の空に落つ2 第51話
耀は集落の中の一本道を歩く中、目が合ってしまった人達へ、頭を下げて挨拶をした。返ってくる挨拶は殆ど無かったけれど、嫌な言葉を掛けられないだけ、石を投げられないだけマシだと思う。受け入れたとは違うのだけど、受け入れざるを得ないという。村人の複雑な感情が伝わってくる距離感だ。
ただ、この日はいつもと違い、集落を抜ける頃、嫌悪とも忌避とも違う視線が混じっているのに気付く。ふっとそちらを向いた時、相手は驚いたようである。固まった後、顔を隠して家の方へと逃げて行った。
何だ、好奇