君と異界の空に落つ2 第32話
寺を降り、集落を抜ける時、再び微妙な空気を感じた耀だった。玖珠玻璃の山へ向かった時のような、何処となく閉塞的で優しくない空気のそれだ。
素知らぬ顔で畑仕事をする人や、ちらちらと見てくるものの、目が合いそうになると逃げる人、好奇心のある子供、それを叱る大人の姿。構える訳ではないけれど、変な緊張感があり、妙な気を遣うように耀は”さえ”に続いていく。
気にしなければ良いのだし、それほど気にはならないが、あちらで構えられると少しは構えてしまう。これが”人は鏡”ってやつか、と、被