吉野山の桜の楽しみかた
東京はすっかり桜が散りはじめましたが、吉野の桜は今からが見ごろになりつつあります。谷から一斉に舞い上がる桜吹雪、吉野の桜の楽しみ方をご紹介します。
吉野の桜は段階をわけて咲くから楽しめる時期が長い
吉野山は平たんな土地ではなく谷が多く起伏が多いので、その山肌に桜がたくさん植わっています。山を覆っている木がほとんど桜というイメージです。標高が低い順から下千本→中千本→上千本→奥千本と桜の見どころが分かれています。高低差がけっこうあるので、上千本や奥千本に行くときはトレッキングに適した靴がおすすめです。
これは上千本から下千本方面を見下ろしたところです。下千本から徐々に先始め、奥千本の桜が満開になるまで約1か月弱も見ごろが続くのも吉野山の桜の魅力です。
胸にせまりくる、シロヤマザクラの迫力!
今、日本の桜の名所のほとんどは「ソメイヨシノ」です。この桜は明治初期に観賞用として品種改良された桜。すずなりに花をつける美しい桜です。ここ吉野に咲く桜はソメイヨシノではなく「シロヤマザクラ」という山桜なのです。漢字にして白山桜、その名の通りほとんどが白に近い淡いピンク。そして開花と同時に薄い葉が出る、日本に昔からあった桜。和歌にある「花」といえば「桜」を指すのがこのシロヤマザクラなのです。
シロヤマザクラは白を中心に、木によってそれぞれ花の色に濃淡があるのも特徴で、白から色鮮やかなピンクまで、上千本から見下ろすと、山がピンクのグラデーションに包まれる光景は、胸に迫りくるものがあります。ふだん、見上げる桜も吉野に来たら山全体を上から、下から、ゆっくり歩きながら心ゆくまで桜を楽しむことができます。桜といえば、吉野山。この言葉にぴったりな日本一の桜の季節がやってきました。
次回は、吉野のお花見にかかせない美味しい吉野の名物について書きたいと思います。