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[VALORANT] 一つのミスが命取り! 2023VCT EMEA決勝 TL VS FNC からみるミスから生まれるラウンド結果の違いと強豪チームの修正力の高さ
最初に
この記事においては、VCT 2023 EMEA League play off grand final で行われた Team Liquid VS FNATIC の第1マップ lotusでの両チームの修正力についてみていきたいと思う。
両チームの構成
FNATIC
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Team Liquid
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lotusでの両チームの特徴
1 FNATIC
FNATICはlotusは自身の得意マップと考えているだろう。
この試合は、FNATICが13-11で取得するが、この試合を含めてvct emea でのグループリーグとプレイオフでのlotusは、8勝負けなしである。(※lock//inではLOUDに負けている。)
さらにアタッカーのラウンド取得率が73%、ディフェンダーでの取得率が53%としていることからもこのことを裏付けている。
さらに構成がlock//in時から変わっていないことも特徴だろう。
2 Team Liquid
TLはlotusを計9回戦っているが、3勝6敗という結果から分かるようにどちらかというと苦戦を強いられているマップということができる。
さらにエージェント構成も次のようにしていることからも試行錯誤が見える。
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TLが見せたAメイン確保の動き
10ラウンド開始時の配置図
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まずFNC側の動きとしては、viperのChronicleがオーディンで下記画像の部分を撃つことでガレキ部分までアビリティなしで行くことを阻みまがらfadeのLeoがホウントを投げ同時にrazeのDerkeがブラストパックでガレキまで飛ぶことでAメインを優位に確保しようとした。
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これに対してTLは敵のviperのカーテンの端を沿いながらAリンク付近のくぼみまで行き、ホウントを下記画像の部分に投げ、omenのRedgarがガレキの手前までシュラウドステップで進行した。(leoのホウントは、一瞬移ってしまったがすぐにSoulcasが壊している。)
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そしてホウントによって姿がうつったところに、パラノイアを放ちそのまま敵のrazeを倒し、味方のfadeとrazeのシーズグレネードの合わせでカバーキルされることを防いでいる。
このような動きを見せることでAメインのリテイクが不可能と思わせることでFNCのローテートを誘導させた。さらにfadeとrazeはすぐに違うサイトへ駆けつけたことでAメインの広い部分をomen単独でコントロールすることに成功した。
当該ラウンド。この動きが最初の10秒ほどで行われている。
一歩ずれたことでプランが崩れた次ラウンド
次が問題の11ラウンドめである。Aメインの配置は先ほど同様のものであった。
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オーディンの壁抜きはviperのトキシックスクリーン上にいると抜かれてしまう。そのため必ずAリンク側に行かなければならないのだが、Soulcasはスクリーン上にいたために、ラウンド開始直後にオーディンにより倒されてしまう。そのためにホウントを投げることもできなくなってしまったのだ。さらにomenのシュラウドステップのワープ先が、前ラウンドと異なりガレキの上にのってしまった。そのため複数射線から撃たれてしまう格好になったのだ。(LeoのホウントはrazeのSayfが壊したもののomenの姿はばれてしまっている)
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そしてガレキをキープしていたDerkeがガレキ上のomenを倒し、キルジョイがrazeによって倒されたところをfadeがカバーキルしたことによりAメインは完全にFNCのものとなった。
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その後、4VS2の人数有利を確保したFNCはそのままAにいた3人でAサイトへ侵入し、Aの階段部分をポイズンクラウドを重ねながらモク抜きすることでJamppiのキルジョイの体力を減らすことに成功した。このラウンドはnAtsがオーディンというリテイクには不向きな武器だったことも相まってFNCが取得した。
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当該ラウンド。Soulcasが一瞬で倒されてしまっている。
TLが見せた修正力とAメイン確保の解答
攻守交代前最終ラウンドの12ラウンド目。FNCはastraもふくめた5人でガレキまで確保しようとする配置となった。一方のTLは人数と配置は先ほどと同じだが、階段前の少し高い部分にオペレーターを持ったrazeを配置した。
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まずFNCは、astraのグラビティウェル(吸い込み)でオーディンの壁抜きキルを狙いながら、ホウントに映ったところにrazeのウルトであるショーストッパーで敵を倒すという戦略を実行しようとした。
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対するTLは前提としてオーディンにキルされないようにAリンク側に配置しオフアングル的ポジションにraze置き、さらにオペレーターを持たせることでガレキへ行くことを防ごうとした。さらにomenのパラノイアをAへの入り口に打つことでカバーキルを防いだ。このとき、fadeのホウントを高いポジションではなく地面に乗せることで、映らないことを防止している。
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このときのポイントとして、パラノイアを合わせることで、ホウントを味方に壊されないようにしているところだ。razeはウルトを起動して一時的に味方と離れて行動しており、味方に壊してもらうしか映らない術がない。
しかし味方はパラノイアによるブラインド状態となっているため壊すことはできず、ホウントにより発見されたところをオペレーターで打ち抜かれたのだ。また、Redgarがシュラウドステップでガレキ上に移動することで、より優位にAメインを取得しようとした。
その後、Sayfがショーストッパーを起動しFNCがAメインをあきらめたことで、TLはAサイトにおける優位性を確固たるものとしたのだ。
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その後、FNCはBメインやCのマウンドなどで動きを見せながら、viperがAのガレキからの二段構えに倒されたことで、完全にAサイトはTLのものとなった。さらにBではAリンクからオペレーターを置くことで、Bへのエントリーを難しくした。
その結果、第12ラウンドはTLが獲得、FNC-TLは8-4の折り返しとなったのだ。
3ラウンドから分かること
強豪チームはよく修正力が高いといわれているが、この3ラウンドからはそのことを証明しているといえる。また第11ラウンドから分かるように、たった1歩によりチーム戦略が完全に瓦解する可能性があることも世界レベルではあることがうかがえる。