酒造りの風景「櫂入れ」
大きなタンクに蒸して冷ましたお米を運び込み、それを混ぜる作業。ともすると最も「酒造り」ぽいシーンですよね。これは「櫂(かい)入れ」という作業。手にしている長い棒は「櫂棒(かいぼう)」と呼ばれ、先端がトンボのようにT字になっていたり、丸かったりと、用途によっていろいろと形があったりします。
「櫂入れ」は、蒸したお米を入れたときや醪(もろみ)の発酵を促すために混ぜる作業です。T字部分をぐっと引っ張り上げることで対流を生み、タンクの中身を混ぜていきます。その対流によって米、麹、水が一体となって発酵が進むんです。微生物の自然の発酵を対流に任せるというのもロマンがありますよね。
蔵によって様々なタンクの大きさは、1,500リットル、3,000リットル、6,000リットルと用途に合わせてアップするので、それに伴いお米が足されて重くなっていく櫂入れ作業は結構な重労働なんです…。
美味しいお酒はこうしたたくさんの人の努力で生まれているんだなあと、しみじみ感じます。
写真は福岡県大川市で『若波』を醸す若波酒造。
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