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Blueroom MicroPodと、Scandyna MicroPod SEとの違いを比較してみた

日本では、Scandyna・Blueroom製品の代理店AK Associatesが事業終了してしばらく経ち、現在MicroPodはヤフオク・メルカリなどで中古がポロポロ出てくる程度です。
新品入手できない現在、ニッチ商品となって情報も少なく(特に初代MicroPodは画像含め殆ど出てこず、その存在を黒塗りされたかのよう)、2つの違いを解説しているサイトにいたっては皆無です。

20年ほどサラウンドスピーカーとして愛用してきた初代MicroPod(以降無印)。最近システム変更のため入手した最新MicroPod SE(以降SE)、両方が手元にあるので比較してみます。オーナーの方々、これから購入される方々のご参考になれば。

比較機材
MicroPod [2001年発売|2003年購入 | Blueroom]
MicroPod SE [MicroPod Classic(2016年発売|2021年購入)| Scandyna]

外観

ツイーター部が大きいSEに比べ、無印は控えめなツイーターが特徴で、よりまるっこい印象。それ以外の外観は概ね一緒ですが、横から見ると少し無印のほうがふくよか。これが周波数特性において、5hz低い音が出る理由と推測されます。
また、横から見たときにスピーカー面が立っているのがSE、少し斜めになっているのが無印、という違いもありますね。

無印:W130×H150×D120mm(実測) 
SE:W125×H160×D114mm 

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ツイーター

無印はこじんまりとしており、中央に制振パーツがありますね。ここを見れば一発で無印とSEが判別できます。

無印:13mm(1/2インチ) ドームツイーター
SE:19mm ソフトドームツィーター

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ウーファー

両方ともケブラーコーンを使用した75mmウーファー。口径や構成は見た感じも数値上も一緒です。コーンの色だけ違います。やはりここはイエローのほうがクールで、SEに軍配。
※ ちなみにMicroPod SE MK IIは、コーンがブラックです(参考画像は下部に掲載)。

フープ部分は、無印がプラスチックでキャビネットと同色、SEがゴムでブラックとなっています。フープはSEのブラックの方が締まった印象でかっこいいです。

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参考:MicroPod SE MK II のウーファー

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エンブレム

Blueroom(無印)とScandyna(SE)で異なっています。無印のBlueroomエンブレムは、MiniPod(参考画像あり)と比べると簡素化したロゴエンブレムとなっています。

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参考:Blueroom MiniPod のエンブレム

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ターミナル

無印はプッシュ式ターミナル、
SEはねじ込み式のバナナプラグ対応ターミナル、となっています。

比較するとターミナル部分の面積がだいぶ違いますね。写真のSEはMicroPod Classic(2016年発売)です。SE MKII 以降では、アクティブ版/Bluetooth版とキャビネットを共通化したため、ターミナル部分が広くなっています。
ちなみに、初代SEは無印と同じ狭いターミナルです(参考画像あり)。このターミナル部分を見れば、そのSEが初代かMK II 以降かを判別できます。

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参考:MicroPod SE(初代:2005年発売)のターミナル部分。

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底面

底面はどちらも同じサイズで、W70mm x D60mm。
スタンド接続用のネジ穴サイズは無印がM3.5、SEがM4です。

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スパイク

インシュレーターとして機能するスパイクは、無印がABS樹脂製にシルバー塗料コーティングしたものです。本体に挿し込んで使用するため、摩擦で必ず剥げます。対して、SEはしっかりとしたアルミ製となっています。

大きさを比較すると、ほぼ同じ大きさです。SEのスパイクを無印には流用できないとの公式サイト情報でしたが、最大径を測ってみるとどちらも10mmでしたので、流用はできますね。

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MicroPod 特性比較

最も大きな違いはインピーダンスです。4Ωと8Ω、倍の違いです。

MicroPod
2ウェイ密閉型
ABS樹脂キャビネット
耐入力アンプ出力:20W〜100W
周波数特性:60Hz〜20kHz(-6dB)
音圧レベル:87 dB spl (2,83v / 1m)
公称インピーダンス:8Ω 
クロスオーバー:2.5kHz 
サイズ:W130×H150×D120mm(実測)
重量:0.95kg

MicroPod SE
(MicroPod Classic(2016年発売))
2ウェイ密閉型
ABS樹脂キャビネット
耐入力アンプ出力:10W〜100W
周波数特性:65〜20kHz (+/- 3 dB)
音圧レベル:86 dB spl (2,83v / 1m)
公称インピーダンス:4Ω 
クロスオーバー:2.5kHz 
サイズ:W125×H160×D114mm 
重量:1.1kg

ネットワークについて

今回内部ネットワークも写真に収めようと分解トライしましたが、MicroPodはフープが接着?のため断念、SEはネジ外してもウーファーを取り出せず断念。中を開けるのが難しいので、コンデンサの交換はかなりタフな作業となるでしょう。どこを探してもMicroPodのネットワークの画像がないのは、この高難易度な分解作業のためかと納得しました。

音質について

音質についての差ですが、SEのほうが少しきらやかな高音で伸びがある印象です。
しかし、僕の環境では以下の点で正しい音質差判断にはならないと思っています。

・無印 8Ω/SE 4Ω のため、スピーカー変更時にレベル調整などの再セットアップが必要だった。そのため、同条件での音質比較ではない。
・僕の無印は20年使用しているため、電解コンデンサのヘタリなどで高音のレンジが落ちている可能性が高い。対してSEはヘタリのない新品だった。
・サラウンドスピーカーとしての使用で比較した。

そう考えると、無印とSEでもともとそんなに差がないのでは、と思います。

MicroPodの種類と、外観での判別方法について

MicroPod(2001年発売)
・初代。ツイーターが小さい。
・ウーファーコーンはブラック。
・フープはプラスチック/キャビネットと同色。
・ターミナル部分は狭い。
MicroPod SE(2005年発売)
・ツイーターが13mmから19mmへと大型化。
・ウーファーコーンはイエローに。
・フープはゴム素材/ブラックに変更。
・ターミナル部分は初代MicroPodと同じく狭い。
・AK Associatesが取り扱っていたのはこのモデルまで。ゆえに国内流通のほとんどはこのタイプです。
MicroPod SE MKII(2013年発売)
・ターミナル部分が広くなる。
・ウーファーコーンはブラックに。
MicroPod Classic(2016年発売|現行)
・ターミナル部分はMK II と同じく広い。
・ウーファーコーンはイエローに回帰。
・説明書にはMicroPod Classic SE MK IIと表記されています。内部ネットワークなどはMK IIを踏襲しアップデートしていると思われます。

※ Google検索では、MicroPod SE MK IIIなるものも引っかかってきますが、"Amazon商品のみ"、"公式での情報はみつからない"ことを考えると、適当なセラーがMK IIIを騙ってAmazonに出品した可能性のほうが高いです。
※ アクティブ版やWIFI版、Bluetooth版はリストしていません。

MicroPod SEの入手・購入に関して

現在は日本では、ヤフオク・メルカリの中古品しか入手ルートはないです。相場は無印で15,000円前後、SEで18,000円前後となっています。(2023.11 相場修正)
海外では現在も新品を販売中です。

2022年5月現在、ペアで18,000円ですね。日本国内へは配送してくれないので、malltailなどの海外発送代行サービスを使用して、送料5,000円ぐらいってとこでしょうか。大体23,000円弱で新品が手に入る計算です。

僕は、ebay.comにて現行MicroPod SE(MicroPod Classic)のペア新品をお安く購入できたので、定期的にのぞいてみるのもありかもしれません。

なお、これから購入するならMK II 以降をオススメします。ターミナル部分確認して狭いタイプのもの(=初代SE)ならスルーしたほうがいいでしょう。理由は内部ネットワークで使用されている電解コンデンサの寿命が10-15年とされているためです。もちろん使用はできますが、経年劣化によるレンジの低下は避けられません。ネットワークの項目で言及したように「コンデンサの交換はかなりタフな作業で現実的ではない」ので、ここは素直にMK II以降を買っておいたほうがいいと思います。

終わりに

情報があまりネット上にないこともあり、海外サイト、海外コミュニティ、そして実機からの情報を集約し執筆してみました。誤っている点などありましたら、ぜひご指摘ください。より完璧な情報に近づけられれば、と思っています。

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