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GIUギターコンテストに参加しました

Youtubeチャネル「タメシビキ」で有名な山口和也さんや、宮脇俊郎さん、小林信一さんが講師を務めるギターイノベーション大学(GIU)主催の「GIUギターコンテスト」に参加しました。

コンテストの詳細は割愛しますが、私がどのように演奏動画を作成したかを説明したいと思います。まずは私の演奏動画がこちら。

1.フレーズ作成について

今回のコンテストは予め提供されたオケに合わせてギターのフレーズを演奏します。私がコンテストの参加を決めたのが10月中旬頃で、既に200〜300の演奏動画がTwitterに投稿されてたので、一通りチェックしましたが、とにかくレベルが高い。演奏も上手いしフレーズのセンスも抜群、そんな演奏ばかりで、どう考えても歯が立たない、埋もれる、というのが率直な印象でした。そんな中で自分がどんな演奏を投稿するか、非常に悩みました。ポイントは「如何にして他の参加者の中で埋もれない演奏にするか」これに尽きると思います。

ここで、ひとつ気づいたことがありました。それは、既に投稿されていた演奏で、ほとんどの方が曲の中盤で登場する間奏のギターソロをやっていたことです。私も最初は同じく間奏のギターソロを演奏するイメージでした。ただここは既に超激戦区。そこで、この間奏のギターソロは避けて、例えばイントロの後に登場するような、曲のメインとなるメロディを演奏しよう、これならメロディもシンプルなものが良いので、ギターテクニック競争の沼に入る必要もなく、幸いにも今回のコンテストの目玉となる「美メロ賞」のイメージにも合致する。ということで、方向性も決まったので、制作に取り掛かりました。せっかく作るフレーズなので、オーディエンスの印象に残り、鼻歌で歌いたくなるようなメロディを目指しました。

オケを繰り返し流してはアドリブでメロディを弾いていくと、いくつかアイデアが出てきました。そのひとつとして、同じメロディを繰り返し登場させる手法。同じフレーズが繰り返されると印象に残りやすく、更に、それ以外のフレーズがより強調されるような気がします。最終的には12小節のオケで同じフレーズを7回登場させることになりました。

それ以外のオブリガートや終盤のメロディは、ギターならではのリックでまとめました。「ちゃんとギターっぽいフレーズも弾けるよー」というアピールも込めて(笑)。多少、手癖みたいなフレーズもありますが、全体的には楽曲重視にしました。

2.音作りについて

これもまた悩ましい課題ですが、フレーズ同様、如何に他の参加者の方の中で埋もれない音にするかがテーマでした。求めるイメージは、カーンと抜けがよく、かつ甘いトーンが出せないか、ちょっと矛盾するようにも聞こえますが、この漠然としたイメージを具体化するために、また試行錯誤です。アンプやエフェクターのセッティング以前に、ギターとピックアップポジションを色々試しました。

パワーがあって抜けが良いのなら、リアハムでハイゲインが一番だと思いますが、これが一番多いパターンで、間違いなく埋もれる。最初に選択肢から外しました。レスポールのセンター、フロント、ストラトキャスターのリア、センター、フロント、ハーフトーンなどを試していきましたが、最終的に「これだ」となったのが、テレキャスターのセンター(フロントとリアのミックス)のシリーズ接続でした。実は以前から、テレキャスターのセンターポジションで、特にシリーズ接続はソロに使えるというのが頭にあったので、実際に試してみると、求めてたイメージの「カーンと抜けた甘いトーン」が出せたので、これに決めました。

ちなみに、使用したギターは、Fender American Ultra Telecasterです。1年前に購入した、割と新しいモデルです。音のバランスがよく、今までのテレキャスに無かったコンター加工やネックジョイント部分の形状とか、とにかく弾きやすいのが特徴です。

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アンプやエフェクターは全てMacの「AmpliTube4」を使用しました。ギターからオーディオインターフェイスに直接接続し、Logic Pro Xの中でAmplitube4のプラグインを利用して音作りをしました。使用したオーディオインターフェイスは、steinbergのUR22Cです。

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AmpliTubeで使用したモデリングアンプはMarshallタイプのものです。一応、Silver Jubileeのようですが、実機を試したことが無いのでよく分かりません(笑)。いくつか試した中では歪みやトーンが一番しっくりきたので、これを選択しました。

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基本的にはアンプで音を作ってますが、イコライザーとブースターのペダルで微調整し、リバーブとディレイも掛けてます。とにかく埋もれない音にするために、普段より更にハイを強調した音作りをしました。ただ、改めて聞いてみると、ピッキングのアタック音がちょっとキンキンし過ぎたなと後悔してます(笑)。

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さらにLogicでミックスする際に、コンプレッサーとイコライザーで音を整えましたが、ごく一般的なセッティングです。ローをカットして、少しハイを持ち上げてますが、ここはオケの音にマッチするよう、おいしい音を探しながら決めました。

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最後にオケの音源を含めて、リミッターで音圧を上げて完成です。

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3.演奏の録音・録画・動画編集

ちょっと順番が前後する部分もありますが、演奏の録音・録画ですが、こんな簡単なフレーズなので、ざっと3〜4テイクで完了しました。いつものコピー動画は20テイク以上かかることもありますが、今回はあっさり完了です。

動画撮影はiPhoneのインカメラです。デジタル一眼も所有してるのですが、今回はあくまで演奏が主役なので手抜きしました(笑)。またiPhoneからMacに動画ファイルを送信するのにAirDropを利用してますが、これ本当に楽で便利ですね。iPhoneでもそれなりの画質で録画できるので、この先デジタル一眼の登場機会が減ってしまうかもしれません。

動画の編集はMacのFinal Cut Proを使用しました。この程度の動画ならMac標準搭載のiMovieでも十分ですが、Final Cut Proには動画と音声ファイルをそれぞれの音声データの波形に基づいて自動的にタイミング調整してくれる機能があるので、いつもこのソフトを利用してます。今回はほぼ編集なしですが、テロップを入れる場合もFinal Cut Proが圧倒的に便利です。ただ、そこそこ高価です。

4.最後に

今回のGIUギターコンテストは総数500以上?600以上?凄い盛り上がりでした。分かっちゃいるけどギター上手い人がたくさんいることを改めて知ることができ、とても勉強になりました。いくつか他の方の演奏をコピーしてみたりもしました。もっと練習したい、上手くなりたいと思うようにもなったので、参加して良かったと思います。企画して頂いた山口さん、宮脇さん、小林さんに感謝です。

5.(12/14追記)結果発表されました

12月12日に結果発表されました!なんと応募総数は900とのこと!!

残念ながら受賞は逃しましたが、宮脇さんの解説の中に「メロディーを何回も連呼して耳にこびりついて離れないという意味の中毒性も」というコメントがあり、これはもしや私の演奏のことかも?!(笑)。ただ、振返ってみてみると当初の狙いだった「埋もれない」ということだけは達成できたのかなと感じてますので、個人的には満足してます。改めまして受賞者の皆さん、おめでとうございます!

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