郵便が劣化したと言っているツイートについて

  少し前にTwitterで騒がれたツイートにこんなものがありました。

 このツイート以外でも同様に郵便に対して不満を漏らしたツイートが同じようなタイミングでtogetterでまとめられていました。

 一応、このツイートに対する多くの反応は、おおよそまともと思えるもので、「郵便局何やってんだ!」とか「日本終わった」というような極端な意見はほぼありませんでした。

 定型の普通郵便であれば、84円とか94円で配達してくれるのですが、私の意見としては、100円以下のサービスに数日かかると言われたことに何を言ってるんだろう?という思いしかありません。
 郵便局は今や一民間企業です。国の手を離れて、独立採算できなければならない一企業です。そうなると、昨今の人件費やエネルギー費用などコストを考えた上で、配達調整が入るため配達日数が今まで以上にかかってしまう、と言うことも考えられるでしょう。
 到着に日数がかかると言われた時点で思うべき事は、郵政民営化というのは今までのような利便性を重視したものではなくコストを重視したものに変わることを正しく理解していなければならなかった、と言うことであり、先のツイートのように「国が衰えてきているからインフラがダメになる」と言うことを思うことではありません。

 小泉政権下で郵政民営化の賛否を国民に問うとして、衆議院を解散し、衆議院選挙が行われました。結果は皆さんご存じの通り、与党で3分の2の議席を超える圧勝という結果となり、2007年に郵政民営化が実現という運びとなりました。
 先のツイート主のお二人が、衆議院選挙が行われた2005年当時、政治にどのように関わったのかは分かりませんが(おひとかたは当時30歳ですし、もうおひとかたは神戸大学人文学研究科講師という肩書きから推測するに当時はそれなりの年齢かと思いますので、お二人とも当然選挙に行かれたとは思いますが)、もし郵便に対して国民の利便性を重視する考えをお持ちであれば、自民党以外に投票されたのだろうと思います。まさかと思いますが、当時、「郵政民営化だ!」と声高に叫んで自民党に投票したのに、今のようにコスト重視のサービスに変わった事を嘆いているようでしたら、ちゃんと考えた上で投票を行うべきでしたね、としか言えません。

 ここ数ヶ月、母の相続問題で離島の役所に戸籍を取り寄せたり、その他資料を取り寄せたりしました。そこでレターパックを使用したのですが、これがとんでもなく早かったです。離島なので当然、先方とは陸ではなく、空輸でのやりとりになるはずです。昨今のエネルギーのコストを考えると、郵便物がコンテナにたまりに貯まるまで、置いておかれるもんだと思っていたら、ポストに投函した2日後にはその離島に到着していると言った具合です。たった、370円でそこまでの早さで届けてくれるのです。これには何度も驚きました。この早さを考えると、先のツイートのように、郵便というインフラ、ダメになってるの?と言う発言はどうなんだろうと思ってしまいます。

 今回の件は、郵政民営化により今まで無理していたところが、正常化に向かったと考えるべきでしょう。配達する担当者のコスト、配達にかかるエネルギーコストを考えて、84円や94円の支払いに対して本当に提供できるサービス内容になっただけ、と考えるのが適当かと思います。

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