
思い出デジカメ『Nikon D800』
にっぽんの力こぶ、ニコンD800 (2012年発売機種)

ひとつ皆さんに断っておくことがあります。
どうか、気軽にD800に手を出さないでください。
後で引くに引けなくなり、もうこれなしじゃあたし生きていけない、というケースも十分考えられるのです。そのリスクを踏まえた上でどうかこのD800に接してください。
D800で撮影した画像をはじめて眼にした人は「あれ?写真ってこんなに緻密に描写したっけ?」と写真の根幹を揺るがす疑問を抱くと思われます。緻密に描写すっから写真でしょうが。
ところで、ホキ美術館という写実絵画美術館には精緻な筆使いで描かれた、それはそれは見事な写実絵画が展示されております。訪れる人は「まあ、まるで写真みたい!」なんて驚いてますが、わたしら写真家はもっと驚いておるんですわ。「バチピン!さらにHDR強目にかかってる?」「パンフォーカス半端ねェ!」作品のいくつかは明らかに写真を超えた緻密な描写をしているのです。
それは画家の技術が写真の粒状性、デジタル画像のピクセルドットを越えているからにほかなりません。ふたたび写真が写実画を越えるのに必要なのはハード面の向上でありました。
しかし、それもどうやらこのD800の登場で心配はなくなったようです。写実画家が「もうやってらんねえよちくしょうめ」とフデを投げそうな精密描写も可能なD800は驚異の36.3メガピクセル。圧倒的な超高画質を実現したのです。

ボディの性能をフルに発揮する素晴らしい描写の中望遠レンズ85ミリ。MFの旧ニッコールレンズシリーズで一つの時代を築いた85ミリF1.4を嚆矢とする最新の85ミリの高性能を感じてください。「人物を浮き立たせる」、この浅い被写界深度は周囲に溶け込むことを目的とした迷彩模様すら浮かし撮ります。
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