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思い出デジカメ『フジフイルム X-Pro1』


 2012年1月に発売されたフジフイルムX-pro1は高画質と高品位な質感にこだわり、フルサイズセンサー搭載機に匹敵する超高画質をAPS-Cサイズで実現した1630万画素機のレポートをどうぞ!


 久しぶりに捨てられない箱に出会いました。
 ふつう、カメラ買ったら二度と元の箱に戻すことは無いのですぐに捨てます。なんかの拍子で残っていたら、さよなら売買するときに便利だなぐらいの保存感覚。
 でも、このX-Pro1とそのレンズの箱はそうはゆきません。
 間違いなく大事大事保管間違いなしの高級化粧箱入りです。
 もしこのカメラとレンズを購入した直後、惜しげもなくこの外箱をパージするとき、貴方は刹那に生きる若き獅子になれます。
 振り返ることなく、前だけを見つめ進んでゆく覚悟のヒト以外は悪いこと言いません。とっておきましょう。
 で、その化粧箱を褥に鎮座してるX-Pro1を見て、人は「ずっしり」あるいは「重厚」という感想を抱くことでありましょう。
 ソリッドでクラシカルな外観。必要にして最小限のダイヤル、ボタン、レバー配置。そして上品なシボ革のフロントエプロンに、眺めただけでクリアな視界を予感できるファインダー。
 掌に反発し、じわじわと手なずけなければならない道のりを感じるひとかどのカメラ・・・と思いきや、結構すんなり収まるんですねこれが。
 かつての昭和カメラよりほんのちょっぴり角が丸くなって平成レトロ感を醸しつつ、自然と手に馴染むデザイン。最新設計の軽量高剛性ボディ。過度に主張せず、しかし視認性に優れた各操作系統のダイヤル、レバー。
 撮る前から傑作機の予感がむんむんしてるんです。
 また、X-Pro1という名前からしても開発各部販売営業関係各位の寵愛を受けて育ったのであろう事が伺えます。「Xと言えばだいたいコレでキマリだからよ」的なネーミングであり、さらに「Proっつうのはどういったヒトを指しているのか察しはつくよね当然」を前提になんといっても1番のワンですから。
 この曇りなき自信。我がカメラに一片の悔い無しと思える覚悟。
 使ってみようじゃないですか。
 ただね、撮る前からアドバンテージをもっとるんですわこのカメラは。まずズルイのが独立したレンズの絞りリング。これは撮影者であれば誰でも好意的に受け止めます。なぜならこの方式が一番直感的で判りやすいから。次にうまくやったなと思わせるのがシャッターダイヤル。これもひと目でカメラの状態がわかるので票集めにはもってこい。
  そして全体の意匠と趣き。ちょうど男子の琴線に触れるように巧みにデザインされてます。
 こういった直感的に誰でもすばやくカメラの状態を読み取ることができる優れたインターフェースと美しい外観にだまされないよう気を引き締めてレポートしましょう。

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