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思い出デジカメ『富士フィルム X-T30』

このカメラとなら、ステキな思い出がつくれそう…富士フイルムX-T30 (2019年発売機種)


「あ、コレ使えるわ!」と思える独立した絞りリング、シャッター速度ダイヤル、露出補正ダイヤルがとにかくステキ。実際には多彩な機能を搭載しているのでキチンと説明書を読み込んだほうがバリエーションに富んだ撮影手法を楽しめます。
が、基本的に直感で撮影できるこの操作感は素晴らしいです。

 人間、わりと見た目通りと言いますか、ヤバめのヤツはだいたいヤバそうに見えて、出来なそうなヒトはたいてい…と、コレがなんというか非常に良く当たりまして、人間の直感というのは中々のモンだなと思います。
さて、我々が愛してやまないカメラ界隈の見た目事情といえば、フラッグシップカメラクラスはあくまで凛として隆々。
 どのメーカーのカメラもそのボディに詰め込まれた高性能なスペックが滲み出るように見えいずれも劣らぬ迫力を感じます。
 そしてエントリークラスはどことなく気の置けない男好きする愛らしさを備え、足りない部分は愛嬌でカバーするというもう小悪魔そのまんま。
 どんだけ世のオジサンたちがコレに振り回されてきたことか。そのへんの兼ね合いを良く心得た通なカメラ愛好家は価格と性能と目的を絞って中堅どころを選ぶ傾向がありますね。
 さて、ここにありますX-T30はどの立ち位置かといえばX-H1を頂点とする富士フイルムXマウントシリーズのちょうど真ん中へん。
 機能的に上位機のそれをほどよく受け継ぎ、価格的にはエントリー機たちに限りなく近づいているという我々にとって非常にありがたいポジションのカメラ。

左側のモードダイヤルに同軸のフラッシュのスイッチレバーを見るまでは内蔵フラッシュの存在に気が付かないほどボディラインに馴染んでいたペンタ部分。内蔵したフラッシュとこれほどの一体感を味わえるカメラはそうはない筈。写真の腕が上がってゆくと同時に内蔵フラッシュは使われなくなるという風潮ですが、せっかくのフラッシュ機能使ってあげて!


 見ためはX-T3を小ぶりにした可愛らしさを感じながらどことなく鋭い只者ではない感じ。さあこの直感は正しいのか、みなさんも一緒に検証してゆきましょう。このX-T30、映像素子はX-Trans CMOS 4、画像エンジンはX-Processor4という第四世代のセンサーとエンジンは上位機種X-T3と同じもの。さらにAF演算アルゴリズムの進化でXシリーズ最高のAF性能。実際に撮影していてもためらうことなくどこにでも合焦するAFポイントに「おいおいホントにっちゃんと合って…画像再生…バチピンでした失礼しました!と謝ることしばし。


フジノンレンズ XF50mmF2 R WR 定価66960円
クラシカルなオールド感がカメラ好きには堪らないX-T30ですが、その実力もXシリーズ最新作にして最強の画質なのであります。Xシリーズのボディと優れた標準レンズの切れ味が組み合わされ、時にオソロシイまでの写実力を発揮する場合もございます。こういう仏像さんの手前には保護用の網が貼ってあるモノですが、XF50mmF2なら開放絞りで網さえも十分ボカしきることも可能。そしてF2という薄い被写界深度でもバチピンのX-T30のAF性能がありがたや。
撮影データ
シャッター速度・1/400秒
絞り f2
撮影感度 ISO400
アドバンストフィルター「ダイナミックトーン使用」


 気味が悪いくらい素早く正確なAFフォーカスであります。高速連写速度も機械式と電子シャッターの併用で最大30コマ/秒、シャッターレリーズ手前10カットをバッファーするチャンスに強い「プリ連写」機能も備え、撮影感度もISO80からISO51200まで拡張可能。ムービー撮影は4K動画を撮影できるという高スペックですが、ボディ質量はバッテリー、メモリカード含まずでなんと約333g。
この軽量軽快なボディのためにX-T3の防塵防滴性能がトレードオフされた感じでしょうか。これを無念と受け止めるか、そんな激しいフィールド撮影しないから軽いほうが良いのかは人によって違うと思いますが、そろそろ関節と腰と肩は永遠ではないと悟り始めたあたしらぐらいのナイスミドルは圧倒的に「軽さ」を優先。
 そのうえ、わたしらおじさん世代のカメラマンは細かいことにウルサイです。また自分の好みに合わないと排除する傾向もありカスタマーとしても最低だなとの自覚もあります。そんな厳しい目でX-T30の外観を見てみると…独立した露出補正ダイヤル…合格!シャッタースピードダイヤル質感OK!シャッターボタン、高さ丸み手応え良し!ペンタ部デザイン…アメージングでファビュラスマックス!
被写体を前にクリック感を楽しみながらレンズの絞りを合わせ、眼をすがめてシャッタースピードダイヤルの数字を読み、経験から露出補正をかけてシャッターボタンの丸みに指をかけたい我々にとってこの造形は大事。そしてカメラを構える前に視界に入ってくるペンタ部はこういうカタチでなければなりません。
このX-T30ならば写真を撮ってゆくプロセスがなんだか楽しくて楽しくて。いつもなら業務で眼を三角にしてますのが、自然とゆるく撮れるのですね。人徳ならぬカメラ徳でしょうかコレ。

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