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旅はいつだって感傷的なのだ

本当のことを言うと、私は旅をしていて楽しかったことはあまりない。楽しむために旅に出ていたのではないので、当然といえば当然だ。

私が「旅にでたいな」と思うのはネガティブなとき。

そしてそれを実行するのは、ネガティブな思考に押し潰されそうになっているとき。自分でもどうすればいいのかわからないときなのだ。

そうやって、私は自分を追い詰める。

ネガティブな要素が、最低でも3つはないと落ち着かないのだから、笑ってしまう。孤独であることに温もりを感じる。気持ちよくまとわり付く負のイメージ。

普段は目に見えないもの、言葉にできないこと、文字にできない気持ちを、遠いとか、近いとか、日本だとか、外国だとかは関係なく、そんなことではなく。

カメラという触媒がつなげてくれる。

シャッター音が自分の存在を教えてくれる。

「私は自由だ」と口にした瞬間から、自由ではなくなるのだということを知る。

いびつな夢の断片のように、不穏で見知らぬ場所への幻想を掻き立てる。

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そうだ。いつだって旅は感傷的なのだ。

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