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2眼カメラ RICOHFLEX VIIの整備


購入の経緯

2025年01月11日、某カメラ屋さんにふらっと立ち寄った時、この2眼カメラに出会ってしまった。このお店には1,2年ほど定期的に立ち寄っていたが2眼カメラが並んだことは初めてだった。

店員に許可を得て動作確認をさせてもらった。
外観は汚いものの本体の革の欠損はない。錆多め。レンズはまずまずといったかんじ。シャッターは切れるし、スピードも変わる。絞りも問題なし。ヘリコイドが固着していたことは気になったが、これまでのカメラ修理の経験上、直ると判断。革のケースは諦めるしかなさそうだ。

店員さんからはオブジェとしてどうですかと言われたが、いやいやいや、使って何ぼでしょと心の中で回答した。
購入を決めた。2眼カメラはこれまで触ったことすらないのに、迷いはなかった。

RICOHFLEX VIIについて

買ってみたものの、RICOHFLEX VIIについての知識が無さすぎるので調べてみることにした。

  • メーカー:リコー

  • 発売年月:1954年2月

  • サイズ:巾 72.5mm 高さ 183mm 奥行き 100mm

参照元は「フィルムカメラ / 製品 | RICOH IMAGING」です。
リコーってあのリコー?こんな前からあったのね。知らなかったよ。
どうやらRICOHFLEX VIIには、少なくとも3種類あるようで、その違いはシャッターのよう(リコー製、 セイコー製、 シチズン製)。私が買った物はシャッタースピードの最大が100なので、リコー製なのかな。ちなみに、セイコー製は500でシチズンは200とのこと。

発売年月が1952年とあるので、ざっと70年前のカメラ。。。凄いな。
このカメラの製造年月は分からないけれども、かなり古いことだけは良く分かった。

分解

  1. まず前面板で剥がれかかっていた革を取り除いた(上段左から1、2つ目)。カビ?で白くなった箇所は、洗浄して落とすことにする。

  2. 前面板は四隅のビスを外すだけで簡単に取り外せる(上段右から1、2つ目)。内側はビックリするほど汚かった。。。

  3. 前面版の裏側も汚く、黒く塗装された箇所は劣化のため、下手に触れると剥がれ落ちてしまう状態であった(下段左から1つ目)。

  4. ファインダーフードも四隅のビスを外すだけで取り外せた(下段左から2つ目)。

  5. 分離されたファインダーフードと本体(下段右から1、2つ目)。クリーニングだけで、それなりの時間がかかりそう。

  1. フィルム巻き上げノブと本体との隙間に汚れが溜まっていたので取り外すことに(上段左から1つ目)。

  2. ミラーとミラーを固定する金具。簡単に外れた(上段右から2、1つ目)。

  3. 前面版から外したシャッターとそこから取り出されたレンズ(下段左から1、2つ目)。最初の印象よりずっとレンズの曇りがひどい。

  4. レンズ部はもっと分解するが、本体をざっと分解した様子(下段右から1つ目)。

整備と組み直し

  1. 曇っていたレンズについては、綺麗にならないと思っていたがかなり曇りが取れたので物凄く嬉しかった(上段左)。

  2. クリーニングした巻き戻しノブ(上段右)。これは載せなくても良かったかも。。

  3. 前面版の革をクリーニングした結果(下段左から1つ目)。2、3回クリーニングすることになったが、カビのようなものは綺麗に除去できた。

  4. 本体全体に錆が点在していたため、錆落としを試みたが、ファインダーフードの右面は錆が酷く落とせなかった(下段中央)。作業の途中で地金が見えてきてしまったため、これ以上の作業は止めることにした。

  5. 上記の錆が無念だが、全体的には随分綺麗にクリーニングできた(下段右)。

上記以外にも以下について整備しました。

  • 本体全体

  • 塗装剥がれ箇所の再塗装(目立つ箇所のみ)

  • ミラー

  • シャッター本体及び羽

  • ガラス製スクリーン

最後にピント調整。ピント調整は以下を参考にしました。


ファインダーを覗いた様子。デジカメでは表現されないすごい味がある見た目で、更に気に入ってしまいました。とはいっても、この見た目はファインダーからの様子なので、これがそのまま撮影されるわけじゃないんですけどね。。

今回学んだり感じたこと

  1. リコーフレックスVIIは構造が非常に簡単で整備しやすいですね。

  2. レンズの曇りが酷く綺麗にすることは諦めムードでしたが、綺麗にすることが出来ました。想定外で嬉しかったです。

  3. 錆が落としきれなかったのが残念です。錆を落とす良い方法を見つける必要がありそうです。

  4. ミラーは頑張って磨きましたが、正直、あまり綺麗になりませんでした。やりすぎると、傷がついちゃうと思います。

残されたこと

クリーニングや本体の整備は終わりましたが、実際、このカメラを使って撮影できるか確認する必要があります。本カメラは通常、中判フィルムを使って撮影するのですが、中判フィルムは価格が高いことがネックです。。。
調べてみたところ、中判カメラであっても35mmのフィルムを使って撮影することが出来るようです。また、チェキのフィルムを使って撮影も出来るようです。
次回は、一番手を出しやすいチェキを使って、このカメラでまともに撮影できるか確認したことを記事にする予定です(こちら記事にしました「チェキを中判カメラ(RICOHFLEX VII)で撮影してみた|かけだしのかめらすみす」)。

これまで読んでいただいてありがとうございました。
皆さまの何かのお役にたったり、少しでもカメラを魅力的に感じていただけたら嬉しいです。
それでは。

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