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離島DX!フリーランスチームの力で、人口700人の離島に、新しい観光客を生み出せるのか? #私の働き方実験 #研究報告書
2022年6月から、約半年間に渡り 「離島DX!」と題して 福岡県にある能古島のPR活動、リブランンディング活動をして来ました。今回はその最終報告及びまとめの研究報告書になります。
◆実験の目的と背景
あらためまして、こんにちは フリーカメラマンのオノザト(小野里)です。
この記事から読んだ人は なんのこっちゃ?と言う感じかなと思いますので、この実験?ってなんなのか 目的と背景も含めて簡単におさらいします。
そもそもこの活動の目的は何か?
博多湾の湾内に浮かぶ、一番近い港から船で10分で行ける離島「能古島」この 能古島は、観光地として国内外から 観光客が多く来島する島でしたが、約2年間に渡るコロナ禍の影響で 来島者数が大幅に減少してしまいました。また、島内の人口が年々減少している 特に10代後半から30代前半の人が、島に居ない という、潜在的な問題も 能古島にはあります。このような問題を、フリーランスがチームを組み タイトルの通り「DX」つまりデジタル技術を駆使して 実験的ではあるが解決していこうと言うのが、目的です。
そのような活動に至った 背景はなんなのか?
ランサーズという、ジョブマッチングサービスから 派生した、新しい働き方LAB というコミュニティがあり、そのコミュニティが 色々な仕事に関する 実証実験を、研究員(その実験に参加する人)を集いながらやっているわけですが、今回の「離島DX!フリーランスチームの力で、小さな離島を変革できるのか?」は、「新しい働き方LAB」の独自の実証実験でもありながら、福岡市の実証実験フルサポート事業というものがありまして、その福岡市のフルサポート事業に採択・採用された企画でもあります。地方行政と民間が一体となって(そこまで大袈裟では無いけれど)やってみましょうよ!みたいなところが、この実証実験の「背景」になります。
◆検証したいと思っていたこと
フリーランスが集まって、DXを駆使して〜と言うことなんですが、例えばSNS等を駆使して、能古島のPRをして 単純に来島者数を増やすということも、一つの方向性ではありますが 島民のみなさんとプロジェクトの初期段階で対話をした際に、「誰でもいいから、来て欲しい」という事では無いとの声を聞いており、また 海水浴シーズンは 既存の観光客層の方たちが来てくれますが、オフシーズンにどのような人たちに来島して欲しいか?と言う事等を協議し 島内に信号やコンビニも無い ある意味不便ではあるが何も無いが「有る」といった特徴をふまえ「CHILL」と言う言葉をコンセプトに、能古島の新しい価値観を、SNS等を使って発信していく いわゆるリブランディングを展開していくことになりました。年内の活動期間に、この「CHILL」というキーワードと共に リブランディングのはっしんを続け、新たな能古島のファンや、いままでとは違った顧客層の方々が どれだけ来島してくれるか それを今後検証したいと思っています。
◆研究活動の概要
半年間の主な活動を 時系列に沿って振り返ってみます。
7月30日〜31日
第一回ビーチクリーニング
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8月25日〜28日
キャンプ村 ステージペイント
第二回ビーチクリーニング
リブランディングの為の 新しいWEBサイト制作用の写真と動画の撮影
PRTIMES用の写真撮影
地元の農家さんと、廃棄される規格外品の有効活用についてミーティング
第一回ビーチヨガイベント開催
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9月30日〜10月2日
キャンプ村ステージペイント
第三回ビーチクリーニング
公式SNS用の写真と動画の撮影
地元の農家さんと、廃棄される規格外品の有効活用についてミーティング
第二回ビーチヨガイベント開催
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10月28日
ワーケーションフェス開催
POPUPショップを出店
キャンプ村ステージペイント完成
スマホフォト講座開催
シーグラスアクセサリー講座開催
ハッカソンイベント開催
第三回ビーチヨガ開催
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島民トークセッション開催
焚き火を囲んで交流会 開催
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12月3日
クリスマスイベント開催
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その他
写真展 開催
オンラインヨガイベント開催
◆結論と根拠・気づき
研究活動の概要では、リアルな活動をつらつらと書いてみたが 毎月何かしらイベントはやっていた。
ただ、大事なことはこの記事のタイトルにもあるように 「DX」 を活用して、どのように能古島への来島者数が変化したのかということである。
リアルなイベント開催と並行して、新たにWebサイトを立ち上げたり 公式SNSとして インスタグラムの投稿等をしてみました。
https://www.instagram.com/noko_chill/
特に、ワーケーションフェスに向けて インスタグラムでカウントダウン投稿をしていましたので、ワーケーションフェスでの集客 来島者数は 一定の成果があったと思います。ワーケーションフェス自体は 平日開催だったのですが、能古島の宿泊施設である「ヴィラ防人」が平日にもかかわらず満室になったこと、ツイッターで 能古島のことを呟いてくれる人が出て来たこと、「日本でもっともチルな島」というリブランディングコンセプトのもと、Webサイトを立ち上げて 「チル」という検索ワード 上位表示されるようになったこと。これらは、「DX」の成果だと結論づけていいでしょう。
◆研究に関する考察・これから
半年間、Webサイトやインスタグラムで 発信し続けて来ましたが、このプロジェクト自体は、プロボノで活動しているので 半年間の期間限定です。
今後をどうするのか、能古島の人たちに上手くバトンタッチが出来るのか?
また、そもそもが「新しい働き方実験」なので、これを仕事につなげる事が出来るのか?私自身は、東京からという 遠方からの参加だったので、具体的に仕事につなげるかどうかは、正直わからない部分が多いですが、福岡の地元からの参加者は 今後も発信のお手伝い等で 繋がれる可能性は秘めた状態で、研究期間を終える事が出来たと思います。
◆全体振り返り
私自身、「DX」というものを ちゃんとは理解ができていないまま、専門分野である、「撮影」を通して 半年間このプロジェクトに参加してみましたが、WebサイトやSNSを通じて 何かしらPRをすることは可能だということ、特に若い人に対しての情報発信は有効だということが 理解できました。ただ、この発信者側の力≒フォロワーの多さも 情報発信にはとても大事なことで、私個人のツイッターでの発信等は レスポンスが良かったとは言えない事も事実でありました。全体を通しても ワーケーションフェスの情報発信は上手く行ったと思いますが その他の毎月のイベントの情報発信は、集客及び来島者数からすると 課題が残る結果と言わざるをえません。
私自身、今後どのように仕事に結びつけていくかは、未だ分かりませんが DX戦略における 発信者側のパワーの大事さ、及び個人でも普段からどのような戦略で 情報を発信しているかで 仕事が変わってくるのだろうなという事を痛いほど実感し 学び取る事ができました。この部分が、半年間この研究をしてみて、一番勉強になったところです。ですが、DX以外の部分 私は東京から毎月、能古島に通ってイベントを記録撮影する事をしてきましたが、そこでのリアルな人との触れ合い、多様な参加者と言葉を交わす事で、考え方の違い等を学び得た事が もっとも印象に残っており 参加して良かったなと思えるところです。DXも大事なんですが、そこの行き着くところはリアルな出会いや体験なんですよね。。。
(完)