2級FP技能士 4日目 金利について(2)

第1部
ライフプランニングと資金計画 ← 今日もここ
リスクマネジメント
個人資産投資運用

第2部
タックスプランニング
不動産
相続・事業継承


前回は、教育ローン住宅ローンのトピックについて学びました。

その際に疑問に思った、金利ってどれだけ種類があるか、誰が決定するのかということについて調べてみました。


1. 金利とは?

金利とは、お金を借りたり貸したりする際に発生する「お金の使用料」のこと。たとえば、銀行からお金を借りるときには借入額に対して一定割合の「利息」を支払います。一方で、銀行にお金を預けると、その預けたお金に対して「利息」を受け取ります。

金利の基本的な役割

  • 資金の流れを調整: 金利が高いと借り手は資金調達を控え、低いと借りやすくなります。

  • 経済活動への影響: 金利は消費や投資、貯蓄行動に影響を与え、経済全体の動きを左右します。

  • リスクと時間価値の反映: 金利は、お金を貸す側が負うリスクや、お金の時間的価値(現在のお金は将来のお金より価値が高い)を反映しています。


2. 金利にはどんな種類がある?

金利にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる目的や仕組みで設定されています。以下は主な種類です。

(1)政策金利

  • 定義: 中央銀行(日本では日銀)が金融政策として設定する基準となる短期金利。

  • 役割: 経済全体の資金供給量を調整し、景気や物価をコントロールします。

  • 例: 日銀が設定する「無担保コール翌日物誘導目標」。

(2)市場金利

  • 定義: 金融市場で実際に取引される資金貸借の際に適用される金利。

  • 特徴: 市場参加者間で形成されるためリアルタイムで変動します。

  • 例: 短期市場ではコールレート、長期市場では10年国債利回りなど。

(3)固定金利と変動金利

  • 固定金利: 借入時点で決まった金利が返済期間中変わらないタイプ(例:固定型住宅ローン)。

  • 変動金利: 市場状況に応じて定期的に見直されるタイプ(例:変動型住宅ローン)。

(4)名目金利と実質金利

  • 名目金利: 表面的な数値として表示されるもの。

  • 実質金利: 名目金利からインフレ率を差し引いたもので、実際の購買力への影響を示します。

(5)その他特殊な金利

  • プライムレート: 銀行が最優良顧客向けに適用する基準貸出金利。

  • 預貸率: 銀行間で資金融通する際の基準レート。


3. 金利は誰がどうやって決めている?

ここで気になるのは、「誰がどのようにしてこれらの金利を決めているのか?」ということです。

(1)政策金利の場合

政策金利は中央銀行(日銀)が決定します。日銀は経済状況や物価動向を分析し、「景気を刺激したい場合は引き下げ」「インフレを抑制したい場合は引き上げ」といった方針で設定します。この政策は短期市場全体に影響を与えます。

(2)市場金利の場合

市場金利は特定の誰かが一方的に決めるものではなく、市場参加者(銀行、投資家など)の取引によって形成されます。たとえば:

  • 国債市場では、国債価格が変動することで、その価格に基づいて計算される「国債利回り」が市場で認識されます。

  • 需給バランスや経済指標によって取引価格が変わり、それに応じて市場実勢としての「最新の市場金利」が形成されます。

(3)銀行など金融機関の場合

銀行などの金融機関は、市場実勢や政策金利、市場環境などを参考にして、自社の商品ごとの適用率(金利)を設定します。たとえば:

  • 預貯金の適用率

  • 住宅ローンやカードローンなどの商品ごとの貸出率

4. 金融商品の適用例:私たちへの影響

ここまで見てきた仕組みは、私たちの日常生活にも大きな影響を与えます。以下はいくつか具体例です:

住宅ローン

  • 変動型の場合:短期プライムレートなど市場動向によって返済額が増減します。

  • 固定型の場合:契約時点で決まった長期固定型の適用率が返済期間中続きます。

教育ローン・一般ローン

教育ローンやカードローンも政策・市場環境によって適用率が変動します。特に変動型商品では将来の返済額が不確定になるリスクがあります。

預貯金

預貯金にも政策・市場環境が反映されます。低い政策・市場環境では預貯金への受取額も少なくなる傾向があります。


5. 金融市場全体として見た「透明性」

最後に重要なのは、「透明性」です。特定の誰か一人が一方的に決めているわけではなく、多くの場合、市場参加者全体による合意形成や中央銀行による政策誘導によって決定されています。この仕組みのおかげで、市場全体として公平性と透明性が保たれています。


まとめ:すべては需給バランスとリスク評価から生まれる


すべてのお金には「時間的価値」や「リスク」があり、それらを反映したものが「金利」だということがわかりました。

今回の内容は、直接2級FP技術士の学習内容には含まれないかもしれませんが、市場とお金の流れや全体像を掴むうえでは、必須の情報だと思います。

金利の仕組みを理解することで、金融商品や経済ニュースを見る視点も広ががるかもしれません。

次回は、更に、金利の上下が社会や経済にどのような影響があるのかをもう少し調べたいと思います。 ← 明日で最後。

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