EMEAリーグ最下位だったチームが強豪を打ち破り、Mastersへ出場できたのはなぜ?考察
前置き
数あるNoteの中から閲覧いただきありがとうございます。
VALORANTコーチ、アナリストを目指しているCamelliabloom(28)と申します。
本記事は試験的なもので初投稿となり、個人の見解を主に投稿している内容となりますのでご容赦ください。
早速ですが読者の皆様は、Karmine Corp(以下KC)というチームをご存知でしょうか。
昨年行われた、Masters Madrid出場をかけた「VCT2023 EMEA league」(以下リーグ)へ出場し、各地域10チームでのリーグ戦で最下位という結果となったチームです。
今回はKCが、残念な結果からどういった変化を受け、Masters Madrid出場を達成できたのかを記載していこうと思います。
◇リーグとキックオフでの違い
リーグでの結果が奮わなかった際の試合を確認したところ、コミュニケーションエラーのような場面が垣間見えることが多かったように思えます。
一例としてまずはこちらの動画をご覧ください。
2023EMEA League vs FNC (ヘイヴン)
https://www.youtube.com/watch?v=slbRNnFzuZQ&t=15044
バイラウンドでの攻めが通らず、調整ラウンドでの動き
ジェットスモークを使いCメインのオーブをコントロール後、ジェットアルティメットで武器不利を極力減らす作戦に出るKC
エントリー時、ドローンをBサイトリンク側へ索敵し、Aリンク側へジェットエントリーを行いますが、サイト裏付近にアストラが構えておりモク抜きされてしまいます。
その直後、サイト入り口に設置していたアストラのスターで吸い込みをかけられ後続と分断され武器無しのオーメンのみが取り残される状況となってしまいエントリーが苦しい状況に。
エントリーの際にブリーチフォールトラインをAリンク側へいれていましたが、サイトを取りきることを目的とし、フォールトラインをサイト中もしくはフラッシュを手前に焚き、Bサイト手前を先ず確保しスモークのタイミングでバックサイトを取る行動がとれていたら、このラウンドはKCが獲得出来ていた可能性は非常に高いかもしれません。
結論、スモークの溜まる時間が数秒、ブリーチのアビリティを入れる場所とその後の動きをコミュニケーション取れていたらという観点で見ると
、ラウンドが取れていたかもって思っちゃいますよね。
次に見ていただくのは、ロースター総入れ替え後のメンバーとなります。
対戦相手は同じくFNC、マップはFNCお得意のロータスです
前記した内容を含め、KCの「スキル(コミュニケーション)でのポジション潰し」「団体での動き」に注目してください。
2024EMEA Kickoff vs FNC (ロータス)
ラウンド開始後、KCはオーブコントロールをしてくると読みCメインにワンウェイスモークを焚き人数をかけて取りに行きます。
FNCがオーブコントロールをする際は索敵アビリティや人数をかけてのエリア取りをしてくるので、KCは開幕の時点でエリアを取りに来ていないと判断し、パラノイアとシュラウドステップが残っているオーメンだけを残し、Bサイト入り口をタレットで見、AサイトへFastRetakeを仕掛ける割り切った判断をしています。
オーメンが倒された後、C側へ寄る動きを見せますが、Aに残るKC
この時点でCサイトはリテイクにし、残しているアビリティで取り返すコミュニケーションを取っていたと感じます。
シーズでのポジション潰しをおこない、ヴァイパー合流後ポイズンクラウドで射線を切りスネークバイトでのポジション潰しを継続しておこないます。
図のようになり1v1を作り出すシチュエーションは、細かなコミュニケーションとスキルの使い方で成り立つものです。
その他にも、リテイク時KC側のヴァイパーが遅れて合流していますが、しっかりと人数が揃ってからのリテイクもミクロ面で意思疎通ができているようにみえますね。
◇スキルでのポジション潰しを行う「意味」
スキルでのポジション潰しとは、スキルを入れる場所によって大きく変わります。
相手が「いるかも」といったポジションでも渋らずに使うことで、もしもを無くすことができるのが「スキルでのポジション潰し」になります。
◇団体行動の「強み」
人数不利な状況でも、団体でのリテイクやエントリーをおこなうことで成功の可能性はグッと上がります。
前述しての通り、5v4でのリテイク時に団体での行動、そこに合わせたスキルを使うことで、リテイク時に必要とされるスモークがいなくとも成功する確率はどんっと上がるのです。
◇結局なにが違って勝てたの?
KCが勝ち上がれた一番大きな要因 は
メンバーの総入れ替え と 割り切り
が、主な理由かなと思います。
ほかにも戦略面やコミュニケーションもあると思いますが、リーグ時と比べるとサイトへのアプローチをかける際の合わせや、ラウンド中の動き方がリーグ時とは全く異なるチームになったと感じ取りました。
おわりに
強豪チームを打ち破るには、こういったマクロ・ミクロ面でのやり時や相手チームの研究がとても大事となってきます。
KCが結果を残しmastersへ進出出来たのも、メンバー入れ替えの影響もあるがコミュニケーションや相手チームの研究を選手に落とし込み、ラウンド毎に積み重ねられた結果だと思います。