自宅の「手放し」に至るまで
人は日常的に関わっていない事については、よほど興味がない限り大した知識はないものである。だから物件を売ると決めても何をしたらいいのか全く分からなかった。いつもありがたいと思うのだが、こう言う時も支えてくださる方がいて色々な選択肢があることを知った。
その中でも何かピーン!と来たのが、「リースバック」などど言われるものだった。謂わゆる住みながら物件を売るシステムである。何件か問い合わせをした所、何とローン残高を間違って伝えたために全て破談した。
わたし自身はあまり自覚はなかったのだが、ここぞと言う時に相当な天然行動をする自分を知った。折角のチャンスだったのに自分の失敗で全て潰れたのだが、捨てる神あれば拾う神あり。何とご紹介により不動産会社様とのご縁を頂いた。
不動産会社の担当さんは、とっても穏やかで和む雰囲気の方だった。お話の仕方も落ち着いていて、話も弾みとんとん拍子で物件の仲介販売委託まで話が進んで行った。見学をどの様にするか、新聞やWEBでの広告の出し方や日にちを決め、WEB上の情報公開と新聞広告を打った途端にとんだ横槍が入った。「コロナ感染増加」が本格的となり、知事より緊急事態宣言があったのだ。
不動産の買い物は額が大きい。それ故にそうそう買い手がすぐに見つかるとは考えてはいなかった。しかし実質的な外出制限をされてしまうと、全くもって売り込みができない。スタートを切った時点で大きくつまづいた感があり、『これは今年中には売れないかも。』と言う思いが沸々と湧いてきた。
実はこの時点でわたしは、今年中に物件が売れないと来年は無理だろうと言う、全く何の根拠はないけれど直感的な思考が働いていた。
どうしよう…当時は深刻ではないものの毎日が不安だった。
そして3ヶ月ほど経過し外出制限も緩和され、ようやく物件の見学を実施する事ができる事になった。何組か見学に見えたが、決定打がないまま更に1ヶ月が経過した。きっと今年は売れないんだろうなぁ…と感じ始めた頃、購入希望者が現れて物件売却が決定した。話が決まれば手続きはあっという間に完了し、引き渡しとなったのだ。
初めはヒヤヒヤし通しだったが、おかげさまで売却の契約が成立した。決まった時は心から感謝した。実は契約が決まりそうな時点で、前のめりに引っ越しを決めていた。わたしは物事を動かす時にものすごく験を担ぐのだ。引っ越し業者を決めた時点で、引っ越しまで1ヶ月を切っており、これはかなりハードだった。