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引っ越し先でモノの多さに圧倒される
引っ越し先は、シェアハウス方式で使う予定だった。しかし家をシェアするはずの方が超多忙で、ほぼ一人暮らしの状態からのスタートだった。その方は事務所兼生活空間として使っていので、入った途端住人の息遣いを感じる空間が広がっていた。まるで人だけが忽然と消えた様な、生活感があふれている室内だった。
オーナーには入居前に片付けても良いと言う許可は頂いていた。しかし荷造りで全くその時間が取れなかった。だから荷物搬入時には、冷蔵庫、洗濯機、主要な私物以外の細々したものは、トラックから降ろして空いている所に入れてもらう他なかった。
他人の荷物と自分の荷物。しかも延床面積が以前よりも確実に狭い場所に所狭しと並べられた荷物。自室はかなり広い空間を使わせてもらえる事になっていた。しかし共有スペースには溢れるモノ モノ モノ…。視覚的にも物理的にも圧倒されるモノのボリューム。
「これはダメだ。真剣にモノを減らさないと生活できない。」切実な思いが頭をもたげた。引っ越しのためのお休みは、当日と翌日の2日間のみ。あとは仕事に行きながら片付けるしかない。まず確保しなければならないのは食事と睡眠。ならば布団が敷ける様に、食事ができる様にを優先して片付けるしかない。しかし片付けると言っても収納する場所がない。どうしたものか…。
実はわたしの引っ越しは業者にとってその日のラストだった。だから着いてから荷物を搬入した段階で、もうとっぷりと日が暮れている状態だった。取り敢えず冷蔵庫に食品を納め、玄関から台所と自室までダンポール箱に囲まれた「けもの道」を作って移動できる様にした。
夕食を食べながら、翌日の行動計画を立ててみた。引っ越し直後で荷物に溺れた状態なのに、まだ荷物が車に詰め込まれて旧自宅前に取り残されている。セカンドハンドショップに出すものやゴミステーションに持ち込むものもある。問題はそのまま手元に残そうと思ったモノだ。家の中がある程度片付かないと入れられない。
ココで一つ問題があった。当時のわたしは職場から車を1台与えられていた。実は送迎を兼ねて出勤していたのである。社長が理解ある方で、必要な時はいつでも使って良いと言ってくれていた。だから今回の引っ越しには大活躍だった。その車の中も荷物の山。何とか人が乗れる様に片付ける事はできても、荷物を全て下ろす事はできない。週の内5日間何とか凌げる様に、車の中優先で片付けるしかない。次の週末を期限として何とかしてみよう。
あとは捨てるモノを集めた旧自宅の物置の中を、どの様な順番と方法で片付けるかと言う課題が残った。