賞与が出なかった話

私について

30代前半の女性、事務職正社員

2年前に結婚

夫とは結婚前に10年同棲していた。

夫にも思うところがあるのだが・・その話はまた機会があれば

文才も学も無いが書かずにいられなかった


今日、本来であれば夏の賞与が支給された

しかし経理の事務の方から連絡があり

「今回は出ません・・」と申し訳なさそうに言われた

一瞬頭が真っ白になった


賞与が出たら何をしようか

私は今年、二輪免許(小型AT車限定だが)をとったので

バイクを買う計画を立てていた。

もちろん賞与ありきで考えていた訳ではない。

ただ、それを使ってしまうと貯金が心もとなくなってしまう

仮に入院でもしてしまえば一瞬でパァだ。


賞与が出ないと言われて半日が経った。

未だに私はモヤモヤしている。


経理の女性は悪くない、賞与についても
『会社の業績次第』と書いてあったので規約違反でもなんでもない

ただ、その電話一本だったのが不満なのだ。


うちの会社は営業会社だ。

営業社員が仕事を取ってきてナンボ。

事務員はそのおこぼれを頂戴する、と言っても過言ではない。

現に賞与は事務員のみに支給されるからだ。

しかし、経営悪化で賞与が出ないのであれば全体周知すべきだし

せめて事前告知をすべきだったと思う。


我が家は子なし、夫婦フルタイムで共働き

ときどき外食をしてときどき旅行にも行く

ごく普通の家庭だと思う。


でも家や車を買う余裕は無いし

仮に子供が出来たら私は仕事を辞めなければいけない

今の生活を手放す勇気がないのだ


私自身、とんでもない貧困の下に生まれた訳ではないが

生活には苦労してきた。

学生の頃はバイト代をあてにされる位には貧しかった。

高校卒業と同時に家を出て、

20代はリボ払い地獄を経験して

夫に出会って二人で生活を始めて10年近くかけてやっと返済した。

30歳過ぎてやっと貯金する余裕が出てきた。

欲しいものも買ったり、自分磨きに少し回すことが出来た。


夫と二人だから何とか貯金は出来るが

一人であれば無理だっただろう

私が入社した時、業務を教えてくれた先輩が私が一人暮らしか聞いた

私は(結婚前だった)夫と同棲中であることをこっそり伝えた

「よかった、うちの会社のお給料だと一人暮らし大変だから・・」

と安堵されたことがいまだに忘れられない。

家族と同居が前提で正社員と言えるのだろうか。


今の生活には満足している。

「子供が出来たら、色々我慢しなきゃいけないから」

と自分に言い訳して色々と自由にしてきた。

今回の賞与カットで別の我慢をしなければいけなくなった。

原付バイク一台買うことが、そんなに贅沢だろうか。


コロナ禍で結婚式も挙げていないし、もちろん新婚旅行も行っていない。

実家にも帰りたいが病気の祖母を介護している母には二年会えていない。

子供を本気で考えるならタイムリミットが迫っている。

やりたいことは沢山あるのに移動とお金の制限で身動きが取れないでいる。


私は自分が特別贅沢をしているとは思っていない

やっと手に入れた普通の幸せを噛みしめているだけだ。

しかし刻一刻と私は歳を重ねていく。

結局私は、賞与が出なかった『今』しか生きれない訳だ

次に賞与が出なかったときに私は転職を選ぶだろうか


何度か転職を経験しているが、徐々に厳しくなってきているのを感じる

正社員希望で、30過ぎて配偶者ありだったら未婚の若い子のほうが採用の可能性があるだろう。

転職のコストと自分のメンタルを考えたらすぐには考えられない。

もっと追い詰められたら話は別だけど、仮に賞与が出なくても今の会社にしがみつくのが安泰だと自分の中で落ち着いた。


たった一回、賞与が出なかっただけでここまで考えてしまった。

それくらい切羽詰まっていた。


頭の中を整理しながら書くだけ書いたらすっきりしていた。

また明日から色々なタイムリミットから逃げるように小さな幸せを貪っていくのだろう。

そしてまた何かの拍子に切羽詰まるのだろう。

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