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しょうがの味は熱い
綿矢りささんの「しょうがの味は熱い」という本を読んだ。Instagramで「結婚したい〜」ってなってる20代女子が読んだらやばいと思う。グッサグサ刺さるはずと好評だったので、早速電子書籍で購入。普段は通勤時間を利用して一週間に一冊のペースで本を読むのだが、この本は珍しくほぼ一日で読了。お風呂に浸かりながらあっという間に読み終えた。一冊読み終えた達成感は読むのが遅い私からするとたまらない。
好評の通り、共感の嵐だった。一年前、関東へ行くかどうか、結婚するかどうか悩んでいる自分に読ませたかった。きっと、この本を読んでいれば今の選択、決断をしなかったのでなないだろうか。
いや、でもあの時の自分が読んでも、未熟だったからこの本の意味が響かなかったかもしれない。
私と今のパートナーの関係のようで、読んでいて答え合わせのようだった。
「ただうまくいく確信もないままふみ出すなんて、正しい判断ではない。」
とてもシンプルで真っ当なことなのに、この言葉をあの時の私に誰か言ってほしかった。
正直、私とパートナーはずっと添い遂げられる関係として相応しくないことに気付いている。相手のことは好き、だけど、二人が描いている未来が異なっている。なのに、手放すのが怖くて、そばにいる。心と身体が分離しているのだ。
頼れる旦那と子どもがいる母親にさえ嫉妬してしまう。
地元で生活がしたい、だけど、地元での暮らし、親の介護などを諦め、関東で生活をするのも悪くはない。でもやっぱり家族と会いたい時に会えないのは不安でしかない。まさに今、「私は二つの都市のはざまで、どちらにも満足できないまま、どちらかにいればどちらかをなつかしがって、浮遊している。」な状態。
父が娘に投げかけていた「あともう少しがんばれば、幸せになれるかもしれない。でも、愛や結婚は、あともう少し、と努力するものでしょうか。」という言葉まさにその通り。でも、年齢を重ねてくると、頑張らないと結婚できない世の中のような気がする。
「結婚はいまがチャンスと焦ってするものじゃない。ほんとに合っている二人ならもっと、自然に、とてもスムーズに結婚まで至るものなんだ。不安も焦りも、もちろん裏切りもない。拍子抜けするほどおだやかに、まるで当然のように付き合いから結婚へ流れていくのが、結婚する運命の男女だ。二人の関係がもっとどっしりしているカップルこそ、結婚してもうまくいく可能性がある。」
私たちは、こんなにスムーズに結婚には至らない。やっぱり何か違うのかなと心配になる。