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むかし試した古典技法の話」Vol.8-ドライコロジオンの作り方6- by K


こんにちは、カロワークスのKです。
ついに今年最後の一ヶ月がスタートいたしました。師ではなくとも走り回るような慌ただしさに目が回っております…
例年とは全く状況の異なる一年となりましたが、来年には状況が明けていくと思いたいですね。

それでは、今回もドライコロジオン制作について書かせて頂きます。
前回で種板の製作は完了しました。丹精込めて作った種板で、撮影を行いましょう。

筆者が撮影に使用したカメラはエボニー製の8x10カメラです。
レンズは120mm,240mm,300mmをそれぞれ使い分け、8x10フィルム用ホルダーを使用しました。
しかしアルミ板は1mmほど厚みがあるので、フィルム用ホルダーをそのまま使用することはできません。
そこで、ホルダーの両脇に施されている固定用のツメをカッターで切り落として加工しました。
なおガラス板の場合はそれ以上の厚みがあり装填ができないので、ガラス乾板のホルダーを別途用意しなければなりません。
そういった点でもアルミプレートでのドライコロジオンは現代において制作がしやすいと考えます。

撮影時間は、使用する種板が制作してからどれだけ時間が経ったものかという点と、天気・紫外線の強さによって大きく左右されます。
紫外線が強い初夏〜真夏は晴天F11/45secでの撮影が可能です。
しかしこれは種板を作成したその日のうちに撮影したものであったため、短時間での撮影が可能でした。
作成から3日ほど置いた板での撮影では、晴天時であっても240mmレンズ使用時F5.6/10minかかっています。

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周りに緑が多いと光を吸収するため、晴天でも15〜20minかけて露光するとよいでしょう。
海や、光が当たっている建物などの撮影は反射を考えて露光時間を削ると良いと思われます。
瞬間的に撮影ができないので、様々なことに注意しなくてはならないところも古典技法ならではというところです。
そして長時間露光で一番注意すべきはブレだと思われますが、風の強さに注意し、場合によっては三脚に重石をつけ、脚を固定する等の工夫をします。
大判カメラは頭に重心があるため、あまりにも揺れるようであれば撮影を控えて様子を見ましょう。

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撮影した種板は慎重に持ち運びましょう。
筆者は当初、8×10フィルムの紙箱を用いて板の持ち運びを行っていましたが、夏場に種板同士が張り付いてしまうという悲しい事件が起きたため、一枚ずつ独立させて保管ができる暗箱を作成しました。
自分のやりやすいように工夫して施工を凝らすのも古典技法の楽しみであると思います。

次回は撮影した種板の現像について書かせて頂きます。
そして次の記事は年明けになりますね…気が早いですが、皆様良いお年をお過ごしください。


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