唐揚げ死なず | 毎週ショートショートnote

唐揚げは、死んだ。と思った。

公園のベンチに座った男の箸に摘まれ、
いよいよ食べられるのだ。

(短い人生…いや、ジュー生だった)

覚悟を決めたその時、男の箸が滑り唐揚げが地面に落ちた。

(生き残った…)

ホッとした次の瞬間、猫に咥えられ唐揚げは草むらへ連れ去られた。

猫の大きな口が開く。

(さよならこの世)

唐揚げが腹を括ったその時、
カラスが飛び出し、唐揚げを奪って空に飛んだ。

(あぁ、助かった…)

カラスが笑う。

(いや、助かってないわ！)

唐揚げが命を諦めたその時。
思わぬ収穫にテンション最高潮のカラスが空中で『カァ！』と叫んでしまい、口から唐揚げがこぼれ落ちた。

「わぁ〜！」

唐揚げは落下した。

ドサッ

唐揚げが落ちた場所は鶏の放牧地だった。

落ちてきた唐揚げを見て、
一羽の鶏が目を丸くした。

『ま…まさお？まさおなの？』

「…母さん！？」

『まさお！』

熱い抱擁を交した後、母鶏は舌なめずりをして、

「いい匂い。なんだかお腹が減ってきたわ」

試練は続く！

(410文字)

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たらはかにさんの企画に参加させて頂いております。

写真は、大阪は西中島にある名店、
「媛」の看板メニュー、せんざんき（どがっつり）です！
でっかい唐揚げが15個？だったかな？山盛り入ってて、
1200円くらいで食べられちゃいます！

これがまた美味しいんですよね～😊😊😊😊

お題はこちら。

#小説 #ショートショート #毎週ショートショートnote #唐揚げ死なず