
サイレント映画は顔で語る
アメリカのドラッククイーン、レディバニーはウイットのあるインスタをたくさんあげている
思わず笑うものとか、声に出るほどくだらなくて可笑しいネタとか
いつも的を得た真実を突いているところは一貫している
ジョークの中にも、メッセージがある
サンセット大通りという古い映画
1950年だった記憶だけど
往年のサイレント映画の大大女優、グロリア・スワンソンが銀幕にカムバックした名作で、映画の中で、まるで実生活のように、引退したサイレントの大女優の誇大妄想の狂気を見事に演じた
実際にはスワンソンはサイレント映画に出なくなってからはキャリアウーマンとしてビジネスで大成功していたから、映画の役とは全く異なる実生活だったのに
グロリア・スワンソンと言えば、もうこの映画の主役ノーマ・デズモンドそのもの、と勘違いされていた時期もある
それくらい映画史に残る名演だった
ラストの狂気の彼女が、階段から降りてくるスローショットは映画史に鮮烈に残る名シーンだと思う
自らの殺人事件でゴシック調の古びた邸宅、そこに集まる警察とマスコミ
気のふれた彼女は、かつて大女優だった頃の撮影シーンと錯覚をしている
若くから彼女を知る執事が回わすカメラ、「アクション!」の声に合わせて彼女はカメラに擦り寄る、そしてスクリーンいっぱいの狂気の表情のクローズアップ
この映画のラストシーンだ
レディバニーが、サンセット大通りの画像を上げていた
We didn’t need dialogues
We had feces
と書いてた
最初はfacesかと思ったけど
やく見たら
Feces,うん◯のこと
そこだけ読むとブラックジョーク
隠されたリスペクトは
かつての映画には台詞なんて要らなかった
顔で語ることが出来たのだから
ホントはそんな意味なのに
台詞なんかいらなかった
うん◯が口に入っていたから
みたいな
下品だけど
レディバニーらしい言葉遊びをした名作と名女優へのオマージュだと思って微笑ましい