部屋をはその人の心を表す2024-05-01
○慢性痛で鬱傾向のある方の思い出
以前、神経痛が酷く、鬱気味の患者様を担当していて
マッサージしてる時も機嫌悪そうで会話がほとんどなく、正直訪問するのがしんどい方がいらっしゃいました。
、、、
そんな患者様、に少しでも気分が明るくなる様にと、庭に咲いてる花を写真にしたら
額に入れてと部屋に飾る事に。
そのようにして季節が巡り3年ぐらいしたら部屋に7枚程の写真が飾られました。
、、、
素晴らしい庭で植木も大切に育てていた方で
体調悪くなり庭の手入れも出来なくなり少づつ庭が寂しくなってしまいました。
それでも私が撮って額に飾られた写真は残っており
いつも神経痛の辛さで機嫌が良くなかったけど
顔にはだしてなかったけど
額の花をみて少しは気分が紛れていたのかも。
そう願いたい、、、
、、、
話は変わって、、、
○感覚遮断実験
学生の時学んだ心理学で、
人間の刺激をできるだけ遮断する、という実験が過去に行われました。
結果として、
幻覚が見えたり、精神的に異常が起こりやすくなるという結果だったらしいです。
寝たきりで刺激が少なくなると上記の様な状態になりやすく、
ましては痛みがあれば余計に調子が悪くなる恐れがあり、
少しでも心地よい刺激を提供することは大切な事だといえます。
〇その人を反映した部屋
上記の様に刺激は人間にとって大切であり少しでも心が安らぐ様に、その人の好きな写真や物を飾ってはいかがでしょうか?
介護の現場で約20年、色々な方の部屋を訪問させて頂きましたが、
特に老人ホームは殺風景な部屋が多かった様に思います。
○回想法
回想法とは過去の思い出を語る心理療法で、脳が活性化し主に認知症の方に良い効果があると言われてます。
※(個人的な考えとしては年齢に関係なく過去の楽しい思い出を語る事は良い事と思いますが。)
部屋に思い出の物や写真を飾る、その為に何を飾るか?とか話し合う事で回想法的な効果があるのではないかと思います。
○コミュニケーション
上記の様に部屋にその人の好きな写真や物を飾ったりする事で、訪れた人がよりその人の事を理解でき、会話が弾んだり親身に関わる事ができると思うのです。
○物には魂が宿る
言霊 と言われることがありますが物にも霊?魂?が宿っている様な気がします。
部屋にその人の好きな写真や物を飾る事でその人、飾った人の魂が宿り、訪れた人々に何か語りかける、
そんな気がします。
○どの花みても綺麗だな
、、、
と言う歌の歌詞がある様に、
薔薇や桜だけでなく
たんぽぽや名も知れぬ花に感動することだってあるはずです。
映画や物語だって
ラブストーリーや
ホラー
コメディー
色々な分野があり
人によって評価は違いますが
それぞれ良い部分はあると思います。
人だって。
多くの人がこの世に生を受け、
そしていなくなる、、、
、、、
介護の現場で、20年。
悲しい事に何人もの方がこの世からいなくなりました。
目の前の患者様が中には
寝たきりで話しかけても反応がなく、
ただ漫然とマッサージしてしまう事もありましたが
その様な方にも若い時には甘く切ないラブストーリーがあったり、酒を飲みながら職場の同僚と将来について語り合ったり、、、
色々な、面白おかしく時に切なくほろ苦く、感動する様な人生を送っていたかもしれません。
どの花みても綺麗だな、
と言うように
人にだってそれぞれの人に素晴らしい物語がある
どうしても要介護者の部屋というのは殺風景な部屋になりがちてますが
要介護者の方はご高齢の方ご多く
その部屋で最後を迎える方も多いです。
終わり良ければ全て良し
物語は
バットエンド
でなく
ハッピーエンドで終わるべきで
バットエンドかどうかは本人、携わってこられた方々の考え方次第でしょうが、
部屋をその人らしく、好きな物や写真を飾ることで
その人の人生を反映した部屋にすることで
ハッピーエンドになるのではないか?
と思うのでした。