【セルフケアmemo】息抜きしようとした話
久しぶりに羽を伸ばそうと、母はショートステイにお願いし、会社を午後から休んで、TSUJIVILLEの村祭りに参加した。
私は辻仁成さんの音楽活動についてはほぼ知らない。弟がファンだったので、家の納戸に積み上がったダンボール箱のどれかにECHOES時代のアルバムとかソロになってからのものも全部あると思われる。初期の著作も初版で所有されていると思われる(未確認)。たまたま見たNHKの「パリごはん」が好きだったので、毎日欠かさず更新される辻さんのブログを愛読するようになった。その流れで月に3回のペースで放送されるラジオも聴きたくてTUJIVILLの村人になった次第。
noteを始めるにあたっては、たまたまその時期に開講された辻さんのエッセイ講座を3回続けて受講した。…その成果はご覧の通りあまり出ていないけど
それでTUJIVILL村祭りだ。ヤマハ銀座店のヤマハホールで行われた辻さんのソロライブ。
15時開演の30分前にJR新橋駅銀座口に到着。職場を昼までで円満に後にでき、JRのダイヤの乱れもなく、ここまでは順調。ヤマハのウェブサイトによれば銀座口からは徒歩7分。席は開演の1時間前から始まる受付で決まるとのことだったけれど、私は辻さんのライブ初心者なのでひっそり隅の方で(できれば出入口の近くで)コアなファンの方々のお邪魔にならないように拝聴したいなと思っていた。
ところがヤマハホールに着かないのだ。
ウェブサイトのアクセスマップを見ていたのに、道路でいえば1本か2本ずれたところを歩いてしまっていたと思われる。けっこうなスピードで10分程歩いて、この道は違うと思って側の店の前を掃除していた人に道を尋ねても知らないと言われる。何かおかしい。
駅に戻って仕切り直しても、どういう訳か汐留の方に歩いてしまう。何かおかしい。
信号待ちで優しそうなお嬢さんに尋ねると、スマホでGoogleマップを開き現在地からのルートを示して教えてくれた。「時間があるので一緒に行きましょう」とゆったりとした口調でおっしゃった。時刻はすでに15時を過ぎている。「この人のスピードではマズイ」。そもそも彼女のスマホに表示されているルートがおかしい。迷子になってて何ですが。「急ぎますから大丈夫です」と親切なお嬢さんと別れて、自分のスマホの位置情報をONにした。何とこの時まで私はGoogleマップのナビを使ったことがなかった。便利なものですね!
結局30分遅れで会場に到着。「もう入れないかも」と思ったけれど、ダメもとでホールのあるヤマハ銀座店の7階に上がってみた。演奏の音が聞こえている。「まだ入れますか?」スタッフの方が優しく受付して下さった。座席番号の表示された記念に取っておくのに良さそうな立派な仕様のチケットを頂戴した。席まではヤマハホールのスタッフの方が案内して下さった。2階席の空いている列の席の中央に納まる。客席は良い具合の傾斜で、前の人の頭に遮られることなくステージの辻さんが見える。心地いい響きの素敵なホールだった。辻村長が一番力を入れていたと思われるクラシックの曲の部分はすっぽり聴けなかったけれど、初めての村祭りを何とか楽しんだと思う。
少なくとも次の外食チャンスにはカルボナーラを選択予定。私が行けるパスタ屋さんのは生クリームバージョンだけど。
それにしても何だかおかしかった。ショートステイに行きたくない母の怨念の成せる技か、真昼の新橋でキツネに化かされたのか、こんなことは初めてだ。帰りに新しいコートを買いたいと思っていたけれど、何かわからないけれど私を取り巻く気配がおかしいので、余計なことはしないで早く帰ろうと思った。帰りは急がないので新幹線ではなく在来線にした。スマホのSuicaでグリーン乗車券を購入し、駅のコンビニで駅弁とお茶を買った。ところがちょうど平日の通勤ラッシュ。しかも東京始発ではなく新橋から。グリーン席は満席で通路に立つ羽目に。普通車両は激込みだったから、座れなくてもグリーン車は正解だった。
横浜でたくさんのひとが降りて、私が立っていた通路の席も空いた。窓側の席に納まって落ち着くと、何だかおかしい気配が無くなっていた。