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「みんなでぐるっとハロウィンマルシェ」を終えて~これからの「JMT大作戦」【和歌山・かつらぎ町】

10月30日、かつらぎ公園グラウンドでおこなわれた「みんなでぐるっとハロウィンマルシェ」。かつらぎ町とかつらぎ町商工会、そして「みんなでマルシェ」を運営している「JMT(じもと)大作戦」がタッグを組んで、官民共催として開かれたイベントです。
約1万人が来場し、大きな成功をおさめたイベントの経緯を「JMT大作戦」実行委員会の表具恵子さん、峯岡かずみさん、亀田枝里子さんにお聞きしました。

はじまりはコロナ

「JMT大作戦」が始動したのは2021年3月。コロナウイルスが蔓延し、自粛ムードが高まっていた時期です。
「誰もが委縮し閉じこもりがちになっている時だからこそ、動き出そう」
と、地元(JMT)の方たちに声をかけ、かつらぎ公園プール東側芝生広場で開いたのが第一回目の「JMT大作戦 みんなでマルシェ」でした。出展は8店、150名もの動員があり、
「こんな時だけど、何かしたいと思っていたんよ」
との出展者からの声が、次のイベントを開いてゆく力となったそうです。
その後、オミクロン株拡大による中止を挟みつつも、ほぼ月に一度のペースで「みんなでマルシェ」を開催。亀田さんがデザインし、峯岡さんが発信するインスタグラムの効果もあり、2022年7月、かつらぎ公園グラウンドでのイベントでは34店の出展、動員数は1230名となる大きなマルシェへと成長を遂げました。

初の「官民共催マルシェ」へ

そんな「JMT大作戦」が、官民共催となる「みんなでぐるっとハロウィンマルシェ」で担ったのは、メイン会場であるかつらぎ公園グラウンドでのマルシェの運営でした。79もの出展スペースの配置を決めた峯岡さんは、
「どうしてこの場所なのですか、と聞かれたならすぐ、すべての出展者さんに理由を説明できるよう考えて決めました」。
峯岡さんご自身もハンドメイド作品の製作者であり、他のマルシェに参加経験があることから、隣り合うスペースで出展物が被っていないか、来場者が回りやすい配置になっているか、背景が活きているかなど、細かく気を配り出展スペースを決めたそうです。

かつらぎ町のカフェ「BloomingCoffe」に飾られている、峯岡かずみさんの作品

また、マルシェではなぜか14時前後に人が疎らになりがちだとのこと。15時頃にはまた活気が戻ってくるらしいのですが、その「人の流れが空きやすい時間帯」をどう盛り上げるか、ということで、各出展者に協力を求め、「トリックオアトリート」を仕掛けました。14時のアナウンスと共に「トリックオアトリート」とやってくる子どもたちに出展者がお菓子を配るサービスをおこない、会場は大いに賑わったということです。

私は今までマルシェといえば、こだわりのある品を作っている人たちが集まってお店を出しているところ、くらいの認識しかありませんでした。配置などもてっきり先着順や抽選だとばかり思っていました。
でも、ここまで運営についてのお話を伺って、マルシェの場というのは主催者が知恵を絞って考えて、出展者のためにきちんと用意した場所なのだということがわかりました。いわば「晴れの舞台」の提供ですね。
マルシェ当日の取材では、気になったお店の場所がとても覚えやすかったことや、
「これは背景まで含めて絵になる風景だな」
と、感じてお店の写真を撮らせていただいたことなどがあり、改めて振り返ると峯岡さんの配置の妙がとても腑に落ちました。

「みんなでぐるっとハロウィンマルシェ」は昨年まで「産業まつり」としておこなわれていたイベントでした。その時に比べ、子供を連れた若い夫婦が増え、来場者の年齢の幅が広がったそうです。
ただ、表具さんは、
「次は地元で頑張っている昔ながらのお店の方にも、もっと出店していただけるように考えたいと思います。マルシェという場で、若い世代にも老舗の良さを知ってほしいので」
とのこと。揃いのテントを連ねて長屋のようなブースを作るなど、いくつか案も出ているようでした。

これからの「みんなでマルシェ」

初の官民共催となった「みんなでぐるっとハロウィンマルシェ」。総じて出展者の売り上げも上々だったそうです。
会場からバスに乗り、かつらぎ町内にある4つの道の駅を「ぐるっと」周遊してもらう、という企画も、道の駅を巡るスタンプラリーの参加者の大半がすべての道の駅を回り、ガラガラ抽選会に参加されていた由。マルシェの盛り上がりと連動して、そちらの成果もしっかり上がっていたそうです。

「かつらぎ町は住民と役場との連携を謳っていましたが、私はそれがどういうことなのかずっと疑問に思っていました。でも今回、企画運営に関わったことで、自分的には大きな課題を克服できたと感じています。私たちにも大きな成果があり、町にとっても大きな成果となり、官民共催のサンプルのひとつになれたのではと自負しています。もちろん、さまざまな課題はあるので、今後はその対応も考えてゆきたいと思います」表具さんはそう言って、取材の最後を締めてくださいました。

左から亀田枝里子さん、峯岡かずみさん、表具恵子さん

「JMT大作戦」の「みんなでマルシェ」はこれからもトランスフォーマーのようにかたちを変えつつ進化してゆくそうです。すでに簡単にやめることができないところまできた、という意識があるため、コンスタントに続けてゆくことの難しさとも向き合いつつ走り続けるのだと、表具さんも峯岡さんも亀田さんも、とても楽しそうに話してくださいました。

12月10日(土)には第16回「みんなでマルシェ」が、かつらぎ町の「BloomingCoffe」で開かれます。クリスマスや新年に向けてのハンドメイド作品やフラワーアレンジメント、植物の寄せ植え等の他、ベトナム料理を味わえるキッチンカーも来るそうです。
詳しい情報は下記のインスタグラムをご覧ください。

https://www.instagram.com/jmt_ds2021/(@jmt_ds2021)

(ライター部:大北美年)


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