世界遺産 三谷坂を歩いて③【和歌山・取材記事】
三谷坂を登り切り、無事、天野の里に到着。花盛祭の渡御行列を見るために、私たちは世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社まで歩きました。
丹生都比売神社 花盛祭
丹生都比売神社の鳥居をくぐると、境内には参道の両側に色とりどりの花が飾られており、とても華やかな雰囲気でした。
ほどなく始まった渡御行列は、天狗の姿をした道開きの神・猿田彦さまが先頭です。
笛を吹く人、弓や刀を携える人、獅子頭を持つ人、お神輿を引く子どもたち……時代衣装をまとった行列が粛々と進んでゆきます。
この花盛祭は、和歌山市和歌浦の玉津島神社への渡御「浜降り神事」がもとになっているとのこと。丹生都比売さまが玉津島神社の稚日女尊(わかひるめのみこと)さまを表敬訪問する、という神事で、室町時代中期まではお神輿を船に乗せて紀ノ川を下り、まずは和歌浦の鹽竈(しおがま)神社へ、次に玉津島神社へ、と、実際に渡御されていたそうです。
実は丹生都比売さまは天照大御神さまの妹神さま。稚日女尊さまと同一神とも言われています。
丹生都比売神社の社務所では、
「三谷坂を登ってきました」
と自己申告をすると、三谷坂登拝の印を押した御朱印をいただくことができます。とても良い記念になりました。
お昼ごはんは「新城BASE」へ
花盛祭の渡御行列を見送った後は、車に分乗してかつらぎ町新城にある「新城BASE」へ。
以前、紀州かつらぎ熱中小学校講師として来校された戸田農園・戸田真寿(まさとし)さんが運営するお店です。
いただいたランチはローストビーフとユメカサゴのお造りがメイン。
新城は山の中なのですが、「釣り師」さんがいて、なんと天橋立(日本海!)で釣ったばかりのユメカサゴを持ってきてくれたのだそうです。
戸田さんは寿司職人としての修業経験があるため、調理の腕は確か。
ローストビーフはやわらかく、お造りはこりこりした食感がたまりませんでした。
大きな野菜がたっぷりのお味噌汁、小鉢にはホタルイカのぬた和えや大根のハリハリ漬けも添えられ、疲れた体にやさしいお味が嬉しかったです。
この日のランチメニューは白米ではなくちらし寿司でしたが、新城米のごはんのおかわりもできました。
ちなみに……このランチこそ写真を撮りたかったのですが……スマホが熱を帯びてバッテリー不良に。カメラが使えずとてもとても残念でした。
「新城BASE」では、ライター部の北岡さん(「まるひで農園」)のブラッドオレンジを使ったスムージーも提供しており、他のお客さんが注文するたび、
「この人がオレンジの生産者です」
と、何度も紹介されてしまう一幕も。
現在は誰がどのようにして作った作物か、というルーツそのものに価値が生まれる時代なので、生産者がすぐそこに坐っている状況は「新城BASE」の強みになると思いました。
(貞廣さんの記事「風光る三谷坂」にランチとスムージーの写真が載っています)
ちなみにこちらは、開店準備中の「新城BASE」を取材した記事です。
よろしければご覧ください。
「新城BASE」のこれから
かつらぎ町を満喫した一日
三谷坂を登って丹生都比売神社、そして「新城BASE」へ。
よく晴れた春の一日、ライター部のみなさんと一緒に、祈りと自然と食とを満喫することができました。
このレポートをきっかけに、三谷坂から丹生都比売神社、「新城BASE」を訪ねて、楽しんでいただけることを願っています。
(ライター部:大北美年)