車の話いろいろ PartⅡ
安全運転と燃費は比例する?
車を持つ身としては、車の燃費がどのくらいなのかが一番気になるポイント。カタログ値に記載してある燃費は、ある一定の条件の元で実際に消費した燃料を元に計算されたもの。最初の車選びの際にも、デザインやサイズの次に、気にすべき重要な要素だ。
さて、車が決まったところで、購入・納車に至り、実際にドライブしたあと、実燃費を見て、みなさんはどう思っただろうか。知人にもよくその質問をしてみるが、概ねみなさんの反応は同じ。「思ったほどよくなかった」「カタログ値に届くことは、まずないでしょう」「まあ、こんなもんかな」
ってところ。ただ、車種でカテゴリ分けしてみると、こんな意見が目立つカテゴリも。
「意外と良くて、カタログ値を超えるのは簡単だった」
さて、そのカテゴリとは。あくまでも私の周りの方々の総合的な意見で、世の中の人がすべてそう感じているわけではないことを、先にお断りしておく。さらに、回答をもらった人数も、10名程度。さて、そのカテゴリとは。。欧州車、それも、ドイツ車に乗っている方々。ここで一つの疑問が生じてくる。WLTCモードでの計測、つまりはカタログ値は、同じ条件の元行っている計測方法。なので、実燃費とどれだけ乖離するかは、概ねどの車種でも同じはずなのに、なぜ欧州車の実燃費がよいのだろう?欧州車乗りは、安全運転?そんなことはない。一般ドライバーは概ね安全運転であろう。
この傾向は、覚えておくとよい。将来の車選びの参考になるはずだ。私は車関係の仕事をしているわけでもなく、ましてや自動車評論家などというジャーナリストでも、ユーチューバーでもない。ただたんに、車が好き、それもいろんな車に乗ってみたい・・と思うだけの人間であることはお断りしておく。したがって、この内容は私が感じた素直な意見のみが反映されている。逆に言うと、私が思ったことではないことは、書かない。真実だけを書いてゆく。では、なぜ欧州車がカタログ値に近い実燃費なのか、私も実際に欧州車をお借りして(自腹で)いろいろと試してみた。
概ね良い燃費なのは、小排気量のターボ車だ。ただし、V6とかV8の大排気量車もさほど悪い燃費ではないというのが印象。ここで一つ、さらに断っておくが高性能車とよばれるようなホットチューンの施された車は、試していない。なぜなら車をお借りする際の費用が自腹だからだ。
欧州車の多くはダウンサイジングターボエンジン。最近では1200cc 3気筒エンジンもラインナップされており、日本とはまた違ったベクトルにあると思う。それに加えて、最高出力は抑止気味にチューンされている印象だ。日本車がカタログで謳う最大出力が、欧州車は小さいのである。すべてとは言わない。ハイスペックマシンは、馬力も大きい。ジェネラルなグレードは思ったほど大きい馬力ではないことに気づかされる。この、排気量の小ささと控えめなチューニングが、だれが運転しても同じようにいい燃費で乗れることを示していると思うのだ。それと対照的な日本車は、アクセルレスポンスが非常によく、ちょこんと踏んだだけで元気よくスタートする傾向にある
本記事のテーマは安全運転と燃費である。これを象徴させるのが、このスタート時のレスポンスに関係していると思うのが合理的という結論になる。
アクセルレスポンスがよいということは、すぐにガソリンに引火させたあと勢いよく燃焼させていることになり、さらには、走行中のアクセル開度の変化に対して、クイックに反応するように味付けされ、これが燃料噴射のメリハリにつながり、余計な燃料を消費させてしまっているのではないかという想像がなりたつ。
それとは逆に、欧州車の場合、アクセルをある程度踏んであげないと元気に発進しないのである。無理もない、馬力が小さいのだから。ここが、誰が乗っても同じ燃費になる、肝ではないかと思っている。アクセルレスポンスもまったりしている車のほうが多い。だがしかし、巡航速度域での踏ん張りの良さは、逸品とも思わせる安心感がある。忙しくエンジンが働いている感がゼロなのである。排気量が小さいのに、なぜにこんなに大人な走りをしてくれるのか、関心させられる。この、最大出力をあえて抑えてチューンして、クイックレスポンスではなくしてあげると、こうもいい燃費が得られるのかと、関心しきりである。ただし、本当にこれがカタログ値を上回る燃費を達成する原因なのかというには、そうではないかもしれない。私の脳がそのように関連付けてしまったのである。
不思議な事に、スタート時に深くアクセルを踏むことと、巡航時にアクセルをあおり気味に(ラフに)踏んでも、ぎくしゃく間がない、実に落ち着いた走りをするのである。これも燃費貢献に大きく役立っているのに違いないと感じている。
さて、じゃあ日本車がすべてクイックレスポンスで、ちょんと踏むとうなるようにエンジンが高回転になりぶっ飛んでいくのかというと、そういうわけでもない。Cセグ・Dセグという、日本車のほぼ8割がこのクラスの普通車である車種にて、排気量は1500~2800cc 。ターボを積んでいる車は意外と少ない。また、ハイブリッド車が多数派であるため、モーターも積んでいる。私は日産のシリーズハイブリッドに乗ったことはあるが、燃費の測定をしたことがないので、日産車はこの内容に当てはまらないと思われることをまずお断りしておく。その上で、やはりハイブリッドの恩恵はすさまじく、燃費もリッター25kmとか、それ以上のカタログ値がずらりと並ぶ。相対的には、欧州車はこの数値にはまったく及ばないというのが実情であり、先ほどのカタログ値の燃費を達するか?という意味では欧州車は素晴らしいのだが、絶対的実燃費の良さは、日本車が他の追随を許さない、まさに独壇場となっているのもこれまた事実である。
欧州車は、誰がのっても安定した燃費で走れる車。日本車は、多少ラフな運転をしてもカタログ値まではいかないにしてもそれに近い高燃費で走れている車であり、燃費の良さという点では日本車がリードしていることは間違いない。
本題にもどる。安全運転が燃費をよくするか・・・だ。
日本車をルーズに走らせてもカタログ値燃費に届かないのなら、思いっきりエコランに徹してみれば、ものすごい高燃費を生むのではないだろうか?そんな短絡的発想のもと、ハイブリッド車2社(トヨタとホンダ)で測ってみた。エコランの条件は、以下だ。
・発進時は割と強くアクセルを踏み、巡航速度に達するまでの時間を短くする。巡航速度に達したら、すぐにアクセルを可能な限り浅く(スロットルを弱め)車速をキープする。
・下り坂では、エンジンブレーキを使う
・スムーズな運転に徹する(たとえば、前の信号が赤なのに加速してゆくといった愚かな行為はNG)
・車間距離は長めに。(前の車が左折しても左折を見送れる程度)
・後ろに車間距離を取らない車がぴったりくっついてきたら、それは「どきなさい」の合図であるので、安全な場所に停止してやり過ごす
・走行中はアクセルをON/OFFすることをやめる。一定踏力をキープする。
・片側2車線道路の場合、常に走行車線を走る。走行車線によっぽど遅い車(トレーラーなど)がいる場合は、安全を確認の上、下り気味の坂を選んで追い越し車線から追い抜く(ただし、加速するためのアクセルはほんの数ミリ程度)
・アクセルのべた踏み禁止
・他
こんな運転のしかたでエコラン走行をやってみた。
往復70キロのコースを設定。走り屋が好きな場所も組み込む
1回目は、ちょっとスポーティ気味に、きびきび走行。遅い車はバンバン追い越し。
2回目は、上記のエコランを実行。
これをトヨタとホンダの2車種で実施。(とくに車のテストをしているわけではないので、車名は公開しない)
結果
1回目(無謀) 2回目(エコラン)
ホンダ SUV 17.2km/l 28.6km/l
トヨタ コンパクト 16.8km/l 40.2km/l
日本車のHV有名どころ2車、運転の違いでこれだけ差が出ました。
運転の仕方で、燃費はカタログ値を上回ることも確認できました
今回の本題・安全運転で燃費は良くなる は、事実であることが証明されました。今度機会があったら、欧州車もやってみる。
エンジンブレーキの話
まずは、エンジンブレーキとは何ぞや?ということ
みなさんはご存じであろうか?エンジンブレーキというものを。
免許を取得する際、学科試験のための勉強の中でも登場するので、車を運転する方々で知らない方はいらっしゃらないだろう。もし、知らないのならもう一度学科の勉強をする必要があるのかもしれない。しかし、説明できる方はどれだけいるのだろう。ブレーキは紛れもなく、その状態を「止める」こと。ここでは、車を減速あるいは停止させると解釈できる。車を走らせている際、必ず使用する「ブレーキ」であるが、これは正確にはドラム・ブレーキ、あるいはディスク・ブレーキの2つに大別できる。(その他も存在するが、自動車ではおおむねこの2つのどちらか、もしくは両方が搭載されている。正確には双方とも、さらにさまざまな種類に分けられるが、そこは省略。で、そのブレーキの一つとして、エンジンブレーキなるものが存在するわけだ
まずは、エンジン(正確にはピストン)の上下運動がタイヤを転がすためにどうエネルギーとして伝わるかを考えてみよう。4気筒ガソリンエンジンを例にとって説明する。まず、エンジンをかけるという動作。イグニッションキーを回す、あるいはエンジンスタートボタンを押すことによって、エンジンはかかる。キーを回すと、まず蓄電池に蓄えられたエネルギーを使ってセルモーター(スターター)が作動し、エンジンのピストンを(シャフトを介して)押し上げる。シャフトが回るタイミングで、スパークプラグに電流が流れ、火花がプラグの+極とー極の間で発生し、そこにガソリンの霧が噴霧されると、ガソリンが燃焼する。火花を発生させるタイミングは、気筒内のピストンが空気を最大限圧縮させたときだ。気筒の上下運動の一番上と、便宜上表現する。ピストンを上下させるのば、バッテリーのエネルギーである。もちろん、火花を発生させるのも、バッテリーのエネルギーだ。で、ピストンが一番上に来たタイミングでガソリンを噴霧し、それと同時に火花を引火させる。すると、噴霧したガソリンが燃焼し、爆発がおこる。この爆発により、ピストンは下に下げられる。4気筒のピストンは、それぞれ爆発のタイミングをずらしていて、なおかつそれぞれのピストンはクランクシャフトにつながっている。ピストンが下がるときに、シャフトが回転する仕組みになっているわけだ。
一度回り出したシャフトは、火花の着火とガソリンの噴霧が続く限りこれを繰り返すことになる。4気筒のピストンが力を合わせて(交代で)シャフトを回すわけで、途切れることなくエンジンは動作を続けるわけだ。もちろんガソリンがなくなる、あるいは火花が飛ばない、といった場合、エンジンは停止する。
エンジンとタイヤの関係について考える。エンジンがかかっているとき、クランクシャフトは回り続けている。しかし、タイヤには動力が伝達されていないので、車は動かない。この状態のことを、ニュートラルという。そう、エンジンとタイヤの間には、トランスミッションがあるわけだ。ニュートラルポジションでは、クランクシャフトの回転をそのままタイヤに伝えずに、切り離している状態なのである。このとき、当然ガソリンは消費し続けることになる。ただし、エンジンがかっているとき、そのエネルギーを無駄に捨てているわけではない。賢い方はピンときたはずだ。そう、発電機を回しているのである。オルタネータとよばれる部品がそれ。つまりは、エンジンの回転をおすそ分けしてもらい、その回転を利用してモーターを回す。モーターって面白い構造をしていて、磁界をコイルが回るときに磁力が発生し、それが電子の流れとなり、電気が発生するわけだ。モーターは電力で回るものなのだけど、逆にモーターを強引に回すと、発電するって仕組みだ。よくできている。そう、エンジンがかかっているときは、オルタネータが発電していて、蓄電池を充電したり、車内の電子機器に電力を供給したりしている。オルタネータはその昔、「ダイナモ」とも呼ばれていた。同じものなのだ。
もうひとつ、エンジンの力をおすそ分けしてもらっている部品がある。それが、コンプレッサーだ。こっちは何をしているかというと、ご想像のとおり、エアコンの室外機である。少し話題をそらそう。冷房と暖房の話に移る。さて、エンジンをかけると、暖房が効くまでにしばらく時間がかかる。これは、エンジンが冷えている状態で、温風を作り出すことができないからだ。家庭のエアコンを想像してみよう。冬、家に帰ってエアコンの暖房をONにしても、しばらく温かい空気が出てこないだろう。これと同じで、コンプレッサーで空気を温めるまで、しばらく時間がかかるのだ。ここで、豆知識。エンジンは回っているうちに各部品が高温になる。それを冷やすためにラジエターという冷却装置が存在するわけで、この、エンジン自体が発する「熱」を捨ててしまっている。これを利用しない手はない。ごみ焼却場の燃やした熱エネルギーを使って、温水プールの熱源にもなったり、ゴミを燃やして電気を作ったりしているのと同じく、車もエンジンの熱を捨てるなんてもったいないというわけだ。そう、暖房に使えば車内はぽっかぽかなのである。最近の車にはエアコンが付いているが、昔の車はエアコンが最高級オプション装備だった。エアコンを装備すると、車の値段が1.5倍以上になったものだ。そんな話はどうでもよいか。そう、昔の車の暖房はエンジンの熱を利用していた。今の車はエアコン。エアコンをONにすると、エンジンの出力が若干とられてしまうので、走りにも少なからず影響し、体感レベルで力が落ちてしまう。当然、燃費にも影響する。そこで、冬の暖房時には、ぜひエアコンをOFFにしていただきたい。これで、温まるまでの時間と、燃料の節約が期待できる。冬場は空気が乾燥しているので、エアコンを使用したときのパサパサからも解放される、一石三鳥の暖房方法である。
話がだいぶそれてしまった。さて、本題に入ろう。何だっけ?あ、エンジンブレーキの話だ。
ここまで、なんか余計な話をしてきたので、疲れてしまった。この続きは後日あらためて。 ここまで途中だが、公開してしまおう。
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