引き算から足し算へ
高校時代の自転車部(自分で幽霊部員集めて作った・部活という名のチャリ屋バイト以下略)当時の夢は、自転車のフレームビルダー。
周囲から猛反対されて、まだ他人の言うことを跳ね除けられるほど理論武装が整っていなかった私は一度公務員に。
くそ。あの時オトナ達の言葉を今のように跳ね除けられていたら。いや、がむしゃらに進んでいたら。
スポーツサイクル全盛の今頃、台湾メーカーを向こうに回して稼ぎまくっていたのによ(笑)。
フレームビルダーの魅力は色々ある。材質の妙、鋼管の形状や厚さの変化、ジオメトリー。中でも走行特性を決める大きな割合を占めるのがジオメトリーだ。フォーク角、オフセット、トレール、センターチューブ角…ところが、実際にロードレーサーなどで走ると理論通りにはいかない。
自転車はペダルを漕ぐ際にフレームが撓むからだ。特に当時はアルミフレームはまだ殆ど市場になく、クロモリばかり。
その妙を知るのに、ペダルを漕がないバイクは魅力だった。厳密にはサスペンションやフレームもしなるし撓むのだが、ジオメトリーの性格を把握するには自転車より違いを掴みやすい。
バイクの免許を取りたくて、さっさと進路を決めて採用試験に合格。その職場もバイクを年中乗れる部署のある職業だったので、あわよくばその可能性も信じてキメたのもなくは無い。
そういうわけで、バイクを手に入れるとまずはその性格を知りたくなる。
先日のJA56もツーキャン仕様で素敵なのだが、リヤ周り、ついでフロント周りと装備を外して引き算をして自分との相性を探ってみた。
カブの柔らかいフロントサスペンションは、ステアリング周りを軽くするほど応答性が良くなる。前カゴ、フォグランプ、風防と全部外しても大した重量差がないのに、明らかに判る挙動の差。
ところが。
低速域では感じない風防のメリットを、高速域で強く実感した今日。
こんな前面投影面積の大きな板がそびえ立っていたら、空力学的にはデメリットを感じるはず。
試走の速度を上げる程に感じたのは、旭風防のおかげで高速域での煽りが抑制されていたのではないかということ。
何の科学的データも取れていないが、少なくとも体感としてはっきり感じられた。
(強風下ではどうなのだろう?)
まさかの結果に驚きつつ、明日は足し算…風防を復活させることに決定。
実際、疲れにくいことは初日のR20号RUNでも実感したし。
いや、風防すげーな。