裏道ツーリング。
先日、本当はロンツーしようと手入れをしていた鉄カブ。
今季は、遅速の鉄カブでロンツーに出るほど涼しくありません。
例年涼しくエアコン要らずの信州ですら、暑い。
何を好き好んで、それでも比較的涼しい中央高地からわざわざ抜け出さなくてはならないのだ?
ヘタレと言われればそのお言葉は甘受します。
そこで、比較的さらりとした日に出かけた裏道プチツーリング。
幹線道路を走らない。
なるべく交通量の少ない、日陰の多い道を走る。
街も裏道を辿り、生活感に浸りながらゆっくりとした時間を過ごそう。
そんな感じで、隣の市を往復した5時間のカブ散歩。
地元から隣の市にかけて、北アルプスの山々に浸透した雪解け水が長い年月をかけて湧いた水路があちらこちらにあります(先人の方々が設けたもの)。これらは農業用水として利用されているので、生活道路と水路は切っても切れない関係。
水路沿いは涼しく、空気も清々しくて、心底気持ち良く走れます。
鉄カブの裏道走行は意外とテクニカルです。頻繁なストップ&ゴー、狭路直角左折、行き止まりでの小旋回…そして狭い路地での低速進行、荒れた路面でのスタンディング。絶対速度は低くとも、綺麗に曲がったり周囲への侵襲を抑えるライン取りを考えて走ると、操ることに没入出来ます。
精神医学の療法の通り、頭の中の悩ましい思考のループは、より単純で気持ちの良い感覚の言葉の繰り返しや回想で断ち切って置き換えてしまう。それと同様の没入。
ひと巡りしたら、甘味の補給。
再び巡ったら、辛味の補給。
カレー屋の異国人の店主から、
「カブのストックはないか?」
「そのカブを売らないか?」
と再三せがまれましたが、ダメと即答。
中古カブの暴騰はピーク時よりは落ち着いたものの、それでもそこそこの金額。それに積算5400kmの鉄カブなんて、もう中々手に入りません。
カレー一生無料にするか?と訊こうと思いましたが、「する」と答えられたら負けそうなので、無粋な質問を踏みとどまりました。
以前から頻繁に車で通るものの、なかなか駐車して様子をじっくり観ていられなかった橋を観に行きました。
八幡橋、昭和29年竣工のRC桁橋。意匠が昭和前期らしくて好きです。
松本市内は橋が多く、まだまだ直接観ていないものも沢山あるので、カブ散歩の目的として橋巡りが続きそうです。
身体を十分動かしての裏道プチツーリング。脳内のモヤモヤがすっきりして帰宅です。