『妻が口をきいてくれません』読了
こんにちは、莢子です。
最近心を動かされる作品を観たり読んだりして心のほうが忙しかったのですが、なかなか感想を書けずにいました。
映画の感想なんかはFirmarksにまとめて満足しちゃったり。
そんな中、以前からネットで話題になっていて気になっていた漫画
『妻が口をきいてくれません』を読んだのですが
特にシンプルなのにガツンときた漫画だったので
読了後いろいろと頭に残った感情を垂れ流してスッキリしたいと思います。
絶対子育て中じゃなかったら響かなかったし「何この漫画?」で終わっていたと思うと恐ろしいです。
どんなお話?
ある日を境に、妻から6年間無視され続けている男性のお話です。
とはいえ、妻は毎日のお弁当を作ってくれて、好物も入れてくれます。
夫婦の間には子どもが二人いて、はたから見ると仲のいい家族に見えます。
果たして妻は何を考えているのか…?というところを夫目線と妻目線で描いた漫画です。
4コマ漫画風のコマ割りで、淡々と物語が進み、登場人物も多くないのでかなり読みやすいです。30分くらいで読了できたと思います。
読了後の一次感想
読み終わったら涙がボロボロ流れていました。
老化+子どもができてから涙もろくなったので、以前の私ならそんな泣くような内容ではなかったかもしれません。笑
涙も乾かないうちにこれってどんな感情?と分析してみます。
夫に対して「よかったね、なんとかなって」という哀れみの気持ちに近いのかなと思います。
最後の章の妻に怒鳴られるシーンで涙があふれたのですが、これはきっと
怒りでもなんでもコミュニケーションを取ってくれたという安心感を得た夫に感情移入をしたからだと思います。
シンプルな絵で、決して描きこまれている作品ではないのですが、気付いたらとても引き込まれていたことに気付きました。
悪いのは夫か妻か
申し訳ないですが、悪いのは夫と言わざるを得ません。笑
ネットでよく見る感想としては
・夫が絶対的に悪い。
これは主婦の方がメインで書かれているのかなと。
特に多いのが「我が家かと思いました」という感想が多くてこんな家庭ばっかりなの!?と驚きました。
・無視する妻も悪い。
これは男性側の意見として多かったです。
「夫に配慮がなかったとはいえ、無視という稚拙すぎる方法を取られたら改善しようがないので妻も悪い」とのこと。なるほど。
たしかに、自分が悪いことをしたという自覚があって謝りたいという気持ちがあるのに謝らせてもらえないのって辛いですよね。(経験ある)
そのうえで、私の感想としては「夫がやっぱり悪いよね」と思ってしまいました。
でも、夫は気付いていないんですよね。
自分のどこが悪かったかを。
だから伸びしろはある!笑
その時点で悪い!というよりは、自分のどこか悪かったかわからないと直しようがないよね…という同情も少しありました。
今まで確かに妻から「○○しないで」という形でさまざまな行為に関する注意は受けていたものの、「もっとこうしてほしかった」という正解は教えてもらっていない。
多分こういう男性ってわかるように言わないとわからない人間なので、もし妻に気力と体力が倍くらいあって、それが言えていたらもう少し違っていたのかなと思いました。
それを言われたうえでも反論してきたり改善しなかったら本当に終わりだし報いを受けるべきだと思いますが。
子どもは足枷にも味方にもなる
この夫婦が決裂してしまった原因の大きな一つに子どもの存在があると思います。
子どもなし夫婦のままだったらもしかしたら付き合いたての頃のまま、仲良し夫婦でいられたかもしれません。
共働きをして対等でいられたかもしれません。
もしも子どもがいない状態で同じく嫌いになっていたら、何のためらいもなくとっくに離婚して第二の人生を送れていたと思います。
子育てという大変なタスクが発生したことにより、夫は仕事、妻は家事育児という配役になったこと、体力や気力が子育てによりなくなってしまったこと、そこからほころびができてしまったように思います。
仮にですが、子育てを近所に住む妻の家族がノーストレス&24時間フルサポートしてくれ、妻は何の心配もなく夫と同じく働きに出ているという前提があったら、こうなっていたのか?疑問です。(それでも出産や夜間授乳のストレスなど体のダメージは女性のほうが大きいと思いますが)
そう思うと子どもさえいなければ…というIFが浮かんでしまいますが
一方でこの妻には子どもという味方がいるとも考えられます。
小さい時こそ大変な育児ですが、思春期になった子どもたちは既に「母親が自分たちのために犠牲になって頑張ってくれていた」ということを理解しています。
今後もし何かあったとき、きっと父親ではなく母親の味方をすると考えるのは自然でしょう。
この漫画(とこの気持ち)をどうするべきか
この漫画を購入したのは実は夫です。
夫としては「自分もそうならないように勉強する」とのことですが、こうやって勉強するようなタイプの男性はそもそも無視されたりするまで嫌われない気がします。
こういう漫画を読んで「け、この女気に食わない」とか、「うちの妻はこうじゃなくてよかった~♪」なんて感想を抱く男性こそ本来は勉強するべき男性なんでしょう。
ジレンマ。
そしてこれを読んだ私はどうするべきなんでしょうか。
愛のあるうちは、お互いの悪いところはなるべく話し合って助け合って生きていこう。コミュニケーションを大事にしよう。
とかいう月並みなことしか浮かびません。
それでもこのざわざわした気持ちは収まりません。
ということで少しでもざわざわ仲間が増えるように感想を書いてみました。
同じ作者の『消えたママ友』も途中まで読んだのですが、こちらはざわざわというよりほぼホラーだったので怖くて読み進められなくなってしまいました。笑
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