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こころ震わせられた芥川の詩
芥川龍之介
棕櫚の葉に
風に吹かれている棕櫚の葉よ。
お前は全体もふるへながら
縦に裂けた葉も一ひらづつ
、
絶えず細かにふるへてゐる。
棕櫚の葉よ、俺の神経よ。
🌸「棕櫚の葉」が震えている、「縦に裂けた葉」も
震えている。
作者の神経も震えている。絶えず細かに。
ああ、なんて繊細なのでしょう。
不眠症
真夜中の廊下の隅に
笠の青い電灯のスタンドが一本
ひっそりと硝子戸に映つてゐる。―
いつも頭の中を見つめる度に。
🌸この詩も繊細な神経の様子が伝わってきます。
真夜中の廊下の隅は薄明るい青だったの
でしょうか。
何か、淋しいものを感じました。
眠れずにいるこの方の繊細な神経の
様子に心が震えました。
読んで頂いて、どうも有難うございました。m(__)m