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若手部会学会セッション③~最新MKSAP19 厳選12題 -日々の学びにMKSAPを活用しよう!-~

2024年9月7日~8日に行われた第29回日本病院総合診療医学会学術集会では、若手部会セッションとして、『最新MKSAP19 厳選12題 ~日々の学びにMKSAPを活用しよう!~』を開催しました。

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MKSAP (Medical Knowledge Self-Assessment Program) は、米国内科学会(ACP:American College of Physicians) が作成した米国の内科専門医試験のための教材ですが、試験対策のみならず、その質の高さから米国では内科スキルの向上・維持のための王道教材として広く用いられています。
そして、MKSAPは私たち若手病院総合診療医にとっても、日々新しくなる医学知識のアップデートに非常に有用であることから、これまでの学会から引き続いてのセッション開催となりました。

セッションでは、全国各地でMKSAPのレクチャーを行っている千葉西総合病院 内科部長の八重樫牧人 先生をはじめ、これまで本セッションに関わってこられた松尾裕一郎 先生(東京大学大学院 医学系研究科 社会医学専攻 臨床疫学・経済学博士課程)、本田優希 先生(浜松医科大学 地域家庭医療学講座所属/聖隷浜松病院 総合診療内科)、田丸聡子 先生(筑波メディカルセンター病院 緩和医療科)に指導・監修をいただきながら、初期研修医から中堅総合医まで日本全国から集まったプレゼンターが、1人1問ずつMKSAPを出題し解説しました。問題は、新たなエビデンスが創出されたトピックや、新しくはないけれど広く知っておくとよいものをMKSAPの分野別に1問ずつ選定しています。
 
①    原発性骨粗鬆症の治療(内分泌・代謝):海老原賢治 先生(東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科)
②    HIV検査結果の解釈(感染症):兒島裕樹 先生(杏林大学医学部附属病院 感染症科)
③    周術期の抗凝固療法(総合内科2):宇佐美逸人 先生(亀田総合病院 総合内科)
④    急性心膜炎の原因(膠原病):髙木美唯 先生(亀田総合病院 総合内科)
⑤    急性肺動脈血栓塞栓症の治療(血液):大山京佳 先生(国立循環器病研究センター 心臓内科)
⑥    HFpEFの治療(循環器):甲斐瑠聖 先生(千葉西総合病院 初期研修医)
⑦    悪性症候群の診断と治療(呼吸器集中治療):松村美里 先生(千葉西総合病院 初期研修医)
⑧    本態性振戦の鑑別診断(脳神経):菅原圭一郎 先生(東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科)
⑨    門脈肺高血圧症(消化器・肝臓内科):松浦利奈 先生(聖隷浜松病院 総合診療内科)
⑩    慢性腎臓病の管理(腎臓内科):北野彩佳 先生(練馬光が丘病院 総合救急診療科 総合診療部門)
⑪    頚部放射線照射後の合併症(腫瘍):石瀬裕子(静岡県立静岡がんセンター 感染症内科)
⑫    脂質異常症の2次予防:山本涼太郎 先生(府中北市民病院 内科)

どの問題も、重要な臨床疑問にエビデンスをもって解答した充実のプレゼンとなりました。なかでも、問題⑧【本態性振戦の鑑別診断(脳神経)】は、振戦という定まったアプローチが難しい症候に対し答えてくれる設問と解説であり、重要な知識を問うものでした。また、パーキンソン病との鑑別点についても着目し、周辺疾患も整理できる発表で、とても勉強になりました。総合診療分野は臓器横断的な知識が必要になりますが、この問題を通じて、MKSAPは総合診療医としての知識の習得・維持に有効であると改めて実感しました。

準備の段階から全国の仲間・指導医と一緒に活動できたことも、とても楽しかったです!
今後の学術集会でもMKSAPセッションを開催していく予定です。ぜひ、皆さまのご参加をお待ちしております。

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