医療トピック①~今日からあなたもセカンドペンギン🐧!~
若手部会メンバーから医療トピックの連載をすることになりました。
今回は島根大学医学部附属病院総合診療医センターの坂口先生から「フォロワーシップ」の話です!
「上司が全然わかってくれない」「今どきの研修医は、気合いが足りない」
なんて嘆いている若手医師の方はいませんか?
現在の医療界において、若手医師のあなたは、組織の成長に欠かせない存在なのです!
【Point】
1:フォロワーシップが組織の成長を促す
2:勇気を持ってセカンドペンギンになろう
【フォロワーシップが組織の成長を促す】
「フォロワーシップ」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?「リーダーシップ」という言葉が有名ですが、「フォロワーシップ」は相補的な概念です。フォロワーシップとは、リーダーシップに対する部下側から見た視点や振る舞い方を指します。歴史的には、1990年頃まで米国を中心にリーダーシップ論が研究されており、組織分析をしていくと「成長する組織」にはリーダーを支える優秀な「部下」や「仲間」つまり「フォロワー」が存在することが明らかになってきました1)。皆さんの職場にもいませんか?いわゆるリーダーを支える優れた名脇役や副キャプテンみたいな人です!!
セカンドペンギンとは、そのようなリーダーを支える優秀なフォロワーを例え表現されます!南極とかで氷の上から海に飛び込むペンギンですね🐧!セカンドペンギンは、盲目的にリーダー(上司)に従うだけではなく、積極的に組織に貢献し、時には建設的な意見を提供する役割を担います(図1)
私たち若手医師は、日々の診療の中で上司のみならず研修医や多職種と協働し、患者さんに最良の医療を提供するために、このフォロワーシップが非常に重要なのです!!何より貢献力が低く、批判ばかりを言う「破壊者」では何も変わりません!
【勇気を持ってセカンドペンギンになろう】
多様な価値観が交錯する現代「上司が全然わかってくれない」「今どきの若者は」と嘆きたくなる気持ちもわかります。ただ、そんな時こそ、より良い医療に向けて私たち若手医師がフォロワーシップを発揮することで、上司や同僚とのコミュニケーションが改善されます。つまり、あなたが若手医師として所属する組織で、どのように行動するかが、その組織の未来を形作る鍵となります!!
勇気を持って一歩踏み出し、セカンドペンギンになってみませんか?僕も頑張ります!この挑戦は、決して簡単な道のりではありませんが、私たちの行動が多くの同僚や後輩に影響を与え、より良い医療環境の実現に繋がります。
ぜひ、この病院総合診療グループを通じフォロワーシップを身につけ、医療現場での新たな一歩を踏み出しましょう!
ご質問ありましたら若手部会(公式LINE(https://lin.ee/ysEXHp5))にご相談ください。
執筆:島根大学医学部附属病院総合診療医センター 坂口公太
参考書籍:1)『指導力革命―リーダーシップからフォロワーシップへ』ロバート・ケリー(著) 牧野 昇(監訳) プレジデント社(1993年)出版
図は筆者が1)より作成