文部科学省に提出した書類

件名;脇見恐怖症でも快適に学校生活を送るためにできること(要望書)



お忙しい中、いきなりのお手紙失礼いたします。
私は中学生から30代の現在まで脇見恐怖症(社交不安障害)に悩まされている主婦です。(現在はほぼ完治しています。)
 今回このような手紙をお送りしたのは、現在の教育現場にお願いしたいことがありましてお手紙を書かせていただきました。文部科学省のホームページにも「御意見•お問い合わせ」欄がありましたが文字制限がありましたので、文書にてお送りいたしました。

〜脇見恐怖症について〜


脇見恐怖症とは社交不安障害の一種で、見たくはないのに他者を必要以上に見てしまい、周囲に不審がられないか過度に緊張してしまう症状のことをいいます。分かりづらいかと思いますので、例えを使ってご説明します。

【教室で授業を受ける時…】

① 授業中、黒板を見ようとすると自動的に左右隣の席や、ななめ前の席のクラスメイトが視界に入る。

② 視界に入ったクラスメイトを見たいわけではないが、もしかしたらそのクラスメイトに自分の視線のせいで不快な思いをさせていないか過度に不安になる。

③ そのクラスメイトが、自分に見られているような気がする、と他の生徒と話をしているのを聞いてしまう。話はしていなくても、そういう話をしているのではないか、と想像してしまう。

④ さらに不安が助長され、黒板やノートを見るのが難しくなってしまう。強い恐怖感を感じ、授業どころではなくなる。

⑤ ①に戻り、悪循環が続いてしまう。

というものです。ここでは教室を例にあげましたが、他にも電車やレストラン、映画館、スーパーマーケット、街中など人がいる場所であれば、ありとあらゆる場所で症状が出ることがあります。私を含め、私の周りの脇見恐怖症の方は、何の解決方法もなく、ただ必死で毎日耐えている人がほとんどかと思います。

〜「気にしすぎ」と片付けられ、具体的な解決まで辿り着きずらい〜


 問題なのは脇見恐怖症になってしまった場合、どのような対策をとればいいのか分からないということです。

例えば、学生の場合、通信制の学校に変える、というような選択肢もありますが、そのような選択は学生にとって大きな負担があります。

個人でできることとして、席を固定してもらう、という方法があります。例えば窓側か廊下側の席で一番前の席に固定してもらう方法です。しかし左右どちらかの席に座っているクラスメイトが視界に入ってしまうと、あまり意味がありません。また生徒が個別に先生に申請しなくてはいけないため、精神的負担が大きく、説明したところで理解が得られないこともあります。
 他に、視界を狭めるためにモノを使って工夫する方法があります。例えば横のふちが大きいメガネをかける対策があります。幾分か効果はあるかと思いますが、これも限界があります。私の場合ですが、前髪を伸ばして、左右に分けるようにして視界を狭めていました。少し楽になりますが、やはりこれも応急処置のようなもので、あまり効果はありません。
 目を瞑る、という方法もあります。私自身も経験があるのですが、寝たふりをします。学校以外でも、映画館、電車、飛行機などではよく寝たふりをしていました。目を瞑ると気持ちが楽になりますが、授業に遅れをとってしまいますし、先生からもよく寝ている生徒として見られてしまいました。

周りから見ると、なんの問題もなく授業を受けているように見えますが、本人は不安に押しつぶされるような気持ちでいっぱいになります。例え10分程度でもきついのですが、それが朝から始まり夕方まで続くので、学校が終わる頃にはくたくたになります。それがほぼ毎日続くのですから、かなり疲弊します。
 私としては、普通に授業を受けたいだけなのに、何故それができないのだろう、と悔しく思っていました。
 脇見恐怖症という言葉は、認知度が低く、説明も難しいので、他人に理解されづらいのですが、みなさんの想像以上にくたびれます。

そこで、もし学校で次のような取り組みが行われたら、とても楽になるのではないか、と考えましたので是非参考にしていただきたいのです。

以下、3つになります。

具体的な解決策



①学校の先生に対して脇見恐怖症含む社交不安障害に対しての認識を深めてほしい。


生徒が先生に自分の状態を話す際、ある程度事前の知識があれば、どのような対策をすればいいのか話しやすくなります。また、授業中に居眠りしているように見えたり、サボっているように見えても実際は違う、ということを知ってほしいのです。

②学生に対して、脇見恐怖症を含む社交不安障害について保健体育の授業などで詳しく取り扱ってほしい。



社交不安障害になっている生徒自身が、自分がどのような状態であるかが分かるきっかけになります。そして同じような悩みがある人が多くいる、と分かれば安心できます。また認知度が上がることで周りの理解を得られやすくなります。どのような対策、治療法があるか早期に分かれば、状態の悪化を防げます。

③学校に備品として自由に使用できるパーテーションを数台常備してほしい。

脇見恐怖症の症状はパーテーションが1枚あるだけでかなり改善されます。パーテーションを使用することはかなりの勇気が必要です。しかし、はじめから用意してあることによって、生徒もいざとなったら使用してもいいのだ、と分かれば安心材料になります。脇見恐怖症の他にも、赤面恐怖症やHSPなどの症状を持つ学生にとっても需要があるかと思います。お値段は安いもので1枚約2000円程度で購入できるものもありますし、すでに特別支援学校で使用されているパーテーションも1万円程度で購入できます。

そして、パーテーションを使用している生徒に対して偏見を防ぐためにも、①と②は並行して取り組んでいただきたいのです。①②に関しては生徒が個別に申請しなくても周りの理解を得られるきっかけになりますので是非行ってほしいです。


以上、3つとなります。長文になり、大変失礼しました。私自身、高校を卒業して10年以上たっていますので、現在の状況は昔と比べ変わっていることも多くあるかと思いますが、何かの参考になれば幸いです。別紙にて私が作成していますホームページやパーテーションのモデルなども同封していますので、そちらも是非ご一読していただければ幸いです。

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