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ネガティブ感情の重要な機能とは?星新一著「殉教」を読んで気づいたこと。
先日、星 新一 著「殉教(じゅんきょう)」を読みました。
→文庫「ようこそ地球さん」より。
衝撃的な作品でしたが、個人的には大きな学びがありました。
以下、簡単なあらすじです。
多少、意訳はありますのでご容赦ください。
■あらすじ
ある男が「あの世にいる死者」と会話できる通信機を開発します。
そして、実際にみんなの前で「死んだ妻」と会話してみせます。
妻(死者)いわく、
「あの世は最高」とのこと。
さらに、男はみんなの前で死んでみせます。
そして、なんと、通信機を通して、
あの世側から「あの世は最高」と伝えてきました。
それを見た周りの人たちは、
自身の亡くなった家族や友人と通信機で話をした後、
次々、命を絶ちます。
その後、全世界の人たちが次々命を絶っていくという話です。
すごい話でしょ?
あえて最後のオチは言いません。
もしご興味があれば、文庫版を買って読んでみてください。
買って損はないと思います。
さて、ここからは私の感想です。
この作品の本質は、以下だと考えます。
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生を下支えしているのは、実は死の恐怖である
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もし、あの世というものが確実に存在し、
さらにそこでの生活が、非常に快適なのであれば、
死への恐怖はなくなります。
私たちが赤信号で停まったり、前後左右の安全を確かめたり、
無謀なスピードで車を運転しないのは、
死への恐怖があるからです。
そう考えると普段の生活の中で
「死の恐怖」が「私たちの生」を下支えしているのは間違いなく、
しかも、それがいかに重要な機能なのかが理解できます。
ここからは少し論理が飛躍しますが、
さらに拡張して考えると、
「不安」「苦痛」「痛み」なども
きっと私たちを下支えしてくれているのだと思います。
この作品を読んで、
私は少し、ネガティブ感情に感謝するようになりました。
いや、ホントに。
視点が変わりました。
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