喜朗のモノマネに…

澄子と喜朗は職場恋愛で結婚したらしい。
出戻ってつくづく思ったが、喜朗のどこが良かったのか。
澄子によれば、『気楽な人』だったそうだ。
友人に話すと、割とどこの家庭の父親もこの世代は似たり寄ったりの様子。
家事は一切しない。
洗濯機の使い方など全くわからないだろう。
ご飯の支度が出来るまで、ただ待っている。
イライラする。
澄子もイライラしているようだ。
喜朗が趣味の碁会所に出かけると澄子は晴れ晴れとした表情を見せる。
ある時、喜朗が出かけたあとに私が、玄関から「澄子!澄子ー!」と喜朗の声まねをして叫んでみたら急いで駆けてきた。
私の笑い顔を見てイタズラだと知ると不快な顔で「ぞっとしたわ」とのたまった。
ひどすぎるべ、澄子。
こんな澄子だが、私が喜朗の悪口を言うと怒る。
喜朗の悪口を言っていいのは澄子だけなのだ。

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