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速く走らせる運転って格好いいの?

実は私も、車の免許を取った当時は「車を速く走らせる運転ができるようになりたい」と思っていましたし、スピードにはある種の魅力があり、そのスピードをうまくコントロールできる人に憧れていました。

スピードの出し過ぎ。
そんなことを書くと制限速度の話が必ず出てきます。
私自身、自分の運転を振り返っても常に制限速度を守って車を運転しているわけではありません。40km/hや50km/hなどの比較的広い道路ではプラス10km/hまでスピードを出すこともあります。一方で、道が狭い住宅街の道路などでは人や自転車の飛び出しが怖いので30km/h、状況に応じては20km/h以下のいつでも止まれる速度で走行しています。
ただ40km/hや50km/h規制の道路で80km/hや場合によっては100km/hなど、明らかに危険行為につながる速度で運転することはありません。
ここで問題なのが「危険行為」という言葉です。
そもそもこれが危険行為だということを理解しないと「いや、そんなに危ないことをやっているわけじゃないですよ」っていう、周りからしたら言い訳に聞こえるような屁理屈で自分の行為を正当化します。
昔の私はそうでした。

危険行為とはどういう行為なのか。
それを考える前に、自動車というものを考えてみましょう。
自動車ってどんな材料でできていると思いますか。
恐らく厳密に言えばアルミ合金とかカーボン素材とか、ゴム素材など色々な素材でできていますが単純に鉄の塊って思ってください。
そして車の重量ですが、色々な形や用途の車がありますが大体の車は1,300kgから1,500kgくらいの重さがあります。つまり1トン以上の重さがあるわけです。

ここで少しだけ想像力を膨らませてください。
1トン以上ある鉄の塊が時速40kmとか、場合によっては120kmのスピードで日本全国の道路を走り回っています。そして道路には保育園に通い出した3歳の子供や恋人同士が楽しそうに話をしながら道を歩いてたりします。
またお父さんが運転し、助手席にはお母さんが乗り、後部座席には子供達が乗っている車も道路を走っています。
自分が運転する周りには、常に誰かがいます。
そしてその誰かには過去、現在、未来へと続く人生がありますし、その誰かにも愛する恋人や家族、友人、会社の同僚がいます。そして、その誰かの恋人や家族、友人、会社の同僚にも人生があります。
もしスピードの出し過ぎで事故を起こし、誰かに危害が加わるようなことがあったら、その影響は直接危害を加えられた人だけにとどまらず、その人と繋がっている人にも大きな影響を与えます。そうやって考えた時に危険行為とは何か、誰にとっての危険行為なのか、その答えが見えてくると思います。

ただ人間は感情の生き物と言われるくらい感情に左右されてしますので、こう言ったことというのは頭で理解できても、その通り行動することが難しいのが現実です。
だからこそです。自分の感情を強くコントロールし、危険行為ではなく安全な行為をできる人が本当の意味で格好いい運転ができる人だと私は思います。

感情がコントロールできてない危険行為、危険運転の例を挙げるとすると、最近よく耳にする煽り運転を思い浮かべます。煽り運転をしている人を見て格好良いと思いますか。それとも危ないことをしているなと思いますか。これらは外側から見た感想になります。つまり危険行為をしている人を周りがどう見ているかということです。

ここでもう一つ考えてもらいたいのは、煽り運転をしている人は自分が危険行為をやっているという自覚はあるのでしょうか。危険行為をしているという自覚があって煽り運転をしているのでしょうか。それとも注意して煽れば事故は起きないと思って運転でしているのでしょうか。あるいはそういうことすら考えられずに感情に任せて煽っているのでしょうか。これは内側からの感想です。危険行為をしている人は、その行為自体をどう正当化しているかということです。

恐らく煽り運転をしている人を見ると、自制が効いていない危ない運転だと思われる方が大半だと思います。ではスピードを出して運転している人はどうですしょうか。まぁ、許される範囲内というのはあると思いますが、それを超えたスピードで運転していると、やはり自制が効いてない危ない運転だと周りは見ていると思った方が良いでしょう。

確かに私も今でも、車を速く走らせる運転ができる人には憧れます。素直に認めます。だからと言って、そういう運転をいつもいつもやるかというと、それはやりません。今では私は自分の感情をコントロールし、周りに配慮しながら安全に運転できる人が格好いいと思っているからです。

そして周りに配慮した運転は、はっきり言って速く走らせるための運転より難しいと思います。私が思う周りとは誰を指すのか。配慮とは何を指すのか。そのことについてはも追々書いていければ良いなと思っています。

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